- 高大接続改革が必要な理由
- 国内外のどこでも自分の力で糧を得ながら他者に貢献することで幸福な人生を歩める人間の育成=知識・技能・思考力・判断力・表現力を身につけて主体的に他者と協働できる人間の育成
- 今取り組まないと対応できない
- 高校教育と小中の接続も念頭における
- (これをやるならドロップアウトとやり直しができる大社接続もしないと機能しない?)
- 試験と学校と選抜をそれぞれ自立したセクターに分ける方法を考えてもよい。モデルはイギリスのUniversity and College Admission System。
- 生涯にわたって学び続ける原動力は興味関心の喚起。
- 選抜における観点
- 認知的能力の次元を受験時点の達成度に基づくか,将来開花する潜在的な資質の評価に基づくか。
- パーソナリティなどの非認知的能力を含むべきか。
- 客観的で公平な筆記試験に基づくか,面接や推薦状などを総合的に考慮するか。
- 筆記試験では選択問題を用いるか,論述問題を用いるか。
- 入試に教員が関与すべきか,オフィスだけで行うべきか。
- アメリカは,1つの大学に不合格になることが受験生の将来に過度の影響を与えないので,AO型の総合判断入試が適合する。
2014/12/19
「高校・大学接続」『IDE現代の高等教育』No.566,2014.12
2014/12/18
ケイ・J. ・ガレスピー,ダグラス・L.・ロバートソン(2014)『FDガイドブック: 大学教員の能力開発』玉川大学出版部
- 最古のFDは1810のハーバード大のサバティカル,研究能力開発支援。
- 現在のFDは1950-60のアメリカの学生運動から生まれた=研究者の役割に対する伝統的な見方の見直し。
- FDの段階:学者の時代(50-60),教師の時代(60-70),開発者の時代(80),学習者の時代(90),現在はネットワーク推進者の時代(FDerが教授団・執行部とともにネットワークを構築して組織的な問題に建設的な解決策を提案する)
- アメリカ初のTLセンター:ミシガン大アナーバー,1962。
- ティーチング・サークル:6〜8人の教員で,興味のある共通テーマ(AL,PBL,TP,評価,コース設計)について集まり,学期単位で定期的に集まって教育への示唆を得る。
- ファカルティ・ラーニング・コミュニティ:サークルよりも広い,通年にわたって重要事項を取り上げる8〜10人の教員構成。
- コミュニケーションが上手な人は,会話の相手に焦点を合わせている。FDerに支援を期待する者も,本人に敬意を払う方法で支援が提供されることを期待している。
- テクノロジー活用の課題:(1)技術を避ける教員の態度理解,(2)適切な技術選択,(3)取り入れやすくするために教員の知識と目的を活用する,(4)センターのプログラムや目標に適した技術を使う。
- テクノロジー活用例:知識開発(情報の批判的省察),問題解決技能開発(問題配信,シミュレーション),学生間のつながり構築
- 研究大学では,改善ではなくイノベーションに力点を置く。
- 理事の新しい構想をいち早く把握して,センターの活動を構想に合わせる。しかし,多くの大学でセンターと執行部の優先事項がすりあわせられていない。
- 同じ分野背景を持つFDerへの反応はよい。FDerが研究者であること。そのため,学部と協働することが賢明。しかし,仕事の優先順位を学部に合わせていないセンターが多い。センターの活動に学部教員のオピニオンリーダーを巻き込むこと。
- 教員の多くはセンターを活用しないが,センターを可視化すること。新任教員研修やニューズレターなど。
- 優れた教員によるセミナー・レクチャー,他分野の教員とのコミュニティ形成も有効。
- センター教員はアクションリサーチを行うべき。
- 組織開発:ある教育機関とその部局における組織的な構造と手続きの開発であり,組織開発の取り組みは教員・職員・学生・他のスタッフを支援することを目的に,組織が効率的・効果的に機能するようになることを目指すものである。学科長に対してリーダーシップ訓練を行うことや,集団プロセスの効果的な利用,教育機関の使命の見直しや改訂,組織改革の実行,機関ガバナンスの問題などが組織開発分野の代表的トピックである。
- 組織開発は関係性に関わる:承認に関わる方針や手続きの見直しと改訂など人事の問題を包摂する。FDerは機関内の人間的・構造的な相互作用と,それが個人や内部組織に与える影響の両方を考える。
