藤村正司(2018)「なぜ研究生産性が失速したのか?」『大学論集』50,1-16
- 研究生産性低下=高等教育政策のみならず,科学技術政策にもPA関係を持ち込んだ。
- 短期選択的な資金配分が大学組織のテクニカル・コアまで浸食,クラークの言う高等教育システムのより良い最下部を損なった。
- 最下部には教育研究という帰納的に進行する実践があり,最上部から演繹的・目標達成的に進められる統制を逸らす「脱連結」が 機能してきた。
- 資源配分の変化により「脱連結」が作用しなくなった可能性がある。
- 研究生産性低下は,競争的資金増,基盤研究費減,研究時間劣化による。
- 高等教育システムのより良い最下部が構造改革によりダメージを受けた=基盤研究費を抑制し,使途の明確な競争的 外部資金の割合を増やすことで果実を得るというニュー・ガバナンスの信念。
- 統制と実践の「脱連結」が許されるのは,大学に対する「信頼の論理」(盲目的委譲)により使途の自由な基盤研究費が維持されてきたから。
- 一方で,使途に制限のない個人研究費は,依然として一般大 学で論文生産性や競争的資金獲得額に影響を与えている。
- 競争的外部資金と個人研究費は代替的でない=基盤経費の上に競争的経費がある2階建て構造である。
https://ir.lib.hiroshima-u.ac.jp/files/public/4/45662/20180501103851897111/DaigakuRonshu_50_1.pdf