マーク・カートイス(2010)「19世紀オックスフォード大学における試験,教養教育,チュートリアル制度」『大学史研究』第24号,92-115
- オックスフォードの教育の目的は,知的能力を訓練することであり,その目的の達成には古典学が理想的。特定の職業ではなく,あらゆる職業に適応させるような種類の教育。
- 狭い職業的な教育は個人を金持ちにするかもしれないが,知的能力を発達される教育を受けた人がリーダーになる方が社会全体の利益が大きい。
- チュートリアルでは,学生は質問に答えることはできるが,教師へ質問することは許されなかった=カテキズムによる教授。教科書や権威ある著作の正確な知識を少しずつ教えるのに適した方法。教育が宗教的に正当であることを保証する方法として,オックスフォードで支持された。教育と学問の自由を制限し,教員・学生双方が正統派の道から外れないために必要だった。
- カテキズムは,高度な学問には効果的な教育方法でなかった。
- エッセイを提出してチューターが批評する教育の焦点は,学生自身の努力如何であった。
- しかし,エッセイから浮かんだ命題について論じるなど,真理の探求による教育というフンボルト理念が結実した可能性もある。
- チュートリアルは,学生の進み具合を監督するため,効率的な方法である=落第者がほとんどいない。
- チュートリアルは私的な相互作用であるため,学習成果を外的な権威によって認定する必要が生じる。そのために試験が必要となる。
- 大学者社会階層の最上位に位置する人々の子弟の教育に携わり続けることが重要である(カーゾン)。これらの人々は,他の誰よりも公的な義務という観点から教育されることが求められる。