- 組織開発は文脈に関わる:機関の文化の考察を含む。主に4つの土台がある。(1)専門領域に根ざした同僚的文化,(2)明白な教育目標に焦点化した管理的文化,(3)コミュニティの全構成員の成長に重点を置いた開発的文化,(4)機関資源の公平で平等な分配に重点を置いた交渉的文化。
第3部の辞書的な有用性が優れている。第1部は中途半端に抽象化されているため,内容が実践的でない。理論化・体系化を目指したのであれば失敗しているし,よりケーススタディとして文脈情報を含めた記述の方が,示唆に富むものとなったはず。
2014/12/09
瀧川裕貴(2010)「社会調査の基本と技法について」『科学と社会2010』総合研究大学院大学,第3章,159-178
- 社会学では,自覚的に他者と関わるという意識がきわめて重要であり,そのための技法が重要。
- ブルデューの「認識論的切断」:われわれがもっている常識や先入観からいったん自 らを切断する方法を身につけなければいけない。
- 社会調査にあたり調査者の特権性を前提としない:「未開社会」を調査する態度はだめ。
- 盛山(2004)の調査倫理の3原則
- インフォームド・コンセント:調査対象者の協力は自由意志に基づかなければならない。
- ハラスメントの回避:調査対象者が不快に思うことは一切行わない。
- 秘密保持:調査対象者のプライバシーの保護のために匿名性が大原則。
- 主な調査方法:インタビュー,オーラルヒストリー,参与観察,質問紙調査
- ランダム・サンプリングが必要でない場合:今調べたいことが社会的属性に左右されない(例:心理学実験,人間の心理は人類共通?)
2014/12/08
「大学で”芸術家”を育てるということ」『大学時報』第359号(2014年11月),16-31
- 学生たちは,つくった作品を他人に批評される立場に日頃からいて,なぜオリジナリティを出せずに,誰かと同じような作品になってしまうのか,なぜおもしろいものにならないのか,という厳しい言葉が浴びせられることもしばしばです。
- われわれの美術大学では,日常的に個々の作品が共有されており,つねに作品を見られ,評価にさらされる,厳しい世界に学生はいるんです。
- 作品を通じて学生の個体認識ができる,これが大事な条件だと思います,作風はそれぞれの学生で違いますから,これができないと芸術分野の指導はできません。
- 従来から,作品を講評するときには「君のつくろうとしているものはどういうもの か」ということを必ず問うていましたが,今では「君の戦略は何だ」とさらに踏み込んだ質問をすることもあるようです。
- 多くの人に受け入れられるメッセージには,世の中に対する批判力が不可欠です。そうした力が芸術系の学生にはあると思います。
2014/12/05
市川伸一(2008)『「教えて考えさせる授業」を創る』図書文化社
- 実際の教室で起こる問題
- 既習内容を元に考えることを促しても考えあぐねてしまう子が多い
- 討論を通じてわからせたいと思っても,他の子どもの発言の意味が理解できない
- 塾などで先取り学習をしている子やすぐわかってしまう子は,授業に興味を失いがち
- 狙いからはずれた多様な意見で,わからない子がますます混乱し,結果として多くの意見は捨てられる
- 知識は自ら考える妨げるになるとの誤解が生まれたが,知識があってこそものを考えることができる。
- 教科書を開けば出ている基本事項は教師が共通に教え,相互説明などで理解の確認を図る。その上で,理解を深める課題によって問題解決や討論を行うことが,教えて考えさえる授業の基本。
- 予習で実験の結果をしても,においや温度など観察することは文字情報や写真を超える経験となる。
- 教わっただけではうまくできない技能を考えながら身につけていく学習は,スポーツ以外に国語や英語にも多くある。
- 問題解決は,知識注入・知識再生と比較されるキーワード。しかし,外からの情報を理解した上で取り入れる受容学習は創造的な仕事をしている人にとっても大切な学習であり,それなしに有効な問題解決学習はできない。受容学習を,受け身の学習や消極的な学習としか位置づけない教育論は破綻するだろう。
- 教えて考えさせる授業がうまくいかない時
- 目的や趣旨を理解しないまま実践している場合=教える部分できちんと教えない
- わかりやすく教えることがよくわからない=教えるための工夫が思い浮かばない
