成瀬尚志(2014)「レポート評価において求められるオリジナリティと論題の設定について」『長崎外大論叢』(18), 99-108
- ルーブリックで評価がぶれる理由:程度を表す表現(おおむね,十分など)が含まれるため。
- レポート指導の標準モデル:トゥールミンモデル:論証を構成する要素を主張,データ,保証,裏付け,反証,限定の6つに分類して説明。
- 学生のレポートにオリジナリティをどの程度要求すべきか,要求しない場合どの点を評価すべきか。
- 学部レベルのレポートの評価基準:主張に説得力があるか・文章が論理的であるか,主張にオリジナリティがあるか,授業内容を理解しているか,自分で考えて書いているか。
- レポート論題の6タイプ
- 是非型・比較型:ある事柄の是非について問う,複数の立場を比較して優劣をつけさせる。
- 功利主義とリバタリアニズムの違いを説明し,両者の問題点や強みについて説明し,どちらに説得力があるかを説明しなさい。
- 本質追求型:ある事柄の本質を問う。
- 発見・提案型:ある事柄の問題点や原因を見いだし説明させる。あるいは何らかの問題についての解決案を提案させる。
- 功利主義の問題点を挙げなさい。ミニョネット号事件の船長に対してあなたならどのようにアドバイスをしますか。
- 具体例提示型:ある理論や立場が当てはまる事例を挙げさせる。授業で習ったことを自分の身近なことと結びつけて論じさせる。
- 正義を善に優先させて考えないといけないような事例としてどのようなものが挙げられますか。テキストの中にない事例を一つ考え(架空の設定でよい),なぜその事例がこのケースに当てはまるのかについて説明しなさい。
- 意味づけ型:授業で説明した議論の構造を取り出させたり,事柄間の関連を説明させたり,主張の意味を説明させる。
- 功利主義にとって善と正義はどのような関係にあると言えますか。
- 再構築型:ある特定の構造をもった文章を書かせる。
- ミニョネット号事件における船長の判断について問題点を指摘し,その指摘がどのような倫理学的な立場からのものかを説明し,船長がどのような行動をとっていればよかったかについての代替案を提示しなさい。
- レポートにオリジナリティを要求する理由
- 発想力やユニークな視点の提示 ⇔ 論題の設定によっては非常に高度な要求になる可能性,到達目標の観点から本当に評価すべきか?
- 自分で考えて書いているかどうかを評価するため。
- 授業で扱った内容をそのまま求めるか,授業で扱っていない内容を求めるか。
- 前者は是非・比較,本質追究,意味づけ,再構築の4タイプ,後者は発見・提案,具体例提示の2タイプ。
- 剽窃がしやすい=是非・比較,本質追究,剽窃しにくい=発見・提案,具体例提示,意味づけ,再構築
- オリジナリティのレベル
- オリジナリティ=授業でのインプットと同一でない。これは,学生が自分の頭で考えて書いたものと一致する。
- 3つのレベル:
- 理論的な問題に関するレベル(是非・比較,本質追究→学術論文のレベルへ)
- 学術的な新規性はないが,授業内容とは別の何かを求めるレベル(発見・提案,具体例提示→新規性はないが自分で考えたことを明らかにする)
- 与えられたものから選び出したり整理するレベル(意味づけ,再構築→オリジナリティではないが,コピペでは書けない)
- レポートにオリジナリティを求めることは困難だが,自分の頭で考えるためにオリジナリティを要求すべき。
