2020/08/31

7 Activities to Build Community and Positive Classroom Culture During Online Learning

オンライン授業のチームビルディング技法

  • Discussion Starters
    • 「あなたの理想の家はどのようなものか?どこにあるといいか?」
    • お互いの考えや考え方を知るための質問
    • 質問を見せて2人1組で4分間ブレイクアウト 、別の質問を見せて別ペアでブレイクアウト 、計3回繰り返す
  • That’s Me!
    • 「猫を飼ってます」「オレオが好きです」「姉がいます」
    • 全員カメラオフでギャラリービュー、質問に対してYesの人はカメラオン、簡単な説明をする
  • Flipgrid Introductions
    • Flipgridは教員が作ったトピックに自撮り動画をポストするサービス
    • 「休みの日におすすめの番組は?」「今後1つのメニューしか食べられないなら何を選ぶ?」「他の人が知らない自分を1つ紹介して」
    • 投稿に対して少なくとも1回は返信を付けることを課しておく
  • Human Bingo
    • お互いの共通点を探すビンゴ(事前に自分を表すビンゴ表を作り、共通相手を探して話しかける)
  • Write and Show
    • 授業の最後に一言書いてみせる
    • 「今の気持ちは?(初回授業終了時)」「この新聞記事の内容の感想は?」「この問題に見出しをつけて」
  • What’s Going On in This Picture?
    • 写真を見せて3つの質問を出す
    • 「何が起こっている?」「そう考えた理由はなに?」「他に特徴を見つけられない?」
    • ブレイクアウト に移行して、口頭かチャットで質問に答える
  • Meditation and Mindfulness
    • 1日中スクリーンの前にいるのは疲れる
    • 4秒で吐く、4秒止める、4秒で吸う、4秒止める 



2020/08/18

チェイト,R.・ライアン,W.・テイラー,B.(2020)『非営利組織のガバナンス』英治出版


  • ガバナンスとは「組織の全体としての方向性、有効性、監督機能、説明責任が果たされるようにするためのシステムやプロセス」である。
  • ガバナンスとリーダーシップは、成功する組織の陰と陽である。ガバナンスなきリーダーシップは、専制、不正、個人の縄張りを生む危険性がある。リーダーシップなきガバナンスは、萎縮、官僚主義、無関心を生む危険性がある。
  • そうしたガバナンスを理解し実践する3つのフレームワーク(受託、戦略、創発)がある。ガバナンスは組織の価値・インパクト向上のためにあるという本質的な意義に立ち返り、ボードが思考し、活動するためのマインドセットを3つに整理した。
  • 効果的なガバナンスとは、状況を振り返り「センスメイキング」(行動のあとに思考して過去の出来事を理解し、新しい意味を見出す力)する能力が理事会にあるかどうかにかかっている。
  • 理事が、受託、戦略、創発の全てのモードで能力を発揮する時、リーダーシップとしてのガバナンスが実現する。
    • 3つのモードは全て同等に重要。
    • タイプ1:ガバナンスの基礎を形成する
    • タイプ2:戦略に関わり、優先順位や方向性を決め、資源を振り分ける。タイプ2なしに、ガバナンスは力も影響力も持たない。
  • 多くの理事が無力なのは、彼らがただ役割について「混乱している」からではなく、自分たちの役割に「満足していない」からで、やりがいが感じられない仕事だから、成果も上がらない。
  • 理事会の公式な仕事の大半は、たまにしか発生しないという事実を念頭に置いている人はほとんどいない。CEOの採用や解雇は常時ないし、ミッションに関する重要な問いも常に持ち上がるわけではない。
    • →これでは退屈なので、多くの組織が必要以上に戦略構築の役割を理事会に持たせ、興味を引く戦略的問いをできるだけ多く議題に盛り込むようになった。
    • →そのうち、理事も職員も「会議開催」と「ガバナンス」を同義だと思い始める。
    • →一方で、決定的に重要なことはほとんど持ち上がらないため、理事は「私は何の役に立っているのか」と疑問を抱くようになる。
    • 公式の仕事には、そもそも満足感を得られないものがある(秩序と監督)。非公式の仕事には、重要だが楽にこなせてしまうものがある(存在自体が運営陣の気を引き締める)。非公式な仕事には、やりがいはあるが周りから歓迎されないものがある(現場の業務に関わる)。
  • 改革のための問い:私たちは何をガバナンスしているのか?(×ガバナンスとは何か?)
  • 社会学者の「メンタルマップ」の研究では、近所の地図をどう描くかに基づいて人々を理解する。
  • リーダーシップとしてのガバナンスは、創発モードで動くことだけに終始するわけではない。現代の組織において非常に重視されている運営者のリーダーシップと同様に、ガバナンスにおいても、各モードを習得するだけではなく、いつどのモードで行動するかの判断も大切になってくる。だから、リーダーシップとしてのガバナンスは複雑な活動であって、規定された任務だけ実践してできるような代物ではない。良い仕事は「機会と能力とのバランス」で決まる(チクセントミハイ)。

