2008/10/18

Duch, B. and S. Groh (2001) "Assessment Strategies in a Problem-based Learning Course," in Duch, B., Groh, S. and D. Allen (eds) The Power of Problem-Based Learning, Ch.9, pp.95-106.

 PBLでは、学生の能動的な学習を尊重するために学習目標を狭く限定すべきでないという意見もあるが、過渡期において学士課程における少数のPBL実践者として取り組む場合、目標設定とそれにともなう評価基準・方法は重要な問題である。すると次のような問題に直面することになる。
  • 問題を解決できると学生はどのような成果を見せるのか?それは個人によるものか、グループによるものか?また優良の区別ができるものか?
  • 個人の成果が評価できることを担保した上で、どのようにグループ学習を促進するのか?
  • 問題発見型のシナリオを試験でどのように使えばよいのか?
  • グループ活動やコミュニケーション能力を評価すべきか?そうであればどのように評価するのか?
評価にあたって重要なのは授業の目標である。重要な目標は全てシラバスで示し、詳細な内容に触れて書くよりも大きな概念レベルで書くべきである。目標は、次のように考える。
  1. コース終了時に学生がどのような知識を獲得し、価値観を形成し、行動できるようになっているか
  2. それらの達成を示すために学生はどのような根拠を示せばよいのか
  3. の2点をまず考える。以下では前者について少し細かく見る。

 知識の獲得に関しては、目標を3点にまとめ、1点目は知識の認知領域で、残りをより高いレベルの認知領域で示す。行動の獲得は、(1)問題解決に必要な情報を収集分析する(2)口頭・文書で概念をやりとりする(3)グループで協力して作る、の3つの行動力の獲得である。価値観の形成も、できる限りシラバスの目標に明記し、評価対象にするべきである。

 次に、目標をどのように評価するかを決めるのだが。要するに論理的思考力をもとにエッセイを書く試験を行うということである。肝心なところが書いてないじゃないか。少なくとも異なる認知レベルにそれぞれグレード付けを行うような評価を行うようだ。しかし、それでは行動力や価値観を評価できないではないか。

 本稿のポイントは抽象的論理的思考力を評価する方法にあるのだが、ズバリとは書いてなく、実践者をサポートする内容ではない。改めて評価の難しさを示唆している。非常に期待して読んだのに、その反動でショックが大きい。