大前研一(1999)『企業参謀』プレジデント社
- 戦略的思考の根底は,一見渾然一体であったり,常識というパッケージに包まれた事象を分析し,ものの本質に基づいてバラバラにした上で,それぞれの持つ意味合いを自分にとって最も有利となるように組み立てた上で,攻勢に転じるやり方である。
- 本質を問うには設問を解決志向にする必要がある。どうしたら残業を減らせるか → 当社は仕事量に対して十分な人がいるのか
- 設問が的を得るには,問題点が正しく把握されている必要がある。それには,問題を現象追随的に絞る,すなわち,全ての問題を箇条書きにしてグルーピングする抽象化が重要である。あるいは,白い紙の上にイシューツリーを書く。
- 財務指標は,絶対値の大きさではなく,利益率で見る。
- 戦略の善し悪しで業績が左右されるのは中期(3±2年)である。長期でも短期でもない。しかし,実際はトップが日常に追われたり,遠大な計画や空想に時間を浪費する事例が多い。
- 中期戦略の立案は,目標値の設定,基本ケースの確立,原価低減改善ケースの算定,市場販売改善ケースの算定,戦略的ギャップの算定,戦略的代替案の摘出,代替案の評価選定,実行計画というプロセスを経る。
- 基本ケースでは,市場サイズとシェアの予想を仮定する必要がある。計画とは仮定の上に成り立つ目標値である。
- 原価低減と販売改善を落とす人もいるが,そこには血のにじむ努力があり,狭義の戦略でしなかい。
- 戦略ギャップは,現状の延長線上に解がないことなので,新しいものとしてでてくる。ここに,多角化,転出,統合,M&A,提携,分離,撤退・縮小・売却が出てくる。
- PPMは,横軸に自社の強さを表す内的変数,縦軸に業種の魅力度を表す外的変数が入れば,変数は何でもよい。
- これは政策でも同様で,横軸に日本の国際競争力,縦軸にマーケットサイズをとる。
- 参謀五戒
- もし状況がこうなったら,どのように考え・行動・反応したらよいかを常に問う
- 完全主義を捨てる
- 与えられた仕事のKFSを中心に考える
- 制約条件は一度外し,その後障害物を除くことを考える
- 記憶に頼らず分析する
- どんな複雑な会社であっても,戦略を考えるときは,その基本思想を忘れない。それは,他律的要因(世の中の流れを見定め,その流れを上手く利用する)と自律的要因(競争相手と自分の差が最も大きくなるように努力を傾注する)に従って,防ぐ・選ぶ・守るを決めることである。