  • タイプ1のガバナンスの目的:
    • 資源の流用・浪費・悪用を防止すること
    • 団体のミッション達成のために資源を効果的かつ効率的に配分すること
    • 団体のミッションを守り、目的から気づかぬうちに逸脱したり、目的が承認なしに変更されないようにすること
    • 理事に団体の利益だけを考えて動くよう求めること
  • タイプ1のガバナンスの元になっている組織観(メンタルマップ)
    • 官僚制度とプリンシパル・エージェントモデル
    • 組織は閉鎖的なシステムと見なされ、外部環境からの影響を考えずに自由に目標を設定・追求できると考えらる。(理事会は、普段は問題がないか組織内部に目を向け、外部に目を向けるのは主に財務上の目的があるとき。)
  • 4つの誤った組織観がタイプ1ガバナンスの前提になると、大きい代償を払う。
    • 非営利組織を官僚組織として捉えてしまう
    • CEOをただの代理人として捉えてしまう
    • 理事会は名実ともに所有者だと捉えてしまう
    • 組織を閉鎖的なシステムとして捉えてしまう

  • タイプ2ガバナンスへのメンタルマップの移行:
    • ルール遵守→成果
    • 内から外を見る→外から内を見る
  • タイプ1のやり方でタイプ2の仕事をする
    • 戦略に官僚主義を持ち込む。財務と同じやり方で戦略を扱う→理事会にかけられる計画のほとんどは、重要な事柄が既に考盧され解決された後(代替案やリスクなどは、省略されているか要約されている)。
  • 戦略計画が行動のための青写真というよりも、理想を描いたものにすぎないと感じる6つの問題
    • 現在より未来に注目し、都合の悪い現実に触れない。「教職員が唯一否定できない前提が現状である」。
    • 組織の構造や物事の進め方を具体的にどう変えなければならないかまで明記している計画がない。意思決定と実行との間には一貫したパターンが必要(人員、施策、事業、予算、報奨、設備投資は、計画と一致していなければならない)。
    • 戦略がない(何がその目指す成果を生むのか、何が競争上の優位性を高めるかが精査されていない)。
    • 計画は事前に職員を巻き込んでお膳立てされており、提案が理事会で取り消されたり修正することをCEOが嫌がると思ってしまう。
    • 予想外の出来事で計画が無意味になると、理事は幻滅する。
    • 非営利組織のプロセスは複雑で成果が見通しにくい。
  • タイプ2モードのガバナンス
    • 全体を俯瞰する問いを出す(我々や他の大学の「ビジネスモデル」は、今後20年間有効か?もしそうでないなら、何が変わらなければならないか?その変化を実現するために、我々は優位な立場にあるか?)。
    • 理事会の構造を、戦略的優先事項に合わせる。タスクフォースや臨時の作業グループを活用して、理事が他の関係者とともに、戦略上重要で、期限が決まっており、結果を出さねばならない案件を扱う。


