本稿は欧州の高等教育機関の生産効率生を非線形の生産フロンティアで評価する実証研究である。だが、この論文は本論よりもAppendixに掲載されたDEAの方法論の解説が興味深い。
DEAは投入物の加重総和に対する生産物の加重総和を最大にする問題を扱う分析で、ウェイトが最適化すべき変数となる。各機関の相対効率性値の推定方法は、同じ投入量で最も産出の高い機関を特定し、他の機関はそれとの差を取ることで相対的非効率性を計算するという2段階が基本。フロンティア上の機関の効率性を1とする。
n個の機関がm個の投入でsの産出を行うとする。ある機関jが投入iをxijの量投入して、産出rをyrjの量産出する。産出rにかかるウェイトをur、投入iにかかるウェイトをviとすると、ある機関の生産性は次式で表される。
h0(u, v) = {Σ(r=1~s)yr0ur}/{Σ(i=1~m)xi0vi}
このウェイトを内生的に決める。ある機関は他の機関に対して1を超えない範囲で生産性を最大化するようウェイトを決める。すると最大化問題は、
max(u,v) h0(u, v) = {Σ(r=1~s)yr0ur}/{Σ(i=1~m)xi0vi}
{Σ(r=1~s)yrjur}/{Σ(i=1~m)xijvi} ≦ 1 for j = 1,2,...,n (each DMU sample)
ur≧0 r = 1,2,...,s
vi≧0 i = 1,2,...,m
観測された投入量を用いて産出を最大化するOutput-orientedモデルでは、分母を一定にして分子を最大化する線形問題へ上記問題を変形する。
min(μ,v) h0 = Σ(i=1~m) xi0vi
Σ(r=1~s) yr0μr = 1 (ウェイトの合計が1になる制約条件)
Σ(r=1~s) yrjμr + Σ(i=1~m)xijvi ≧ 0, j = 1,2,...,n
μr ≧ 0 r = 1,2,...,s
vi ≧ 0 i = 1,2,...,m
規模に関する収穫を可変にするには、凸制約(Σ(j=1~n)λj)を追加する。
max(θ,λ,s+,s-) θ + ε[Σ(r=1~s)sr+ + Σ(i=1~m) si-]
θyr0 - Σ(j=1~n)yrjλj + sr+ = 0
Σ(i=1~m)xijλj + si- = xi0
such that Σ(j=1~n)λj = 1, sr+ ≧ 0, si- ≧ 0
このモデルでは、θ=1かつsr+とsi-がゼロのとき最も効率的になる。