2023/12/31

Chen, A., Brown, S., Mark, K. & McBane, S. (2023) An overview of Instructional approaches and decision-making strategies to curtail curricular overload, American Journal of Pharmaceutical Education, 87(8)

  • カリキュラムオーバーロードへの対処法
    • 教員間のコミュニケーションと調整
    • アクティブラーニングの統合
    • テクノロジーの活用
    • 教員と学生の作業負荷・認知的負荷の最小化
  • 教員間のコミュニケーション
    • カリキュラムマッピングが有効:特に修正版Ebelグリッド
    • 卒業生にカリキュラムを見てもらって改訂する

  • アクティブラーニング
    • オーバーロード傾向のカリキュラムではTBLへ移行すべき(変化が急速な分野では講義より適応度が高い)
    • 反転需要を用いるべき、授業時間中は教員との個別懇談中心にする
  • テクノロジーの活用
    • 完全習得学習教材を使う、質問をしやすくする、VRで体験するなど
  • ワークロードの配慮
    • アクティブラーニングは初期投資が大きい
    • 反転授業は学生の負荷を増やす

2023/12/30

O'Connor, K. (2022) Constructivism, curriculum and the knowledge question: tensionsand challenges for higher education, Studies in Higher Education, 47(2), 412-422

  • 高等教育の構成主義
    • 現在の高等教育=内容に重点を置きすぎ ⇔ 学生自身が知識を構築する能動的アプローチ(=構成主義的アプローチ)が必要
    • 一方、学習理論は、科学的根拠に基づく教育法を局所的に示すことはできない=実際の教育がどのようなものであるかは明確でない
    • 高等教育の研究は教育と学習に焦点を当て、教育と学習を切り離す。知識とカリキュラムの関係は論じられない。
  • 構成主義の導入=特定の方法で教える知識にも影響を与える
  • 分野ごとに異なる知識構造が、適切なカリキュラムの形態に制約を課す
    • 学問分野内部の概念的一貫性を重視するカリキュラム
    • 仕事の実践など文脈的一貫性を志向するカリキュラム
    • →特定の教育形態をあらゆる文脈における最適解として提唱してはならない
  • 構成主義的教育法の問題
    • ×:生徒が学ぶこと
    • ○:生徒が何かを学ぶこと、特定の理由のためにそれを学ぶこと
  • ケーススタディ:研究大学と専門学校の2つのMOOC事例
    • 科目の特性
      • コンテンツは学内教員が、教える前に完全に開発、指導者と学生は接点なし
      • 受講者は自分で教材に目を通し、フォーラムで他の受講生と疑問点を出し合い、ルーブリックで他の受講生作品を評価
      • 「社会構成主義的学習モデルを用いて学生間のコラボレーションを促進する活動をデザインする」教育モデルとして開発
        • 毎週コンテンツに関連した非同期掲示板でインタラクション
    • カリキュラム開発・カリキュラム構築に困難はないと認識されている
      • 学習成果、その評価、それに向かって構築される活動を考えたため(=理想的な開発)
      • 探究ベースのカリキュラムに移行するなら、内容の一部は減らさないといけない
  • 目的や内容にかかわらず、構成主義的でアクティブラーニングが最適解という考え方=学習は構成の本質を考えることより、学生の忙しさを重視すること
    • 特に理系では、活動と特定の内容・目的との関連が理解されていない

2023/12/29

Croucher, G. & Woelert, P. (2016), Institutional isomorphism and the creation of the unified national system of higher education in Australia: an empirical analysis, Higher Education, 71, 439-453