  • 中身がよく分かっていない認知プロセスが先にあって初めて、道徳的コミットメントが生まれ、それをミッション策定プロセスにおいて明文化する。創発的思考の認知プロセスで目標が生まれたあとに戦略が立案され、課題の原因分析が生まれたあとに問題解決プロセスが始まる。
  • 組織は戦略を策定したり問題を解決したりする前に、認知的な生産物である「意味」や「理解」を作り出す。
    • コミュニティポリシングの提唱者も警察の新しい運営管理の提唱者も、同じデータを使ったが、異なる意味づけをし、それが異なる戦略を導いた。
    • センスメイキングは主観的で選択肢が多いからこそ、大きな力を持っており、ガバナンスにおいても強く求められる。
  • →どうやって物事がちがて見えるようになったかが重要。これは3つの段階がある。
    • 手がかりやヒントに気づく:人は一部に注目したり強調することで意味のある判断を下す。
    • フレームの選択と活用:人は職業上使い慣れたフレームを通して物事を見る。フレームは価値観にも基づいている。意識的に異なるフレームを通して状況を見ることで、センスメイキングの選択肢を増やせる。
    • 振り返って考える:組織の過去を振り返って以前は気づかなかった新しいパターンを見つけて、新しい戦略を提案する。
  • ガバナンスとしてのリーダーシップ
    • 「リーダーの最初の責任は、現実を定義することである」「リーダーとは意味を付与する者である」
    • リーダーは、問題を心に残る言葉でフレーミングしたり、感覚に訴える生々しいイメージを使ったり、意味深長なメタフアーを使ったりする。このようなリーダーの振る舞いが、人々の認識を形づくり行動を促す。
    • 優秀なリーダーは、単に自らの創発的洞察力で組織に貢献するだけではなく、周りの人を創発的思考に関わらせる。
    • リーダーの助けを得て組織でフレーミングする適応課題は、「価値観、信念、行動における変化」を伴うので、必ずと言っていいほど意見の対立を引き起こす。

  • タイプ3のメンタルマップを使う:非合理的で創発的な組織には、3つを備えたメンタルマップが必要。
    • 目標は多くの場合、反対されていなくても、暖昧なものである。
    • 未来は不確かである。
    • 意味づけが重要である。
  • 理事と運営陣は、受託的・戦略的・創発的思考が求められる三重らせんに遭遇する。
    • ヴァンダービル卜大学の、全国ランキング上位を目指すための取り組みとして、ユダヤ人学生数を増やすための施策。
    • タイプ1のガバナンス:これは合法か?この対策、教育課程、職員、設備投資にかかる経費はいくらか?
    • タイプ2のガバナンス:この施策はうまくいくか?我々の比較優位と比較劣位はどこにあるか?この市場における主要な競合相手は誰か?他の関係者はどう反応するか?ユダヤ人学生はここで快適にやっていけるか?
    • タイプ3のガバナンス:我々は固定観念の強化に寄与しているのか、多様性を推進しているのか、それともその両方か?これは自己利益のために他者を利用しているのか、それとも双方に利益をもたらすか?大学のこのような「エリート戦略」は、大学のコア・バリューと一貫しているか?我々はなぜ大学の「序列」の上を目指すのか?
  • 組織の境界で活動する(歩き回るマネジメント、Management by wandering around)
    • 私立大学の理事会と学部長の5か年戦略計画の立案
    • 理事と学部長が相手グループの立場で、4つの問いを考える。
      • 理事たちが理事会に加わることに決めた-番の理由は何か?
      • この大学の理事として、最もやりがいがあること・困難なことは何か?
      • 理事会について何か1つ変えられるとしたらそれは何か?
      • あなたがより効果的に仕事をするために理事会には何ができるか?
    • お互いに何を理解して何が分かっていないかを学ぶ。その後、理事と教授の金剛チームで、学生、教授、保護者、卒業生の立場から見た成功する大学教育の鍵を議論する。
    • →より鋭いセンスメイキングができるようになる。
  • ほとんどの理事は、今後3〜5年間の組織の戦略的優先事項を正しく列挙することができる。一方で過去3〜5年間に起きた組織の成功や失敗を説明できる理事はほとんどいない。
    • 過去を振り返り、成功や失敗に問いかけることで、新しい洞察が得られる(大学が奨学金を増やしていないのに、受験者の人数が著しく増加し、質も劇的に向上したのはなぜか?)。
  • 創発的な議論を促すために、あえて会議の基本ルールを中断する。4つの方法で思考を促す。
    • 行動が目標を導くのであり、その逆ではない、という前提に立つ(予算からミッションについて何が明らかになるかを問う、どの候補者が採用委員会に気に入られてそれはなぜかを見る)。
    • 事実に反することや仮説を検討する(もし政府からの助成金が、自分たちで自由に管理できる財産から来ていたらとしたらどうだろう?利益にはなるが我々にふさわしくないことは何か?)。
    • 直観を現実として扱う。
    • 触媒となるような問いを投げかけ、創造性や探求心を引き出す(この団体の特徴を最も良く表す3つの形容詞、あるいはフレーズは何か?、自分で団体のランキングを作れるとしたら、この団体が一位になってほしいと思うのはどういうランキングだろうか?)。

