溝上慎一(2014)『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』東信堂
- Active learningの訳としてカタカナを当てたい,なぜなら新奇性(新しい概念として定義を主唱する)を打ち出したいから。また,ナカグロは入れない。
- 本書の定義:一方向的な知識伝達型講義を聴くという受動的学習を乗り越える意味での,あらゆる能動的な学習のこと。能動的な学習には,書く・話す・発表するなどの活動への関与と,そこで生じる認知プロセスの外化を伴う。
- 一方向的な知識伝達型講義を聴く=能動・受動の相対的な基準を示す
- Bonwell and Eison(1991)のアクティブラーニングの特徴
- 学生は聴く以上のことを行う
- 情報の伝達よりも学生の技能の発展の方に力点が置かれる
- 学生は高次の思考(分析・統合・評価)を働かせる
- 学生は活動(読む・議論する・書く)に従事する
- 学生自身の態度や価値の探求がより強調される
- Fink(2003)の定義
- 活動を経験,思考を省察に置き換え,それぞれ行動する・観察すると,何を学習しているか・どのように学習しているか,一人で行うか・他者と行うかにまとめる
- 観察するを加えた点が特徴
- 中教審(2012)の定義(新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて)
- 教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり,学修者の能動的な学習への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって,認知的・倫理的・社会的能力・教養・知識・経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習,問題解決学習,体験学習,調査学習などが含まれるが,教室内でのグループ・ディスカッション,ディベート,グループワーク等によっても取り入れられる。
- なぜアクティブラーニングか:大衆化と学習パラダイム転換。研究大学でも目的意識が希薄である。
- 深いアプローチの特徴の活動動詞:学習課題に対して振り返る,離れた問題に適用する,仮説を立てる,原理と関連づけるといった高次の認知機能をふんだんに用いて課題に取り組むことを特徴とする。
- 浅いアプローチ:記憶する,認める・名前をあげる,文章を理解する,言い換える,記述するといった形式的な問題解決を特徴とする。
- この学生は深いからOK,浅いからNGという類型化はナンセンス,多くの学生が深いアプローチをとる学習状況を作り出すことが重要。講義では,深いアプローチの学生も浅いアプローチを取らざるを得ないし,浅いアプローチの学生もALなら深いアプトローチを取らざるを得ない。