2015/01/26

渡邉浩一(2013)「「知識基盤社会」における「学士課程教育」 : 基本概念の批判的検討」『京都女子大学現代社会研究』16,19-34

  • Undergraduate=第一学位未取得者。学士課程という訳語は,一歩進んだ解釈。
  • 学位はもともと「教授資格」に認定に関わるものだった。第一学位はまず自由七科のカリキュラムに取り組む学生の学位認定だった。
  • 学部教育はUndergraduateの適訳とはならない。日本の学部教育は,学士教育の意味に加えて専門分野別の教育という意味がある。
  • 「知識社会」とは20世紀中葉にアメリカ で新たに登場しつつあった社会を名指すために用いた言葉。1990年代半ばのEU経済の長期的な停滞を背景に,OECDの科学技術政策担当者たちによって導入された「知識基盤経済(knowledge-driven economy,knowledge-based economy)」という考え方をテコに,「各国の政策に影響を与えるほどの新しい知識社会論へと飛躍させ」られるに至った(阿曽沼)。
  • 「ポスト工業社会」なり「知識社会」 なりといった概念は,分析のための図式として導入されたもので,目指されるべき社会像として安易に規範化されるべきでない。知識社会概念が,政策推進のための規範として用いられている。