  • 非営利組織は資産を自ら築くのではなく外から獲得してくるのが一般的。
    • 正直で礼儀正しい理事は、それ以上正直で礼儀正しくなることはない。有能な弁護士や銀行家が今以上に著しく有能になることもない。男性や女性、あるいは黒人や白人であることは、時間とともに増すものではない。
  • 理事会資本の4つの形態


  • 組織は前例の多さに安心感を覚える。多くの理事は、潜在能力が発揮されていないと思っているが、理事会や職員がガバナンスに下手に「手出しする」のをためらっている。
    • 古い習慣を壊す新しいやり方を学ぶ必要がある。
    • ガバナンスの各モードにどれくらい時間を使うかを、あらかじめ割り当てないようにする。
    • 特定モード、特に創発モードを非生産的に使いすぎない。
  • ガバナンスの目的を問う
    • タイプ1=コントロールする仕組みとしての理事会
    • タイプ2=方向性を決める理事会
    • タイプ3=意味を形成する理事会
  • 理事会の価値を問う
    • 理事会を必要としない仕事は何か?理事会を必要とする仕事は何か?今の理事会にしかできない仕事は何か?
  • ガバナンスにおける満足感を問う
    • 実際に何に一番時間を使ったか?
    • どの仕事が組織の成功やミッションのために最も重要か?
    • 理事会がやらないか委任すると決めたらなくなって一番寂しい仕事は何か?



