2020/01/02

鈴木修(2012)「「探索」と「活用」のバランスの実現に関する考察」『組織科学』45(4),66-81


  • 「探索」と「活用」のバランスの維持は組織の長期的な適応に重要な役割を果たす一方,どちらか片方に専心しないと組織学習が進まない(Levinthal and March 1993)。
    • March(1991)は,適応過程としての組織学習を「探索」と「活用」との間の資源配分過程と捉えた。
  • 先行研究では,組織学習の焦点が新しい知識や技術の追求なのか,既存の知識・技術の再利用なのか,に着目して,「探索」と「活用」の操作化が試みられてきた。
    • 組織の長期的な適応には両者の適度なバランスが必要である(March)。
  • 組織学習は,環境要因や組織学習活動等の相互作用の克服を目的とした2つの機構によって促進される。
    • 分解(decomposition)やイナクトメントから構成される経験の簡素化(simplification)と,適応反応類型の特化(specialization)・代替(substitution)の2つ。
    • → これらは,組織学習を容易にすると同時に,3つの視野の狭窄を併発する。
    • → 短期集中(overlooking of distant times),第二に全体観の喪失(overlooking of distant places),第三に失敗経験の軽視(overlooking of failures)。
    • → この結果,「探索」と「活用」とのバランスが乱れ,組織の学習態様は「探索」,「活用」のどちらか一方に偏る。
  • 従来の研究:「探索」に役立つ組織能力をより濃厚に有する組織と,「活用」に役立つ組織能力を濃厚に有する組織とが存在する。→ バランスを維持する組織を考察する必要性あり。