2008/10/13

Allen D., Duch, B. and S. Groh (2001) "Strategies for Using Groups," in Duch, B., Groh, S. and D. Allen (eds) The Power of Problem-Based Learning, Ch.6, pp.59-68.

グループ学習では、独断的な者、非協力的な者、学習の遅い者、学習をさぼる者などにより、放任していてはうまくいかない。よって、グループ学習を促進するための取り組みには、時間を惜しまない方がよい。ここでは、学習者中心の学習を進める上での留意点をまとめる。

初回の授業で、グループ学習の良さを説明し、過去のグループ学習経験を調査する。また、次のような活動を行う。
  • グループ内で、実家・進路希望・得意科目などの自己紹介をする
  • 個人の成績よりもグループの成績が重要であることを確認する
  • 学習スタイル調査を行い、グループメンバーで確認し合う(see Kolb Learning Style Inventory, 1985)
  • Stand and Deliverゲームをする。
  • グループを作る。グループは異質なものを組み合わせるように作る。
次に、グループ活動中の教員の役割である。授業中は、グループ作業を明確に示し、10~15分おきにキーポイントを確認し、質問を受けるために教室内を巡回するのが基本である。できれば、過去の受講生をTAに招くとよい。それ以外にも、(1)時間通りに教室に来る(2)予習・課題をやってくる(3)授業に来れない時はメンバに事前に連絡する(4)メンバーの考え方や取り組みに敬意を払う、を基本的なルールとして示す。

ちなみに、Stand and Deliverは、以下のように行う。
  1. 授業日に誕生日が近い人を4、5人選び、講師役に任命する。
  2. 講師を教室の外に集め、幾何学模様を見せ、グループメンバーに口頭で伝えるよう指示する。(図は、三角・四角・円を大きさ・位置・重なりが異なる形で配置されたものを見せる)
  3. 講師は2分でメンバーに伝える。講師は身振りを使えず、メンバーは講師に質問をすることができず、ノートを取ることはできても図を書いてはいけない、というルールを設ける。
  4. 講師だけを集め、感想を述べながら待つ。
  5. メンバーは誰とも話をせず、2分で一人で図を書く。
  6. その後メンバーで書いたものをについて話し合う。5分で修正を加え、最終案を決める。
  7. メンバーの成果を講師はどれだけ再現できたか評価する。
  8. この体験について話し合う。各メンバーは同じものを描いたか?、議論で最終案はよりよくなったか?、講師は結果に満足できるか?
これを通じて教員中心から学生中心の学習へ、ということを自覚してもらおうという意図だが、これは授業改善を無視した議論であって、これを理由にPBLがよいなどと言うべきではない。