2020/08/17

渡部淳(2020)『アクティブラーニングとは何か』岩波新書


  • 民主主義は、思想、制度、手続きと運用の3つの側面からなっている。
  • 総合的な学習のいちばんの特徴は、時間が設定されているものの、内容についての規定がなく、学校が自由に内容をデザインする点。いわば、空っぽの器。
    • ねらいの第1は、自ら課題を見つけ、自ら考え、主体的に判断し、よりよく問題を解決する資質や能力を育てること。
    • 第2は、学び方やものの考え方を身に付け、問題の解決や探究活動に主体的、創造的に取り組む態度を育て、自己の生き方を考えることができるようにすること。
  • 学生は就職活動を経験して、表現力やコミュニケーション力を求められる社会の実際と授業のギャップを実感してアクティブラーニングの導入に賛成する。
  • 調べたことを発表したり自分の意見を発言することは、自分の表現力を高める行為であるだけでなく、周囲の生徒を豊かにすることにつながると考えられている(学びの互恵性)。
    • テストで得点でき、提出物を出せる人が授業で発言しないのは、他者への貢献を嫌う利己的な行為となる。そうでなければ、家庭内で抑圧を受け、そうした状態になっている可能性があると考える。
  • アクティブラーニングが成立するには、生徒が個別にその意義を理解しているだけでなく、教室の中に発表・表現することを励ます雰囲気が醸成されていく必要がある。
  • アクティブラーニングの多様な形態(山地 2014)
    • 活動範囲広・構造自由度高:知識の活用・創造をめざす(プロジェクト学習、創成学習、フィールドワーク、実習
    • 活動範囲広・構造自由度低:表現志向(プレゼン、レポート・ライティング、ディベート)
    • 活動範囲狭・構造自由度高:応用志向(問題基盤学習、シミュレーション、ケースメソッド、ゲーム)
    • 活動範囲狭・構造自由度低:知識の定着・確認をめざす(ミニテスト、クリッカー、演習、実験、調査
  • 教育方法の被規定性:教科書の要点を講義で解説する=知識の伝授を目標としている。
    • 目標・内容・方法・評価の4要件が関連している。
    • 内容と方法は表裏一体の関係にある。
  • なぜ教育ディベートがブームとなったのか。
    1. 90年代の教育現場にとってディベートが目新しく斬新な方法と映った。(おやつにはりんごとみかんのどっちがよいか、夫婦別姓は是か非か)。
    2. 新学力観がコミュニケーション能力を重視していたため、表現志向の活動に対する注目が学校現場で急速に広がっていた。
    3. バブル経済時で国際化の進展につれ、単なる英会話でなくディベート能力を備えた人材が必要という社会的関心と教育界のそれがパラレルな関係にあった。
  • アクティブラーニングのツールとしてのディベートの学校現場での意義:
    1. 討論の素材となる情報を集め、整序して提供するリサーチ能力の育成。
    2. 資料や情報をまとめ、そこから事実に即した有効な論理を組み立てる力(論理的思考力)の育成。肯定否定の両方の立場から複眼的にものを見る、資料批判をする批判的思考力の育成。
    3. 言葉による表現能力の育成。
    4. 演劇的表現力の育成(ロールプレイング)。
    • これらの能力をゲームの形で総合的に追求できる点がディベートのメリット。
    • 実践の頻度を高めようにも十分な時間が確保できない。ディベートをうまく活用するには、教師・生徒がまずゲームのルールに慣れることが先決。フォーマットをなぞるだけで精一杯で、論題を探究的に深めるまでに至らないのが実態。
    • 日本の討論文化がバリアになっている:意見と意見を発する人の人格を分けて考える発想を持ちにくい。人柄と事柄の区別が曖昧。話す内容が論理的かどうかではなく、誰がその意見を言ったかに意識がいく。

2020/08/11

Deaker, L., Stein, S. and Spiller, D. (2016) "You can’t teach me: exploring academic resistance to teaching development," International Journal for Academic Development,


  • 大学教員がFDを嫌がる理由:4タイプに分類できる(Quinn 2012)
    • 教育より研究が重要、研究者は自動的に教育力が高い
    • 学生の質が低い、学生の質向上でFDは不要になる
    • 教育はテクニックである、教育の理論などは不要
    • 教育改善は質保証の学生募集のためである
  • この4つの視点を手掛かりに、学生のよる授業評価に関する教員の考えを聞き取る調査を実施。
    • 2大学2426人に質問紙配付、回収率44%、912の記述コメントと40インタビューを分析。
  • Discipline discourse
    • 「自分を教育者としてどのように見ていますか?」
    • 先行研究よりはこの傾向は強くない
    • アイデンティティ形成がより重要=FDerの仕事が複雑化している
  • Student deficit discourses
    • 「学生は授業の質を判断できると思いますか?」「学生の声を授業改善に使いますか?」
    • 先行研究以上にこの傾向が強い
    • 教員が持つ感情の問題でもあり、FDでアプローチするのは難しい
  • Skills discourses
    • 「学生の評価が気になるので新しい授業方法を試しにくいですか?」
    • 教育をテクニックとしてではなく、背後にある考え方や理論とともに示すことが重要。
  • Performativity discourses
    • 「FDに参加していますか?」「大学の授業評価の活用方針が自分の教育に影響してますか?」
    • 先行研究よりもこの傾向は強くない

