吉田文(2020)「大学「教育」は改善したのか」『教育学研究』87(2),2-13
- 教育方法の改革推進
- 改革の始まりは教育方法:1991年答申でFD、シラバス、TA、自己点検が登場→キャップ制、SD、セメスター、GPA(←小道具)
- 2004年に方向転換=教員の改革から学生の変化へ→2008年教学マネジメント(個別の教育方法をトータルに機能させるために持ち出された)
- 教育内容の改革
- 1998年21世紀答申:学士力に触れた程度で言及少ない(学問の自由への配慮)
- →初年次教育とキャリア教育で改革=入口と出口の接続問題
- キャリアガイダンスだけは設置基準で義務化
- 90年代後半からの就職問題社会化→就職対策としてのキャリア教育→教育の問題化=労働市場問題・経済問題と切り離し、個人の努力の問題にすり替えた
- 競争的資金による改革
- 教育を大学の組織的取組とし、他機関との競争と、その結果としての評価の俎上に載せたという点で画期的
- 5つの特色:学生支援に特化した事業、事業期間の短期化、申請しないことのレッテル化、審議会提言との密接化、定量評価項目の細分化
- 面従腹背
- FDは義務化して実施率は上がったが、関与する教員は二極化or限定
- 初年次教育とキャリア教育は、ディシプリンフリーで拒否反応が少なく、瞬く間に定着
- 学会が政策を批判せず有効な実践方法の情報交換をレゾンデートルとした
- MEXT改革の意図:大学教員の眼を教育に向けさせ、教育を組織化すること
- 大学トップ、中間団体とも改革に反対すれば経常費や競争的資金などの縮減につながり、大学財政に支障をきたす
- 大学の自主性を働かせる余地のない改革の中で、大学が学生の主体性を育成することは望めない