2014/02/24

佐藤智恵(2013)『世界最高MBAの授業』東洋経済新報社


  • ビジネススクールで教えられるものは,ハードスキル(専門知識),ソフトスキル(リーダーシップ,コミュニケーション,組織行動,自己分析),実習(プロジェクト,フィールド)の3つ。昔はケース中心だったが,今は実習・演習中心。また,ソフトスキルに重心がある。ビジネススクールは,誰でも訓練すればリーダーシップの能力を開発することができるという前提に立っている。
  • 自分を理解し,本当の自信を持つことが成功するリーダーの第一歩であり,自分の人生のリーダーシップをとれずに,他人に対してリーダーシップはとれない。
  • エンパシー・ウォークは,自分と正反対の世界にいると思う人の声に耳を傾けるもの。まず自分でその定義づけをして,実際に声を掛ける。
  • ビジネススクールの授業の根幹にあるのは,コミュニケーション。相手に立場に立って考える・伝える。
  • プレゼンの基本は,はじめにイメージに残るものや画像を見せる,スライドよりジェスチャーと声が大事,簡潔な言葉でシンプルに伝える,長くても30分までにする。
  • 大きな会社がスタートアップの雰囲気を持つために,2〜5人で開発をして,開発途中から社内に情報をシェアし,ある程度できたらすぐにサービスを開始してフィードバックを得る。(オープン・イノベーション)。
  • 授業がケース議論とケースの当事者による講演の2部構成。
  • チームのメンバーの名前,顔,経歴などを覚えるのは帝王学の基本。ハーバードは,入学前から準備をして,入学時には全員覚えている。


 ビジネススクールは,カリキュラムを頻繁に変えていること,教える側に実際の経験と共に現役のリーダーを呼ぶネットワークが必要なこと,結局のところ重要なのはコミュニケーションであることがわかる点で良書。ただし,現象をポジティブに捉えすぎている点と(これもビジネススクール教育の成果か),又聞きの編集であるため,世界最高の授業がどのように世界最高なのかを丁寧に記述できていない点が極めて残念。