2020/08/10

高橋伸夫(2012)「殻 ―(7) センスメーキング―」『赤門マネジメントレビュー』11(3),145-172


  • ワイクのいうセンスメイキングが回顧的=後知恵で過去の経験の意味を考えているということ。
    • センスメイキングの重要な目標:秩序、明快さ、合理性の感覚が得られること。
    • 戦略というフレームワークも後知恵。リーダーや意味を与える者(sense-giver)。
  • 人は事後的に合理性を見出そうとする。
    • 自分の選択がいかに正しいかを確認したい(本命内定後も就活を続けて悪いところを探す)。
  • 会議が必要なのは、選択肢がベストであることを皆で確認する手続きであるから(合理化のプロセス)。
    • 意思決定論の教科書のような複数の選択肢から最善のものを選ぶ意思決定はまれ。

2020/08/09

山田敏之(2010)「組織の倫理学習メカニズム」『創価経営論集』34(1),101-120


  • Crossan et al(1999)のダイナミックモデル
    • 直観:組織学習の起点、あらゆる階層で効果的な学習が生起しないといけない。
    • 解釈:対話を通じて洞察やアイディアを説明するプロセス、これで個人は環境の認知マップを開発する。共有された意味と理解を創造する活動。
    • 統合:共有された理解を開発し、相互調整を通じて調和された行動をとるプロセス。
    • 制度化:繰り返された行動が確実に行えるよう、ルールや手続きにするプロセス。制度化された学習は変革が困難で、学習が不適切になる危険がある。
    • 制度化と直観には緊張関係がある。直観のアイディアを実行するにはルールを打破しないといけない。この緊張関係のマネジメントが、ダイナミックプロセスを有効に機能するためのポイント。

2020/08/08

佐藤秀典(2008)「March の組織学習観と学習の近視眼―近視眼が問題なのか?」『赤門マネジメント・レビュー』7(6),409-418


  • 学習を促進するメカニズム:単純化と専門化
    • 単純化:バッファーを設ける(全体を一度に解決しない)、環境をイナクトする(バッファーで問題が分割可能でない場合)
  • 近視眼が生じるメカニズム
    • 単純化は過去の環境へのイナクトメントが有効でなくなった時に能力が有効でなくなる。
    • 既存の能力を用いる学習の方が、新たな能力開発よりも短い期間でリターンを得られるので、特定領域の学習が一層進む。
    • 特定部分の学習は他の部分の学習を抑制する。
    • 要するに、探索よりも活用が優先されること。
  • 探索より活用が優先されるロジック:
    • 学習の罠=どちらかが過剰になること。
    • 失敗の罠=探索が過剰になる(失敗が新たな探索を生む)、成功の罠=活用が過剰になる(活用が短期の成功を生みさらに探索を重視する)。
    • 活用の方が探索よりも早いフィードバックをもたらすので、より過剰になる。
  • Marchの組織学習:組織内でのルーティンの生態学的な変遷
    • 基礎となる考え方=ルーティンベース、歴史依存、目的志向
    • →組織学習=新たなルーティンの発生・淘汰
    • →探索・活用も発生・淘汰もトレードオフ
    • Marchは、淘汰でルーティンが絞られるプロセスに注目していて、発生には関心が薄い。

2020/08/07

Poyatos-Matas, C. and Allan, C. (2005) "Providing feedback to online students: A new approach," HERDSA 2005