  • 組織同型化を実証する。
  • オーストラリアではドーキンス教育大臣在任時の高等教育改革が、同型化を促進したと考えられている。
  • 同型化は、高等教育では模倣的が多いと言われているが、強制的と思われる。
  • 同型化の実証を、組織構造、教職員数、入学者数の3つで行う。
  • 1987年(ドーキンス改革前)と1991年(ドーキンス改革後)を比較する。
    • 年次報告書等から1987、1989、1991のデータを収集。
    • 対象は31大学、3グループに分けて収集。
      • グループ1=1960前設立、研究型8校
      • グループ2=1960後設立、ドーキンス改革前設立、11校
      • グループ3=1987後設立、ドーキンス改革以降、高等教育カレッジの転換・複数移管合併
  • 変動係数(Coefficient of Variation)に注目
    • CV=s/x_mean
    • sは標準偏差、x_meanは平均
    • 母集団が均一だと、標準偏差が平均より小さくなる、標準偏差が大きいと母集団の均一性が低く多様性が高い
  • アカデミックユニット
    • ディビジョン、ファカルティ、スクール、デパートメント等の名称
    • 1層か2層が基本
      • 2層=統合的なユニットが頂点、その下に専門的なユニット
      • 1層=2層の2つの学術的・組織的機能が見かけ上1つのフラットになったもの
    • 87~91は学部・学科の2層構造が一般的
      • 87年=13/19校が2層、研究大学は全て2層
      • 89年=16/23校が2層
      • 91年=20/31校が2層
    • グループ2について
      • 87~91は、ユニットの数は9で安定、多様性の増加はわずか
      • 87~91=グループ2のユニット数はグループ1と同様少ない
      • 全体の中ではグループ1より急成長(22%増>11%増=グループ1)
      • 主要な学問分野はカバー、特に法学・看護学が急増
    • グループ3について
      • 全体的に包括性は低い
      • 経済経営系は全大学が設置
  • 学生数
    • 学生巣は増えたが、変動係数は安定(87→91:7699人→12068人、CV51→56)
    • 学生数が大幅に変化したのは保健分野
  • 教職員数
    • 教職員の分布は多様化(88年19大学平均教職員1338人→91年全平均1289人、C63→68)
  • 議論
    • 垂直的な組織は均一化(フラット大学は2層化へ移行)

2023/12/28

The Difference Between Emergency Remote Teaching and Online Learning, 2020.3.27

  • オンライン学習デザインの選択肢(モデレーティング変数)
    • モダリティ
      • 完全オンライン
      • ブレンド(オンライン比率50%以上)
      • ブレンデッド(オンライン比率25~50%)
      • ウェブ対応F2F
    • ペーシング
      • セルフベース(オープンエントリ―・オープンイグジット)
      • クラスベース
      • クラスペース・一部セルフベース
    • ST比
      • 35未満
      • 36~99
      • 100~999
      • 1000以上
    • 教育法
      • 説明
      • 実践
      • 探索的
      • 協力的
    • オンライン評価の役割
      • 学習者が新しいコンテンツに対応できるかを判別する
      • 学習者をどうサポートするかをシステムに伝達する
      • 学習の状態を学習者・教員に伝える
      • 成績を入力する
      • 成績不振学生を見つける
    • 教員の役割
      • オンラインでの積極的な指導
      • オンラインでの控えめな存在感
      • なし
    • 学習者の役割
      • 聞く・読む
      • 問題を解く・質問に答える
      • シミュレーションやリソースを探索する
      • 仲間と協力する
    • オンラインコミュニケーション
      • 非同期のみ
      • 同期のみ
      • 同期+非同期
    • フィードバックの方法
      • 自動
      • 教員
      • ピア

2023/12/27

青木栄一(2011)「方法としての比較を用いた教育行政学のリノベーション」『教育学研究』78(4), 40-51

  • 唯一無比の制度は存在しない 。新制度論が明らかにしたのは、制度とは均衡の同義語であり、均衡をもたらす諸条件が変化すれば、その制度が変容ないし崩壊するということである。 
  • 教育行政学の 主た る研究対象の一つ である制度に関する理論的認識が 、近年の社会科学の発展により大きく変化しているにもかかわ らず、教育行政学は依然として 、制度を静態的に捉えるか、規範的に現行制度を捉えている。

