- 主題分析の強みは柔軟性
- 一般に質的分析は2つの流派に分けられる
- 特定の理論的・認識論的立場に立つもの:(1)限られた枠組みに適応可能なもの(会話分析,解釈的現象学分析),(2)理論的枠組みは広いが分析方法が厳密なもの(グランデッドセオリー,ディスコースアナリシス,ナラティブアナリシス)
- 理論的・認識論的立場を越えて適用可能なもの:主題分析
- ただし,その柔軟性が「なんでもあり」と批判の対象にもなる
- 本稿の目的の1つは,適切な方法論と柔軟性の境界を明示すること
- 分析者が明確な仮説を持つことがポイント
- データコーパス:調査で得た全データ → データセット:コーパスから取り出した分析に使うデータ
- データセットの作り方:(1)データコーパスに含まれる個人から構成,(2)データコーパスに含まれる特定のテーマに関する発話から構成(両者を組み合わせることは可能)
- データアイテム:個人の発話
- データ抽出:データのコードの束(データアイテムから抽出されたもの)
- 主題分析:データ内のパターン(テーマ)をレポートする技法
- 追試可能性の担保には,プロセスと実践手法が極めて重要
- 主題:リサーチクエスチョンに関連する重要な,データ内にあるパターンまたはテーマ
- 主題は,帰納的(ボトムアップ)でも演繹的(トップダウン)でも特定できる。
- 分析の6段階
- (1)データに自分自身をなじませる
- データを何度も読む,アクティブリーディングをする(意味・パターンを見つけながら読む),トランスクリプトを自分で作る
- (2)初期コードの生成
- データに何があるか・何が興味深いかの初期リストを作成する

- 全データを均等に読む
- トランスクリプトをハイライトしてコーディングする
- コードはできる限り多くのテーマ・パターンを出す
- 文脈を損なわずにコーディングする(コーディング批判の的)
- (3)テーマを探す
- コードのリストを見て,潜在的なテーマにまとめる
- 複数のコードからテーマを見出す
- この作業に,表,マインドマップ,ポストイットを使うのもよい

- コード間の関係,テーマ間の関係,テーマの階層をまとめる
- テーマ・サブテーマの候補をまとめたらこの段階は終了
- (4)テーマを検証する
- ステップ2:仮テーママップが,全データを反映していることを確認する
- この確認は重要だが,エンドレスの再コーディングに注意
- (5)テーマを定義・命名する
- (6)レポートを書く
- 分析はトランスクリプトの表面ではなく,意味のレベルで行われている必要がある
- よくある5つの失敗
- 分析をしていない:文字を抜き出すことがコーディングではない
- インタビューの質問をテーマにする
- 分析が甘い:テーマに重複がある,内的な一貫性がない
- データと結論が整合しない
- 理論と分析が整合しない
- 優れた分析のためのチェックリスト