  • グループフィードバックの技法
    • 学生の提出したエッセイを匿名化する。
    • 教員が採点したのち、匿名状態でディスカッションフォーラムに公開し、他の学生のエッセイを吟味する。
    • フィードバックは評価観点ごとにクラス全体にウェブで示し、学生は個人別にフィードバックを受け取らない。
    • ただし、全体フィードバックでは、個別エッセイの事例を引用しながら示す。
      • Essay 1 would have been improved with the inclusion of an introduction and a tighter conclusion. You will notice that people tried different approaches to starting their essay such as using a quote or definition to spark interest (Essay 2, 4); being as brief and direct as possible (Essays, 3,5, 7) or by moving from the general to the specific (Essay 6). Most people opted for a short conclusion. Starting the conclusion with the words ‘In conclusion’ is a very clear way of signposting where you are taking the reader.
  • この方法の長所
    • (1)個人別よりも広いフィードバックを受けられる。
    • (2)比較、省察、応用を促すことができる。
    • (3)できた人もできない人もクラス全体のパフォーマンスから学べる。
    • (4)評価のプロセスが透明になる。
    • (5)他の学生の成果から学ぶことができる。

2020/08/06

Nets, N. and Gruttner, M. (2020) "Does the effect of studying abroad on labour income vary by graduates’ social origin? Evidence from Germany," Higher Education,


  • 実証分析:1年目、5年目、10年目の年収(10年目については上下0.5%をサンプルから除外)を2ヶ月以上留学経験ダミーを説明変数として回帰
  • その他のコントロール変数:

    2020/08/03

    安藤史江(2019)『コアテキスト組織学習』新世社


    • 誰が学ぶのか:
      • 個人:目標共有した個人が組織のために学ぶ+広く伝達・共有する
      • 擬人化された組織:歴史、価値観、技術、アイデンティティ
      • 個人と組織の関係性:社会化プロセス、コミュニケーションパターン、グループダイナミクス、適合圧力(組織は要素分解が逆効果になるシステム)
    • 学習成立の基準:
      • 知識の変化:量が増える、種類が増える、レベルが変わるなど基準が曖昧
      • 行動の変化:知識が増えても行動が変わらないと学習とみなさない
      • 認知の変化:知識や行動で測れない認知変化が必須(女性活躍のアリバイづくりは学習ではない)
      • ルーティンの変化:「情報処理を通じて学習主体の潜在的な行動範囲が変化したとき、その主体は学習した」→行動範囲の変化=存在に関する捉え方、認知する対象の広がり、認知の仕方の入念さ・緻密さ、認知の徹底さに関する変化
    • 研究関心:組織学習プロセスとはどのような現象か、どのような性質を持つのかを詳細に描き出す(秩序と無秩序のような一見相反する要素をマネジメントする中で生まれてくる組織現象:シミュレーション、仮想実験手法、分厚い記述)



    • サイクルで捉える組織学習:(1)サブブロセスに分けて理解する、(2)学習主体が移り変わる形でプロセスを理解する
    • 組織ルーティン変化のパターン:(1)新たなルーティンの単純な追加(他社情報収集)、(2)新たな導入に伴う既存ルーティンの修正(改善、漸進的変化)、(3)既存ルーティンの置き換えとしての新たなルーティン(変革、急進的変化)
    • 共通の組織学習プロセス=安定から不安定への移行の繰り返し(解凍・再形成・凍結)
    • サブブロセスで見る組織学習サイクル:知識の獲得→情報の分配(移転)→情報の解釈→組織の記憶
    • 学習主体からとらえる組織学習サイクル:個人の新年→個人の行為→組織の行為→環境の反応
    • 統合型学習サイクルモデル:パターン3を深い学習サイクル、パターン1・2を浅い学習サイクル
    • 学習主体の移り変わりを描くサイクルモデル:4Iフレームワーク(個人と組織の中間にグループがある)
      • フィードフォワード=パターン3が多く、フィードバックにはパターン1・2が多い
      • 限られた資源をめぐって常に組織内の各所で綱引きが繰り広げられ、その結果として相互作用を持つ代償様々なダイナミックな動きが並存していることを表現した点が貢献
    • 4つの学習の不具合に加えた3つの不具合:状況的な学習(学習をその場限りにしてのちに活用できるようにしない)、断片的な学習(部分的な学習は残るが共有うされない)、機械主義的学習(絶好の機会が来ているのに時間が必要な時、チャンスを逃さないようあえて全体の整合性を考えずに行う)



