2020/10/04

鳥飼玖美子(2018)『英語教育の危機』ちくま新書


  • 平泉・渡部論争:実用英語を話せる英語と競技に解釈したことが誤解の源。
    • 平泉は英語教育の効果が上がらないのを、学習意欲の欠如と生活で不便がないことを理由に指摘していた。
  • コミュニケーションを道具と割り切り、数値で測定できると考えている限り、言語力もコミュニケーション能力も伸びない。
  • グローバル人材育成戦略=英語を駆使してグローバルに戦う企業戦士の育成
  • 資質は生まれつきの性質や才能を指すが、文科省は教育基本法に依拠して育成可能と解釈している。
  • CEFRのCan-Doは、評価の尺度として開発された能力記述文だが、日本は到達目標として解釈した。
  • コミュニケーション能力には、言語知識、一貫性を持って話したり書いたりする能力、言語を状況に応じて適切に使える能力、相手の真意を汲み取れる能力が含まれる。
  • 文化(文明)とは、知識、信仰、芸術、道徳、法律、慣習、その他、社会の構成員としての人間によって習得された全ての能力や習慣の複合総体である(エドワード・タイラー)。
  • コンテクストを共有する度合いが高い=ハイコンテクスト=長い歴史文化を共有する国=忖度文化。
  • 多様な人種や民族の国家=ローコンテクスト=言葉を駆使して説明する。
  • コミュニケーション能力の4要素
    • 文法的能力:音声、語彙、構文、文法。
    • 方略的能力:聞き取れなかった際にどう対応するか、言いたいことが言えない時、単語を思いつかない時にどうするか。
    • 談話能力:ひとまとまりのメッセージをどう一貫性と結束性を保って書いたり話したりするか。
    • 社会言語的能力:文化的規範によってどの表現を使うか、目的・場面・状況に応じて規範を知って使う。
  • ベネットの異文化感受性発達モデルの6段階
    • 自文化中心段階
      • 否定:文化に違いがあることに気づかないか無視する。
      • 防御:自文化が優れていると考え、他文化を否定的なスレテオタイプで見る。
      • 最小化:人間は基本的に同じだと考える。
    • 文化相対化段階
      • 容認:価値観の違いを理解し、文化的差異の現実を受け入れる。
      • 適応:意識的に他文化の視点に立ち、自分の行動を変える。
      • 統合:1つではなく複数の文化に属し、多様な文化的視点を持つ。