- 考えさせる部分でどういう課題で考えさせたらよいかわからない=教科書の練習問題も第一候補,他の先生の授業から学べばよい
- 授業には演繹型と帰納型がある。研究授業の多くは帰納型で展開される=概念形成を一種の問題解決にしている。
2014/12/04
松田稔樹・星野敦子・波多野和彦(2013『学習者とともに取り組む授業改善』学文社
- Science=神が創った世界を探求する,Art=人が生み出す人工的世界を探求する,Scienceの中には自然科学と社会科学がある(人で構成される社会を含めた自然界の法則や特性を解明する学問)
- 工学はつまるところ,設計の学問である。Scienceは因果関係という特定の正解を持つ問題を解明することを目的とするが,工学は正解のない問題解決を扱うための方法論を確立することを目的とする。
- 疑問を感じるのは,自分の考えと違う,というズレであり,ズレているのが自分なのか相手なのかを決めつけずに考えようとすることが探求である。
- Knowledge Result:自分の反応の正誤を知らされたり,励ましや注意を与えられて,自分の学習活動を柔軟に改善するための教師の働きかけのこと。
- 教示主義VS構成主義:前者は,生徒が理解できるかどうかは,教え方がわかりやすいかどうかにかかっていると考える。後者は,教師の役割は,生徒がわかることを助けることであり,そのためにはどこまでわかっていてなぜわからないかを探り,適切なKnowledge Resultsを返してその状態を改善することが重要だと考える。前者は教師の役割としてコミュニケーション機能を重視し,後者は計測・制御機能を重視する。また,前者は疑問を感じさせないことを重視し,後者は疑問を持ち解決することを重視する。
- 教師の意志決定モデル(吉崎 1998):生徒・教材・教授方法・教授ルーチンの知識→授業計画→モニタリングスキーマ(生徒の状況・時間→授業計画と実態のズレ→ズレとその原因の認知→計画通り・方法変更・内容変更)→対応行動(説明・板書・発問・指示・Knowledge Result)
- 臨機応変な対応とは,当初予定と全く異なる授業を行うことではなく,基本的には元の計画にどう戻るかであり,大きく分けると後戻りするか,迂回して前に進めるかの2通り。
- 教科書に書かれているからその課題を扱うのではなく,学習への動機づけを高めるために,生活・仕事との関連性を考慮することや,解決したり考えたりする意義のあるものを選択する必要がある。
- システムズアプローチが重視するのは,作業の効率化のために後戻りを最小限にすること。非効率の代名詞が後戻り,行き着くゴールを明確にすれば,その評価を高め,誤りやつまずきを取り除くための発想に集中できる。
- 教材研究は教材に関する知識を,学習者特性分析は生徒に関する理解を豊かにすること。これらの知識はよりより授業計画を考える前提になる。
- ガニエの教育目標分類:言語情報(=意味記憶),知的技能(弁別→概念→ルールと手続き→問題解決,難易度分類),認知方略,運動技能,態度の5種類。
- ブルームの認知領域6段階はわかりにくい。目標を明確にするには役立つが,目標を記述するには何かが足りない。
- 次元分け(坂元 1988):つまずき=一部の問題に正解でき,一部の問題に正解できない。誤り=どんな問題を与えても正解できない。
- 導入・展開・まとめの書き方こそ,知識注入主義を表している。ARCSや9事象は心理学的な理論との関連づけを重視しているのと対照的。
- 授業は生徒が考える場であり,発問が主であって説明はそれを補う従たる位置づけであるべき。
- 工学的アプローチ:行動目標→目標に準拠した評価
- 羅生門アプローチ:一般的目標→創造的学習活動→目標にとらわれない評価(評価は記述で実施し,さまざまな立場や視点から解釈を行う)
- 羅生門アプローチでは,形成的評価が重要:ポートフォリオ活用,概念地図作成,KJ法。
- 教師による主観的な評価を行っていた戦前の通知表を改善し,評価の客観性を高めるために戦後は正規分布に基づいた相対評価を行った。
- 海外の数学教育ではローンを組むテーマをよく扱う。
2014/12/03
溝上慎一(2014)『アクティブラーニングと教授学習パラダイムの転換』東信堂
- Active learningの訳としてカタカナを当てたい,なぜなら新奇性(新しい概念として定義を主唱する)を打ち出したいから。また,ナカグロは入れない。
