2011/06/02

渡部哲光(2000)『アメリカの大学事情』東海大学出版会

  • 大学は公私の区別なく州高等教育委員会(Commision of HE)の監督を受ける。予算の審議,教育水準のチェックを行う。
  • 理事には,学長や教員,職員は理事にならない(SCの場合)。教授団と学生の代表は議決権はないが発言権のある者として理事会に出席できる。
  • 学長は教授として特定の学科でTenureを持つ。Provostは専門分野で業績を上げた学者で,かつ行政手腕を持つ教授が任命される権威ある地位。事務局長(Secretary)は理事会が選出。経理局長(Treasurer)も理事会選出。副学長(VP)は経営・財務担当,人事担当,学生担当,大学振興担当があり,理事会選出。学部長は学長任命でProvost直属,学部内学科にTenureを持つ。学科長(Dept Chair)は学部長任命,学長・Provost承認。
  • 学長はほとんどの大学で公募。Provostと学部長は,広く学界から公募,内部からも応募可。Provostは学部長以上の役職経験者から,学部長は学科長経験者から選ばれる。三役選考は書類で10名程度に絞られ,大学で3〜4日幹部と面接,教員団,学生との会談やセミナーをこなす。順位が決まると,俸給交渉に始まり,運営方針や学外活動の承認などを調整し,合意すれば任命。決定まで数年かかることもある。
  • 学科長は,公募であったり選挙であったりする。立候補はあり得ず(多忙で研究ができないため)同僚の説得で決意する。
  • 教員団は多数なので,参議院団が構成されて会議をする。
  • Freshman,Sophomore,Junior,Seniorは1年〜4年ではなく,30単位,60単位,90単位などを修得した者をその学期の終わりまでSophomore等と呼ぶ。卒業は4年が普通だが,学年は規定ではない(学期変わり目に進級し,留年や落第という概念はない)。
  • アメリカの大学では講座制はない。個々の教員の集合で構成される。俸給は希望額と提示額の折り合いで決まる。自らの評価を低く評価すると,初任給が低くなり,大学を変えない限り昇給に響く。
  • FTEの考え方:俸給の全てを学科から支給される教員Aが3単位科目を30人に教えると,3×30×1=90,これを3人で教えると一人30。俸給の半分をX学科,残りをY学科から支給される教員Bの場合,3×30×0.5=45。FTEは教授公立の表現方式の一つ。