宇多川元一(2019)『他者と働く』NewsPicksパブリッシング
- 技術的問題:既存の方法で解決できる問題。
- 適応課題:既存の方法で一方的に解決できな複雑で困難な問題。
- 対話=新しい関係性を構築すること:適応課題を解く方法。
- 組織とはそもそも関係性。
- お互いに分かり合えていないことを認めることが対話に不可欠。
- 権限や立場に関係なく、自分の中に相手を見出し、相手の中に自分を見出し、双方向にお高いを受け入れあっていくこと。
- 対話を技術的問題として、マネジメント論を駆使しても解決しない。その前提に、自分が良いと考える基準があり、相手を一方的に評価する関係性があるから。
- 適応課題の4タイプ
- ギャップ型:価値観と実際の行動のギャップ。ある意味合理的に発生する(ex.男女対等の社会参画、背後に男性中心のナラティブあり)。
- 対立型:お互いのコミットメントが対立する。営業VS開発など。
- 抑圧型:言いにくいことを言わない。先行き悪くても撤退できない時など。
- 回避型:本質的な問題を回避するために逃げたり別の行動にすり替える。対策を打っているという言い訳が典型的。
- ナラティブ:語り(物語)を生み出す解釈の枠組み。
- それぞれの立場にナラティブがあり、どれが正しいではない。各自の置かれた環境における一般常識のようなもの。
- ナラティブアプローチ:どう相手をとらえる私の物語を対話に向けていくかを主軸にしたもの(どう相手に話をするかではない)。
- 溝に橋をかける4プロセス
- 準備:相手と自分のナラティブに溝(=適応課題)があることに気づく。自分のナラティブを脇に置く。
- 観察:相手のナラティブを探る=背後にある課題をよく知る。協力者がいないと観察はうまくできない。
- 解釈:溝を超えて橋がかけられそうな場所やかけ方を探る=相手にとって意味ある取り組みは何かを考える。相手のナラティブにおいても意味があるようにするにはどうすれば良いかを考えることが解釈。
- 介入:実際に行動して橋をかける=相手の見えていない問題に取り組み、かゆいところに手が届く存在になる。ナラティブが見えると、介入のリソースは組織内にたくさんある。
- 批判研究:戦略論とは、戦略を考える人と実行する人という支配関係を気づかないうちに組織内に作り出すための言語的な権力の発生装置だ。←批判だけで現実を変えていない。批判は問題をより良いものに変えるためのもの。それには現実の社会的構成に注目し、現実を作り出す日常の会話に注目し、言葉を変えることで現実を変える。
- 反対のナラティブに来て、そこから自分のナラティブを見てもらう(営業から法務に来てもらい、チェックの作業をみてもらう)。
- 中立な人間は存在しない。誰もがそれぞれのナラティブを生きている。自分の偏りを認めないと、相手の偏りを受け入れるのは難しい。
- 組織の上層ほど、不満や困りごとを分かってもらえる相手がいない。それが外部コンサルタントを利用する要因にもなる。孤立状態を解消するには、上の立場の仕事を共有する。
- 人が育つとは、その人が関わる仕事において主人公になること。その人のナラティブの中に学んだことが意味あるものとして位置付けられないと、学んだことを使わない。
- 部下は弱い立場ゆえの正義のナラティブに陥りやすい。上司は道具としてのメンバーの関係性に陥りやすい(実行が重要なフェーズではその関係も重要)。
- 権力は、関係性を変えるので、対話を妨げる。常にこの問題があることを知り、メンバーと新しい関係性を更新し続けることが必要。
- 正しい説明という暴力:エビデンスに基づく癌治療。医師と患者のナラティブは異なる。
- メタファー:理解を作り出す言葉の結びつき。機械、有機体=メンバーは組織を構成する部分であって中心ではないというメタファー。