2014/08/25

H.ストループ(1972)『大学の官僚制』東京大学出版会


  • 官僚制への批判的呼称:形式主義,会議主義,文書主義,傲慢な管理,専門分化,機構の巨大化
  • 官僚制の利点(難??)
    • 効率的:より多くの学科や課程に伴う,大きな教授団や学生サービスを持て,費用が安い
    • 合理的:共通の特徴や形式を用意して,教育を組織化する際の問題を扱いやすくする
    • 多様な機会提供:大きい大学では教える機会,昇進機会などが多様
    • 多様な保証提供:
    • 競争がある:昇進を目指す競争,予算や威信を巡る競争
  • 官僚制機構における職務担当者の諸資格要件(?)
    • 仕事の能力:教育と経験によってある処理能力があることを自ら示す
    • 任命される:職務は世襲されず,仕事の遂行能力に基づき上位者からなされる
    • 一定額の俸給を受ける:任命を示す特徴であり,上昇移動の気持ちを高める
    • 序列で特徴付けられる
    • 自分の仕事を生涯の仕事と見ている:速やかにマスターできる仕事でない
    • 仕事自体が拘束する:活動時間の全てを仕事で占めている
    • 特殊な生活様式で特徴付けられる:見かけ上余暇が多い,他の人の生活に影響しそう
    • 生活保障が整っている:現物報酬がある
    • 個人の財産と組織の財産の分離:職務に必要なものは組織が用意し,所有してはいけない
    • 組織に対する強い忠誠で特徴付けられる:属する組織に献身的
  • 大学教職員の専門分化の要因:規模の拡大と教授陣の拡大,教育制度の複雑化(科目区分・カリキュラム),教育事業の性質転換(学生指導の責任大→多数の専門家要)。専門分化があると,効率化が存続のために不可欠。
  • 専門分化の欠点:近視眼化と内的・排他的集団化。
  • バーナードのヒエラルキー分析
    • 官僚制機構としての大学は,階梯的体系と機能的体系の二重の様式で組織されている。
    • 階梯的体系:命令・権限の連鎖における上下関係と権限の範囲で,体系における地位が決まる。
    • 機能的体系:権限以外に,その人の果たす機能によっても地位が決まる。
    • 両者は全ての組織に同時に存在し,部分的に重なり,相互に依存している。
    • 前者は集権化,後者は分権化の方向性がある。それぞれの行き過ぎに対抗する傾向を作り出すためのもの。
    • トップリーダーは,組織の連動化(=フォーマル・インフォーマル組織が調和して1つに結ばれていること)が主要な職務。
  • 一旦革新が達成されるとそれを維持していくのはカリスマ的リーダーシップではなく合理性の基盤。
  • 大学は客観主義に無批判な忠誠を保持することが,形式主義的非情性に依存する背景。入試選抜の方法,学生便覧の内容など。教室の授業も同様(客観テスト)。
  • 文書主義は,一般に倫理中立的になる傾向がある。
  • レッドテープへの対応は効果的なコミュニケーション。これには,フォーマルとインフォーマルがある。
  • バーナードのコミュニケーションの有効性
    • 信じられること:文書発信者の身元表示が必要。
    • 権威があること:コミュニケーションの内容が行為の基盤として信頼しうること。
    • わかりやすいこと