元濱奈穂子(2021)「高等教育研究における政策研究の限界と展望」『教育学研究』88(3),65-74
- 欧州質保証研究の動向:政策研究中心=政策で決めた標準枠組みを参照しながら各大学の責任で質保証に取り組むトップダウン設計→個別大学の組織・人員対象の研究へ
- 政策研究の野心と実態にズレがあるため
- 質保証=枠組み作成(マクロ目的)VS実際の教育の質改善(ミクロ目的)=評価基準の明確化・標準化(官僚制的対応)VS大学人の自律性→つまり相反する要素のバランスを保つ視点が重要なのに、バランスを欠いてきた(望ましい政策・野心的制度の議論に偏る)
- 機関の自律性向上は重要と認識されながら、評価結果が政策と一致することを求めるプロセスを採用しがち=大学人はプロセスに干渉・影響しないことが暗に期待される=プロセスを変更する行為は正当でないと見なされる傾向を生む。=質保証の規定に沿わない行為は教員の抵抗・質文化の不在という問題として扱われる。
- グローバリゼーション言説の過剰な支持
- 特定の制度が特定の価値規範と結びついて世界的に広がっていく(組織内の合理性よりも組織外の環境に適応するために変化する)→各国の制度は世界モデルを基準として類似したものに収斂する。
- →グローバル化研究は、言説的要素、公式の構造や手順、トップダウンの意思決定プロセス」に焦点を当てがち