2017/03/20

河井亨(2014)「大学生の成長理論の検討」『京都大学高等教育研究』20,49-61


  • 60年代の4つの学生成長研究
    • Sanford(1966):成長を人と環境の相互作用として捉え,成長の条件にレディネス・チャレンジ・サポートの3つがあると指摘。成長のためには,環境との関係でのチャレンジとサポートのバランスが重要。
    • Heath, D.(1968):成熟の4つの領域=知性・価値観・自己概念・対人関係。5つの成長局面=経験を象徴的に表現できる,他者志向になる,統合的になる,安定的になる,自律的になる。
    • Heath, R. (1964):自我機能と個人的スタイルの2つの軸。
    • Feldman & Newbomb(1969):カレッジインパクト研究をレビュー,調査とデータに基づく学生の実態把握の必要性指摘。
  • 学生の成長理論
    • 一般理論
      • Erikson,アイデンティティ形成理論
      • Kohlberg,道徳発達理論
    • 大学・大学教育・学生対象理論
      • Chickering,7ベクトル理論
      • Perry,認知的・認識論的成長の理論
  • Erikson:8つの段階からなる発達の漸進論的図式
    • 基本的信頼/不信,自律/恥・疑惑,自発性/罪悪感,勤勉/劣等感,アイデンティティ/役割混乱,親密性/孤独,世代継承性/停滞,自我統合/絶望
    • 前者が優位になるように葛藤を解決することが発達
  • Chikering:ベクトル=方向と大きさを持ち,方向は単なる直線よりもステップやスパイラルによってより適切に表現される。
    • コンピテンスの発達:知的・身体的・対人関係的に課題に取り組んで目標を達成し,自信を獲得していくこと。
    • 感情管理:自分の感情を自覚して受容してコントロールし,行動と統合していくこと。
    • 自律を通して相互依存に向かうこと:自己主導性において依存から自律へ向かい,相互依存の重要性を認識・受容したうえで,互助的な自立に至ること。
    • 成熟した対人関係の発達:差異を受容・理解し,持続的な親密性のある関係を築くこと。
    • アイデンティティの確立:身体・外見・ジェンダーの安定した感覚と社会・文化・歴史的ルーツの認識,役割とライフスタイルを踏まえた自己概念,重要な他者からの承認といったことを通じて,自己受容と自尊心を持ち、,パーソナルな安定性と統合に至ること。
    • 目的の発達:意義ある活動と対人コミットメントを持って明確な職業上の目標を抱くこと。
    • 統合の発達:多様性と個性化を両立した成熟した価値観をもって,その価値観と社会的責任に応える行動とを調和的に実現すること。
    • これらは,直線的なものでなく,1 人ひとりに個性化された形で実現する。
  • Evans 1996:4つの構造:二元論,多元性,相対主義,相対主義の中でのコミット