2023/12/26

大谷奨(1999)「高木英明著 『大学の法的地位と自治機構に関する研究 ドイツ・アメリカ・日本の場合』」『教育行財政研究』26, 48-51

  • ドイツの大学の法的地位
    • 権利能力を持って社団的であると同時に営造物的(私的団体と非独立営造物の中間)
    • 国家体制の枠内にありながら独立を果たしている
    • 大学の原型は組合型・自治的組織→国家体制の確立と共に営造物化されたが、その過程で国家が完全に大学を営造物化しなかったことで大学の自治が確立された
    • よって、法制的二重性が残されている
    • これは曖昧さを残す(ナチスによる大学への介入を可能にした)
    • 大学自治の実際は国家がそれらの留保した権限をどの程度行使するかにかかっている
  • アメリカの大学の自治機構=理事会管理方式
    • 広義の大学=理事会
    • 協議の大学=教授団
    • 自治の問題は理事会と教授団の関係に現れる(国家や州との間に現れない)
    • 植民地時代のアメリカで私立カレッジを設立する際に、自治団体を形成するだけの教員団がいなかったため、設置者の意思が先行・優先された→これが州立大学へ引き継がれた
    • テニュアシステムは、アメリカ独自の自治機構の形成と不可分
  • 日本の大学自治
    • 戦前は大学の独立を確保する法的根拠がなく、営造物(非独立営造物)と位置付けられていた
    • →大学側がドイツをイメージして慣習的な大学自治を獲得していった
    • →慣習故に外部権力の圧力に抵抗することが困難
    • →戦後アメリカ的管理が構想される
    • →大学の大衆化が急速に進む
    • →戦前の大学イメージを捨てきれず、国立大学の自治機構の改革は進まなかった
    • 結局、今も国立大学の法的地位は曖昧なまま

2023/12/25

小塩真司(2023)「「非認知能力」の諸問題」『教育心理学年報』62, 165-183

  • 非認知的能力:揺れのある概念
    • 能力(ability)、スキル(skills)、特性(traits)いずれも使われる
      • 能力=特定の身体的・精神的活動を行うための力・可能性
      • スキル=特定の活動を行うための力で、教育や訓練で可変する可能性が大きいもの
      • 特性=場面を超えて安定した特徴で、能力やスキルのように望ましい結果だけを想定しない
    • パーソナリティ特性も含むこともある
      • 外向性、情緒不安定性、開放性、協調性、勤勉性・誠実性
    • OECDの定義
      • スキル=個人のウェルビーイングや社会経済的進歩の少なくとも一つの側面に影響を与え(生産性)、意義のある測定が可能であり(測定可能性)、環境の変化や投資により変化させることができる(可鍛性)個々の性質
      • 非認知的能力=一貫した思考・感情・行動のパターンに発現し、公式・非公式は学習体験によって発達させることができ、個人の一生を通じて社会経済的成果に重油用な影響を与える個人の能力
    • 定義の観点
      • 非認知性:知能や学力として測定されるもの以外
      • 測定可能性
      • 予測可能性:社会の中で望ましいとされる何らかの結果を予測する
      • 介入可能性:教育・介入・投資で可変可能
  • 意義ある概念だが、扱いにくい
    • 一度に測定するには多数・広汎は測定が必要
    • 能力・スキルと呼ぶ問題(日本人が好きな○○力に陥る)

2023/12/24

大山紘平・小沢和彦・清水沙友里・黒木淳(2023)「地方公共団体におけるデータ活用推進への行動意識」『会計検査研究』68, 35-57

  • Tushman & O’Reilly(1997)の組織構成要素=タスク、組織文化、公式組織、人材
    • これらの変更が組織変革
    • タスクには業務プロセスが含まれる=データ活用しない意思決定→データ活用は業務プロセス変更になる
  • 組織変革への行動意識に影響する最重要要因=コミットメント
    • Herscovitch & Meyer(2002)が尺度開発
    • 組織コミットメント=組織とメンバーの関係を特徴づけ、組織におけるメンバーシップを継続・中止する決定に関するインプリケーションを持つ心理状態
    • Meyer & Allen(1991)の3つのコミットメント
      • 情緒的=組織への愛着があるから所属し続ける
      • 存続的=離職コストがあるために組織の所属し続ける
      • 規範的=義務感で所属し続けるべきと感じるから所属し続ける
  • 組織変革=経営主体が環境変化がもたらす複雑性の中で行う組織の存続を確保する活動(大月 2005)
    • 実際には組織の構成要素の変更で捉える
  • 変革の翻訳
    • Reform=一時的な変化
    • Change=永続的な変化c