    • 有能さの罠(学習曲線の限界):より有効性の高い組織ルーティンを探索する動機づけを失う。
    • 適応学習(学習曲線)を促進する2つのアプローチ:単純化と専門化。
    • 適応学習がもたらす3つの近視眼:時間的(長期的利益より短期で成果が出る学習を優先)、場所的(市場の全体最適より自組織の成果を選択)、成功バイアス(成功経験の蓄積からリスク選好型の意思決定をする)。
    • 学習曲線の自浄作用
      • 一次学習:経験の蓄積による生産性の向上
      • 二次学習:組織に混乱や不安定さをもたらし、一時的に負の影響だが、組織が一掃の発展を模索する上で不可欠な学習
        • 2次学習に前向きな組織ほど高い業績を示すことがわかっているが、近視眼の力が大きすぎて自浄作用が働く暇もない。

    • 2種類の組織学習
      • 低次学習:シングルループ、逸脱減少プロセス、一次学習、活用、持続的学習、操作的学習
      • 高次学習:ダブルループ、逸脱増幅プロセス、二次学習、探索、一時的な学習、概念的学習
    • 低次学習の特徴
      • 発生状況:よく理解された状況、繰り返しを通じて発生
      • 進め方:ルーティン、情報処理型、狭い探索範囲、既存のタスクやルールに対する統制
      • 発生する階層:すべてのレベル
      • インパクト:部分的成果、短期的利益、問題解決スキル
    • 高次学習の特徴
      • 発生状況:曖昧な状況、発見や洞察の中から発生
      • 進め方:非ルーティン、情報創造型、広い探索範囲、既存の統制力不足に対処する異なるルールや構造の開発
      • 発生する階層:主に上層部
      • インパクト:組織全体にわたる成果、長期的利益、問題定義スキル
    • 高次学習を実現する条件
      • アンラーニング:高次学習の先行要因(棄却=アンラーニング→置き換え=学習活動→学習成果)
      • なぜ組織アンラーニングが難しいか:(1)個人レベルで難しい(熟練化された無能)、(2)組織・システムレベルで難しい(メンバーは表向きの信奉理論よりも使用理論に支配されており、これがwin-loseゲーム行動やメンツを潰さない協調行動を取らせ、加速度的なエラー発生になる)。
      • →介入が必要:心理的安全を図りながら価値観をほぐし、組織アンラーニングの仕方を学ぶ。
    • 両利きの経営:2種類の組織学習を両立するマネジメント
      • 70年代の両利き:ハード型:効率的な部門と創造的な部門をトップが調整
      • 近年の両利き:ソフト型:メンバー個人の自律性や意思決定に力点をおき、メンバーの動きやすさを支援する

    • ダフト=ワイクの4つの解釈モード
      • 環境が分析不可能・環境に対して組織が受動的:間接的=反応型の組織行動
      • 環境が分析不可能・環境に対して組織が能動的:イナクトメント=試掘者型の行動
      • 環境が分析可能・環境に対して組織が受動的:状況適応的=防御型の組織行動
      • 環境が分析可能・環境に対して組織が能動的:発見=高度な専門知識を用いて精緻な情報収集と分析を行う
    • 解釈モードは自由にマネジメントしにくい
      • 組織イデオロギーと組織アイデンティティが変わりにくいため。いかに利益がでるとしても自分たちらしさに反することは否定する。
      • →ダイバシティで幅と柔軟性を高める。
    • 今後の研究課題
    • トリプルループ学習:支配している価値の前の埋め込まれた前提システム(一組織の境界を超えて存在する組織間・社会システム)を問う。
      • →感情的障害、政治的障害、果たすべき管理統制の3つを克服する必要がある。