2014/02/25

西脇暢子(2013)「組織研究の視座からのプロフェッショナル研究レビュー」組織学会『組織論レビュー1』第3章,白桃書房


  • 組織研究におけるプロフェッショナル研究の課題は,組織の権限体系を通じたコントロールと,組織メンバーによる自主的な管理運営という,マネジメントの古典的テーマと新しいテーマがうまく関連づけられていない。
  • 先行研究でプロフェッショナル(プロフェッション)の要件としてあげるのは,Wilensky(1964)による,(1)長期的な教育訓練によって初めて獲得できる高度で体系化された専門知識矢専門技能,(2)職務の自律性,(3)専門知識を有する集団のメンバーとしての高い職業規範や倫理観。
  • これはプロフェッショナルが社会的に承認された専門職集団としての地位を得る過程で,(1)フルタイム化,(2)体系的なトレーニングを行うための教育機関の設立,(3)地域団体設立,(4)国家団体設立,(5)公的なライセンシングとそのための政治的闘争,(6)公式倫理綱領の規定,を経て段階的(戦略的)に獲得してきたもの。
  • Gouldner(1957)は,コスモポリタンとして大学スタッフ130人対象にした調査で,研究者,教員,職員にはコスモポリタンもローカルも中庸もいること,大学政策に関する参加の程度や規則の遵守を重んじる程度は3タイプごとに異なることを明らかにしている。
  • Abbott(1988)は,プロフェッション間の競争の源泉は,(1)診断,(2)推論,(3)治療の3段階で説明でき,(1)の問題の構造化と(3)の問題解決のアクションとの間にある(2)こそが純粋にプロフェッショナルな仕事であり,診断した理由づけと治療の方向性や範囲の設定を指す。

  • Abbott, A. (1988) The System of Professions: An essay on the division of expert labor, University of Chicago Press.
  • Gouldner, A. W. (1957) Cosmopolitans and Locals: Toward an analysis of latent social roles 1, Administrative Science Quarterly, 2, 281-306.
  • Gouldner, A. W. (1958) Cosmopolitans and Locals: Toward an analysis of latent social roles 2, Administrative Science Quarterly, 2, 444-480.
  • Wilensky, H. (1964) The Profession of Everyone?, The American Journal of Sociology, 70(2), 137-158.