2020/02/07

戸村理(2019)「大学組織研究のレビューと展望:関連諸学との対話から」『教育社会学研究』104,125-145


  • 大学組織の複雑性の源泉(Sporn 1996:42):目標の曖昧さ、教員本意の組織体、目標達成の基準設定の不確かさ、教員の自律性と自由への要求、環境に対する脆弱性。
    • → マネジメント(共同作業の統率)が確約されない。
    • → 教員の行動は部分最適となり、葛藤・阻害・抵抗を生む。
  • 大学の管理と運営:管理=設置者の管理権、運営=大学内部における管理(羽田 2005:32)。
    • 経営=運営に含まれる(?)。ガバナンス=定義が広範。
  • 大学組織で生じる問題を安易な葛藤にすべきでない。レベル(層)によって異なる原理や価値を信奉するもの同士の対話と考えるべき(広田 2013)。
    • 国家・政府、社会、市場 ⇔ 機関・基本組織・構成員
  • 大学組織の理念モデル:複雑性・多層性を考察できるクラーク、コーガン・ベッチャー。
    • クラーク:学科→政府・国家までの6レベル垂直構成
    • コーガン・ベッチャー:個人・基本組織・機関・中央権力の軸と、各層に準拠する運営・規範形態の軸の2軸
    • マクネイ:同僚制・官僚制から法人制・企業制への変容
  • 機関レベルの組織:政府による大学管理と、大学内部の管理
    • 前者は、歴史・理念考察と現行のガバナンス法制の考察の2つ
    • 後者は、法人と教学、理事会と教授会の権限の整理
  • 基本組織レベル:講座制の研究
  • 構成員レベル:大学教授職研究・大学職員論
  • 今後の展望:教育経営学と組織社会学(組織論)
    • 組織社会学:環境に対する組織への適応に注目
    • → 大学組織特有の組織慣性が何か、それを発生させる要因やメカニズムを探る研究が必要。