2019/07/04

宮島健(2018)「残業規範知覚と意見表明との関係における心理的安全風土の調整効果」『組織科学』52(2),4-17


  • 残業の2要因:(1)人員不足・公正業務配分、(2)他成員からの評価への懸念。
  • 時間外労働を美徳と見なす社会規範を知覚することで、裏腹に残業に従事する行動に注目→個人の行動規定:近くされた規範>個人信念。
  • 実際、残業に関する社会規範の認知はどの程度正確か?
  • 多元的無知:自分が集団規範を受け入れていないにもかかわらず、他の成員の多くは受け入れていると信じている状況。
    • →他者に与える自分の印象を好ましく管理しようとする動機が生まれる(知覚された他者の信念に合致する行動を選択しやすくなる)。
    • →この行動が他者に影響を与えて、集団成員による規範の遵守が安定的に生み出される。
  • どのような要因が多元的無知行動を弱めるか?
    • 心理的安全:チームの課題葛藤が高くともチームパフォーマンスが高まる。
    • 心理的安全風土はリーダーの行動で変化させることが可能(変革型リーダーシップ、倫理的リーダーシップ)。
  • なぜ残業規範と多元的無知が生じたか?
    • 伝統的な雇用慣行は年功序列=成果より忠誠心・コミットメントが評価される仕組み。忠誠心のシグナルとして残業が機能。
    • 以前に支持された価値観が、支持を失っても維持され続ける現象=保守的遅延(多元的無知の1つの形態)。