高城幸司(2014)『社内政治の教科書』ダイヤモンド社
- ビジネスは論理的でなければならないが,それは合意を得る必要条件であっても,十分条件ではない。その問題解決に必要なのが政治力。
- 政治力は権限(指揮命令権,職務権限,人事権)と影響力の2つが源泉。前者は反発は摩擦を生み出しがち。
- 影響力は,信頼関係,相手に好かれること,実績,希少性のある専門知識などによって生まれる。社内政治は影響力のゲームである。
- 社内政治は長期戦である。ある程度固定化した人間関係の中では場当たり的な対応は信頼を失う。信頼を貯金したものが長期的には優位に立つ。信頼を得るには,誠実であればよい。
- 味方を増やすには,自分の重要感を持たせること。相手がほしがっているものを与えることが唯一の方法。基本は挨拶,話を聞く,上手に頼み事をする。
- 私心を捨てる必要はないが,大義に結びつける。常に大義を掲げて,考えを尽くすこと。
- 相手に自分の考えを認めさせるには,できるだけ議論を避ける(議論は勝ち負けを生む)。議論から逃げるのではなく,相手の自尊心や優越感を満たしながら,相手の論理に沿うように要求を提案する。ロジックが大切なのは大前提で,相手を言い負かすことをしない。
- 議論は10:0で勝つものではなく,7:3,6:4での決着を目指す。落としどころを推し量り,譲れないポイントを明確にする。
- 情報におぼれないために必要なのは,重要な情報をかぎ分ける嗅覚であり,嗅覚を磨くには明確な問題意識を持つこと。問題意識が明確であれば,自分の情報感度をチェックする感覚で情報にアクセスできる。
- 価値の高い情報を入手するには,自分が価値の高い情報を提供しなければならない。それには,社内の壁を利用した情報の壁(情報格差)を利用するだけでよい。
- 組織を動かしているのは権力(パワー)であり,それが組織統治の原則。組織図にはパワーバランスが描かれている。パワーの指標は,人事権,予算,人員数の3つ。
- 社内政治でべき論は無力であり,組織を動かすのはパワーである。パワーの在処を正確に把握し,あらゆる機会をとらえてパワーバランスの解像度を高める努力を行うこと。
- 課長は,会社の権力構造の末端に位置すると同時に,一般社員で構成される現場の長でもあるという社内で最も難しい管理職である。経営は全体最適を志向するが,現場は部分最適を志向し,その緊張関係の中心に置かれるのが課長である。
- 課長は経営批判をしてはならない。現場の不満に対しては,経営批判の賛否に触れず,打開策を共に考えるスタンスを示す(どうしたらいい?自分たちにできることはある?)。課長クラスが正論を述べても経営は変わらず,それを所与として現実的な対応策を考える。
- 求心力の管理職の共通点は,プライベートを含めた部下のことをよく知っていること,相手の願望に対して公平なえこひいきをすること。
- 経営層に顔を売る際には,現場でしか手に入らない情報で,経営判断に資する情報を提供すること。
- 派閥を否定してはならない。派閥を認めることが組織で働く大前提。