2012/12/17

島田次郎(2007)『日本の大学総長制』中央大学学術図書


  • 学校教育法には総長の名前はなく,学長が校務を掌り,所属職員を統督することになっている。
  • 東京大学は帝国大学になる前の創立時は,東京大学と称していた。その長は綜理といい,2名任命された。当時は4つの学部があり,一人が法学・理学・文学の3学部を,もう一人が医学部綜理であった。創立5年目に,これが一人の長である総理になった。
  • 当時の官制では,参謀総長,検事総長など,総長が最高責任者の一般名称であったこと,帝国大学令では,従来の学部がそのまま分科大学(法科大学,医科大学,工科大学,文科大学,理科大学)となり,それぞれに学長が置かれたために,帝国大学長が学長を名乗れなかったことが考えられる。
  • 短期間ながら,帝国大学総長は私立の諸校に対して,教育内容・教育方法・教育成果を詳細に把握し,規制することが行われていた。
  • 新制大学の学制で総長の制度的根拠は失われたが,東大の評議会は総合大学の長は総長と称すべきと提案されて了承される。その後,7帝国大学総長会議でも総長の名を存置することを申し合わせた。総合大学であることと,これまでの慣行であることが,存置理由の全て。帝国大学の格差意識が示されている。
  • 47年以降に総長を使っていたのは,東大・京大・阪大。しかし,91〜92年に,東北・九州・名古屋・北海道で総長が復活した。これも7大学学長会議で提案されたと言われ,特権意識がわかる。
  • 私立大学の学長制は,
    • 法人教学一体型(一元型):総長=理事長・学長,三位一体,早稲田・慶応・法政
    • 法人教学分立型(二元型):総長・学長⇔理事長,亜細亜・関西・上智・日本・立命館
    • 法人教学分立型(三元制):理事長⇔総長・院長⇔学長,青山・関西学院・専修・中央・東海・同志社・明治・立教。