本書は、国立大学への運営費交付金削減がもたらす様々な弊害を指摘し、問題として取り上げるものだが、論理的に出された具体的な改善策がなく、示唆に乏しい。
たとえば、高い質を発揮する教育研究は、多様で広範に伸張する裾野があってこそ築くことが可能であると言うが、なぜそうなのかを論理的に示さなければならない。基本的に事実データと、論理的に説明されない筆者の主張の組み合わせで本文は構成され、分析や考察がされないため説得力がない。
著者はほぼ全員研究者であるが、高等教育分野の研究者でないためか、新聞報道以下の内容となってしまっている。