西谷勢至子(2008)「組織学習に関する学説研究」『三田商学研究』50(6),325-346
- 組織学習論の理論的停滞:アージリス学派とマーチ学派対立
- アージリス学派
- 問い:組織はなぜ不完全で,歪曲したフィードバックによって硬直化してしまうのか。
- 学習:組織の意図と現実を適合させること。しかし,ダブルループ学習はめったに実現されない。
- 人はモデル1の行為を取るため((1)失敗の責任から逃れるために問題を隠蔽,(2)自分への非難を避けるために,部下の批判を避ける = コミュニケーションが機能しない)。
- その経験により,組織メンバーは熟練した無能力によってフィードバックが機能しなくなる。
- 問題解決にはモデル2の行為が必要 ← 研究者がコンサルタントして組織に介入する必要がある。
- マーチ学派
- 問い:経験的な知恵を生み出す同じプロセスが,なぜしばしば迷信的学習,能力の罠,間違った推論をもたらすのか。
- 学習:ある行動の結果が組織の目標を達成したかどうかを解釈し,その知識に基づいてルーティンを変化させるという学習によって,継続的に環境に適応すること。
- ルーティン変化は難しい
- 代替ルーティンよりも現行ルーティンの方が成功しやすいために,代替を排除する傾向がある(能力の罠)。
- 経験の解釈をフレームを通じて行うため,過去の行為と結果の関係を謝って特定したフレームに基づいて解釈をすると謝ったルーティン変化をしてしまう(迷信的学習)。
- 学習が常に組織の有効性を高めるものではない点が重要。
- 両者の問題
- A:DL学習を実現できる組織にする方法に注目。DL学習は,組織が支配変数を意図的に変えたかどうかという基準。
- M:環境に適応した組織が学習したかどうかはわからない。学習の評価基準は,組織の個別目標でなく,環境の適応を可能としたか否か。
- しかし,認知と行動のいずれかの次元を重要な変化として強調することによって,必要以上に組織学習の見方を狭めている。→ 双方重視することで統合できないか。