2012/09/11

倉部史記(2012)『看板学部と看板倒れ学部』中公新書ラクレ422


  • 他大学の事例を見て,既に成功を収めている学部・学科を模倣する
  • 現在の受験生や保護者が求めているニーズを徹底的に分析し,そのニーズ通りのものを用意する
  • 既に学内にある教員・施設をそのまま流用しながら,より多くの受験生を集める学部に再編・改称する
  • 土地や施設・設備を安く・無料で提供してくれるパートナーを探す
本書が看板倒れになりやすい発想として指摘するのは,この4点であるが,当たり前のことにすぎない。大学教育は玉石混交と副題をつけるが,大学教育の中身に関する考察は一切なく,ウェブや公刊資料で入手できる情報を整理しているのみである。確かにこの膨大な情報を整理した作業自体はすばらしいものの,逆に極めて表面的な内容にとどまる。日本の大学を全く知らない者が,日本にある数多くの大学を一望するためにはよいかもしれないが,大学教育に関する新たな知見は全く提供しない。