2018/07/05

藤村正司(2017)「高等教育組織存立の分析視角(2) ― 「脱連結」論から見た改革・実践・アウトカム ―」『大学論集』49,37-52


  • 改革:一回限りの永 続的変化をもたらすもの ⇔ 改革それ自体がスタンダードな反復活動となり,改革が改革を招いている。
    • → 組織内部に改革と実践を連結させようとする強い圧力(=PDCAサイクルの確立)がかかっている。
    • → 改革をスタートさせることは容易であるが,改革を遂行することがいかに困難であるかを物語っている。
  • モニタリングや誘因を欠いた改革=成果を得ているのかどうか査定しなくても,アウトカムが得られているであろうと見なす「信頼の論理」がある。
    • ← アウトカムの精査を回避するメカニズム=「脱連結」
  • 新制度主義組織論は組織内部には立ち入らない。
    • 新制度主義は超越論 的視点から高等教育が提供するローカルで個人的な経験(カレッジ・インパクト)に先だって存在する「意味秩序」を問う。(大学でどんな教育を受けたかよりも,学生の資質が同じであれば,「卒業生」になる事実が,何よりも個人の将来生活にクリティカルな影響力をもつ。)
  • 2つの脱連結(Bromley & Powell 2012)
    • (1)改革を儀礼的に選択,仕事のルーチンを変えるモニタリングや評価は意図的に回避(教育・公的組織など,アウトカムに関する情報が外形的評価にとどまる組織で多い)。(=従来の脱連結)。
    • (2)実践とアウトカムの脱連結:改革が日々の実践の変更を余儀なくするが,新たなアウトカムが得られているかは不明なケース(総合改革支援事業のKPIや国立大の中期計画など)。