本稿は、主として学生評価に対象を絞って、高等教育の評価実践を批判的にとらえ、改善につながる評価の方法論を示すことを目的とする。この間米国では、学生評価に対する批判から実践手法の見直しが行わてきたことと、高等教育の説明責任としてアウトカム評価の導入が進んだという二つのトレンドを経てきている。
本稿ではMeasurement + Evaluation = Assessmentという立場をとる。評価のためには情報(指標)の単純収集(Measurement)とその情報を個人や組織の活動の改善のために利用する(Evaluation)二つが必要である。ここで、Evaluationは何らかの意図や価値判断を伴う作業である。よってEvaluationは他者によって行われるものである(学生評価を念頭に置いているためでこのことは評価一般に言えることではないと思われる)。評価はパフォーマンスを高める効果があり、評価を行う意味もそこにある。
本稿のもう一つのキーワードであるExcellenceであるが、伝統的には資源(資金、優れた教員・学生など量的なもの)と評判(大学間の序列構造)を指し、相互に強化し合うものである。しかしこれらのExcellenceは、大学の目的と直接関連するものではない。そこで、Excellenceの中身を能力開発ととらえると、Excellenceは学生と教員の学習の量・質と両者の変化の大きさで決まるものだろう。本稿の基本的なスタンスは、評価による能力開発を通じた大学の教育・研究の質向上をテーマにする。
基本的には同意できるないようであるが、まだここまでは概念レベルの議論であり、具体的な方法論を見ないことには評価が難しい。