2014/12/05

市川伸一(2008)『「教えて考えさせる授業」を創る』図書文化社


  • 実際の教室で起こる問題
    • 既習内容を元に考えることを促しても考えあぐねてしまう子が多い
    • 討論を通じてわからせたいと思っても,他の子どもの発言の意味が理解できない
    • 塾などで先取り学習をしている子やすぐわかってしまう子は,授業に興味を失いがち
    • 狙いからはずれた多様な意見で,わからない子がますます混乱し,結果として多くの意見は捨てられる
  • 知識は自ら考える妨げるになるとの誤解が生まれたが,知識があってこそものを考えることができる。
  • 教科書を開けば出ている基本事項は教師が共通に教え,相互説明などで理解の確認を図る。その上で,理解を深める課題によって問題解決や討論を行うことが,教えて考えさえる授業の基本。
  • 予習で実験の結果をしても,においや温度など観察することは文字情報や写真を超える経験となる。
  • 教わっただけではうまくできない技能を考えながら身につけていく学習は,スポーツ以外に国語や英語にも多くある。
  • 問題解決は,知識注入・知識再生と比較されるキーワード。しかし,外からの情報を理解した上で取り入れる受容学習は創造的な仕事をしている人にとっても大切な学習であり,それなしに有効な問題解決学習はできない。受容学習を,受け身の学習や消極的な学習としか位置づけない教育論は破綻するだろう。
  • 教えて考えさせる授業がうまくいかない時
    • 目的や趣旨を理解しないまま実践している場合=教える部分できちんと教えない
    • わかりやすく教えることがよくわからない=教えるための工夫が思い浮かばない
    • 考えさせる部分でどういう課題で考えさせたらよいかわからない=教科書の練習問題も第一候補,他の先生の授業から学べばよい
  • 授業には演繹型と帰納型がある。研究授業の多くは帰納型で展開される=概念形成を一種の問題解決にしている。