- 本書の定義:一方向的な知識伝達型講義を聴くという受動的学習を乗り越える意味での,あらゆる能動的な学習のこと。能動的な学習には,書く・話す・発表するなどの活動への関与と,そこで生じる認知プロセスの外化を伴う。
- 一方向的な知識伝達型講義を聴く=能動・受動の相対的な基準を示す
- Bonwell and Eison(1991)のアクティブラーニングの特徴
- 学生は聴く以上のことを行う
- 情報の伝達よりも学生の技能の発展の方に力点が置かれる
- 学生は高次の思考(分析・統合・評価)を働かせる
- 学生は活動(読む・議論する・書く)に従事する
- 学生自身の態度や価値の探求がより強調される
- Fink(2003)の定義
- 活動を経験,思考を省察に置き換え,それぞれ行動する・観察すると,何を学習しているか・どのように学習しているか,一人で行うか・他者と行うかにまとめる
- 観察するを加えた点が特徴
- 中教審(2012)の定義(新たな未来を築くための大学教育の質的転換に向けて)
- 教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり,学修者の能動的な学習への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって,認知的・倫理的・社会的能力・教養・知識・経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習,問題解決学習,体験学習,調査学習などが含まれるが,教室内でのグループ・ディスカッション,ディベート,グループワーク等によっても取り入れられる。
- なぜアクティブラーニングか:大衆化と学習パラダイム転換。研究大学でも目的意識が希薄である。
- 深いアプローチの特徴の活動動詞:学習課題に対して振り返る,離れた問題に適用する,仮説を立てる,原理と関連づけるといった高次の認知機能をふんだんに用いて課題に取り組むことを特徴とする。
- 浅いアプローチ:記憶する,認める・名前をあげる,文章を理解する,言い換える,記述するといった形式的な問題解決を特徴とする。
- この学生は深いからOK,浅いからNGという類型化はナンセンス,多くの学生が深いアプローチをとる学習状況を作り出すことが重要。講義では,深いアプローチの学生も浅いアプローチを取らざるを得ないし,浅いアプローチの学生もALなら深いアプトローチを取らざるを得ない。
2014/12/02
八尾坂修(2002)「クオリティを高める学校の組織マネジメントと学校評価政策」『奈良教育大学紀要』51(1),171-181
- 米国は80年代に日本のTQCを徹底研究,90年代にTQMを構築して製造業を再生。TQCは経営資源の有効活用(ムリムダムラ排除),TQMは経営の再構築と革新まで対象を拡大。
- TQC:全員参加,品質優先,事実管理,顧客志向,いかにうまく作るか(How,内部改善志向)
- TQM:各自のコミットメント,社会環境に調和する品質優先,事実による説明・結果責任,顧客を含む全てのステークホルダとの信頼関係,何を作るか(What,革新的経営志向)
- マネジメント≠管理,=課題を乗り越えて当初の目的を達成すること
- いくつかのリーダーシップ学説
- 特性・資質理論
- 活動力,知性,支配性,自身,達成意欲,社交性が要因
- リーダーの形態(タイプ)理論
- 専制的,民主的,自由放任的のタイプ,権威的vs参加的リーダーシップ形態
- リーダーの行動(スタイル)理論
- PMのバランス
- Hersey and Blanchardの状況理論
- 教示的(高指示・低協労):部下の成熟度が低いなら,役割を明確にして手順を一方的に教える
- 説得的(高指示・高協労):部下の成熟度が普通なら,心理的抵抗なしに指示を受け入れるよう留意する
- 参加的(低指示・高協労):部下の成熟度が普通以上なら,促進奨励的行動をして,意志決定への参加を期待する
- 委譲的(低指示・低協労):部下の成熟度が高いなら,責任権限を大きく委譲して,自由裁量を高める
- Bolman and Dealのリーダーシップイメージ理論
- 4つの次元(各次元8項目,計32項目)で構成される
- 目標達成(分析的,組織的)
- 人間性重視(支援的,参加的)
- 対処的活動(強力的,機敏的)
- 自己象徴(鼓舞的,カリスマ的)
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