2023/12/26

大谷奨(1999)「高木英明著 『大学の法的地位と自治機構に関する研究 ドイツ・アメリカ・日本の場合』」『教育行財政研究』26, 48-51

  • ドイツの大学の法的地位
    • 権利能力を持って社団的であると同時に営造物的(私的団体と非独立営造物の中間)
    • 国家体制の枠内にありながら独立を果たしている
    • 大学の原型は組合型・自治的組織→国家体制の確立と共に営造物化されたが、その過程で国家が完全に大学を営造物化しなかったことで大学の自治が確立された
    • よって、法制的二重性が残されている
    • これは曖昧さを残す(ナチスによる大学への介入を可能にした)
    • 大学自治の実際は国家がそれらの留保した権限をどの程度行使するかにかかっている
  • アメリカの大学の自治機構=理事会管理方式
    • 広義の大学=理事会
    • 協議の大学=教授団
    • 自治の問題は理事会と教授団の関係に現れる(国家や州との間に現れない)
    • 植民地時代のアメリカで私立カレッジを設立する際に、自治団体を形成するだけの教員団がいなかったため、設置者の意思が先行・優先された→これが州立大学へ引き継がれた
    • テニュアシステムは、アメリカ独自の自治機構の形成と不可分
  • 日本の大学自治
    • 戦前は大学の独立を確保する法的根拠がなく、営造物(非独立営造物)と位置付けられていた
    • →大学側がドイツをイメージして慣習的な大学自治を獲得していった
    • →慣習故に外部権力の圧力に抵抗することが困難
    • →戦後アメリカ的管理が構想される
    • →大学の大衆化が急速に進む
    • →戦前の大学イメージを捨てきれず、国立大学の自治機構の改革は進まなかった
    • 結局、今も国立大学の法的地位は曖昧なまま