佐藤秀典(2008)「March の組織学習観と学習の近視眼―近視眼が問題なのか?」『赤門マネジメント・レビュー』7(6),409-418
- 学習を促進するメカニズム:単純化と専門化
- 単純化:バッファーを設ける(全体を一度に解決しない)、環境をイナクトする(バッファーで問題が分割可能でない場合)
- 近視眼が生じるメカニズム
- 単純化は過去の環境へのイナクトメントが有効でなくなった時に能力が有効でなくなる。
- 既存の能力を用いる学習の方が、新たな能力開発よりも短い期間でリターンを得られるので、特定領域の学習が一層進む。
- 特定部分の学習は他の部分の学習を抑制する。
- 要するに、探索よりも活用が優先されること。
- 探索より活用が優先されるロジック:
- 学習の罠=どちらかが過剰になること。
- 失敗の罠=探索が過剰になる(失敗が新たな探索を生む)、成功の罠=活用が過剰になる(活用が短期の成功を生みさらに探索を重視する)。
- 活用の方が探索よりも早いフィードバックをもたらすので、より過剰になる。
- Marchの組織学習:組織内でのルーティンの生態学的な変遷
- 基礎となる考え方=ルーティンベース、歴史依存、目的志向
- →組織学習=新たなルーティンの発生・淘汰
- →探索・活用も発生・淘汰もトレードオフ
- Marchは、淘汰でルーティンが絞られるプロセスに注目していて、発生には関心が薄い。