- 生まれる子供の8割は都市部。生育環境としての都市空間は無機質化・無人化した。
- 心の中に描く現実の風景が,ガラス,コンクリート,プラスチックなどの材質で組み立てられる。
- 心の風景の中に,生きた生身の人間が存在しない。
- 心の風景から,においや温度,変化や腐敗など,物質の変化という有機的要素がない。
- 人が「私も社会の一員である」という自覚を持つことができるのは,様々な人との好ましいつながりがあり,親しく付き合いつつ,自分のやるべきことをやったり,誰かのためにすることで,誰かに感謝されたり頼りにされたりすることから生じる自尊的な感情があるから。
- ブルデューが注目したのは家庭の文化資本。家の中の知的な本,高学歴な家族,世界情勢や政治問題の話題が,見えざる資質や性向を作り(ハビタス),それが学校の文化と同質のため,子供が早くから学校の文化に馴染み,学業成績が良くなる。
- バーンシュタインが注目したのは精密コード。教養ある親の話す言葉に慣れた子供は,ことの成行きを客観的に説明できる。学校の先生が教える言葉が精密コードのため,授業の理解度に差が出る。
- 階層間の移動が行き詰ったのは,教育が不公平であったからではなく,公平に教育した結果。よって,すべての子供の学力向上をといってもよくならない。人はそれぞれ違う。すべての子に最良の教育を行うほど,先天的な能力ははっきり出る。
- 互いに違いを認め,そのうえで互いの関係を良くすること。良い関係の中で助け合い生きていくこと。それを当たり前のこととして生きる人間を育てる。教育の在り方の発想をを変えなければならない。
- ソーシャルキャピタルを構成する要素は,人的交流,信頼関係,互恵性。
- 社会力の豊かな人間の具体的イメージ。
- 人間が好き
- どんな人ともコミュニケーションできる
- 他の人といい関係が作れる
- 他の人と協力しながら物事を成し遂げられる
- 他の人の身になり、立場に立って物事を考えられる
- 他の人を思いやれる
- 物事に対して常に前向きに取り組もうとする
- 何事にも創意工夫を怠らず創造的
- 自分も社会の一員であるという自覚がある
- 社会の運営に積極的に関わろうとする構えができている
- 自分の能力を活かし,家庭・地域・職場で自分の役割を果たせる
- 社会の改善や改革にも積極的に関わろうとする意欲がある
- 広い視野から社会の動きや社会の動向を判断できる人間
- 自分の行動が他の人や社会の動向にどう影響するかを考えながら行動できる
- 人類社会の将来に常に思いを馳せながら行動できる
2011/07/28
門脇厚司(2010)『社会力を育てる』岩波新書
2011/07/27
吉田新一郎(2000)『会議の技法』中公新書
- 一般に会議は議会モデル。一人の議長が会議の運営を任され,書記が公式の記録を取り,他の出席者も各自でメモをとる。発言する人も出席者数の大小にかかわらず決まっており,多くの出席者は参加者ではなく聴衆・観客として会議の場に存在する。
- ロの字や円形の座席配置は,人数が7,8人以上の場合はやめたほうがよい。10人までは半円形、それ以上は4,5人のグループで着席。
- 会議を変える際の原則。
- 変化はプロセス,段階を踏んで確実に進む。
- 変化には準備が必要,だから時間もかかる。
- 変化にはチームアプローチが効果的,一人では変えられない。
- 変化にはサポートが不可欠。
- 変化はバランスがあるときは起こらない。不均衡な状態にすることが先決。なぜ,なぜ,と問いかけて考えてもらう,読んでもらう,体験してもらう。
- 変化には信頼関係が不可欠。いい人間関係を築くことが先決。
- 変化にはコミュニケーションが大切。
- 変化を実行することは政治的なプロセスでもある。
- 変化には新しい知識・技能・態度が求められる。
2011/07/26
2011/07/23
野田智義・金井壽宏(2007)『リーダーシップの旅』 光文社新書
- リーダーを目指してリーダーになった人はいない。リーダーシップは見えないものを見る旅であり,旅は一人で始まり,フォロワー旗日の途中で出会う。リーダーシップは生き方の問題であり,教授されるものではない。各自が自分の人生の中に発見するもの。
- コア・コンピタンス(経営資源アプローチ)の問題は,その企業が成功するまで,何がコア・コンピタンスかわからないこと。
- リード・ザ・セルフを駆り立てるものは人それぞれで,夢,情熱,焦燥感,野心,プロフェッショナリズムなど。いずれにしもて,自分が吹っ切れるものが行動と継続を支える。
- リーダーには,Emergent Leader,Elected Leader,Appointed Leaderがあり,Transactionalでないリーダーは,Emergentにあたる。Electedは市長や知事など,Apointedは管理職など。
- 企業内のリーダーシップを測る場合,指揮系統下にない応援団がどれだけいるかで測る。
- リーダーシップとマネジメントの違いは,(1)見えるか見えないか(創り出すか対応するか),(2)働きかけが人としてか地位としてか,(3)シンクロするかモチベートするかの違い。SWOTは見えるものを分析するもの。
- リーダーが扱うのは,創造と変革。リーダーが求められるようになったのは,世の中が創造と変革の時代に入ったから。
- 誰でも組織に入る前は希望を持っているが,組織と個の同化がリーダーシップの発揮を阻害する(=見えないものが見えなくなる)。
- リクルートが傑出しているのは,個人が成功するために組織が存在するという考え方が明確だから。
- 私とおまえは違うんだ。なぜなら,おまえさんは夢を実現しようと思っている。私はただメッカのことを夢見ていたいだけなのだ。
- 信用を積み重ねた後,ある場面ではそれをおろし,捨てなければならない。
- 結果としてリーダーになる人は,私が私でいるという自負が強い。肩書きやポジションでなく,一個人として顧客や社会と向き合う。
- リーダーに求められるのは,構想力(描くのではなく見ようとする,歴史は繰り返す),実現力,意志力(自分自身との真摯な対話から生まれる),基軸力(トレードオフを伴う決断が日本人は弱い,ギリギリの判断を繰り返すことで形成される)。
- どんなときに燃えたか,がっかりしたか,部下はどんなときに燃えたか,燃えなかったかをペアで5分話しキーワードを出す。それをピンポイントで解説する理論を紹介し,実践につなげてもらう。By the Job Learning。
- 得とは,自己の最善を他者に尽くすこと。
- リーダーシップは一人称で考えるもので,どう評価されようと自分は自分で裁くもの。
2011/07/22
木暮太一(2011)『学校で教えてくれない「分かりやすい説明」のルール』光文社新書
- わかりやすい説明に必要な要素は,(1)テーマがわかる,(2)言葉・用語がわかる,(3)論理がわかる。
- 相手に理解してもらえないのは自分の責任。
- 説明のまとめはこまめに行う。
2011/07/21
2011/07/20
小島寛之(2011)『数学的思考の技術』ベスト新書
- 事前には最適である戦略が,実際に時間経過と共に実行段階で最適でなくなることを動学的不整合性という。
- 人に本音を言わせるのはタダでは無理で,何らかの支払いが必要。
- 行動が実行直前になると前に決めていたこととは違ってしまうだらしなさを,時間不整合性と呼ぶ。
- 無限とは,自分自身全体を自分の一部に納めることができる不思議な器。(満室のホテルに一人を泊める問題)
- 無限ホテル問題は,賦課方式年金と同じ。人口さえ減少しなければ,破綻しないネズミ講。
- 大量のデータで裏付けられた客観確率と,人間の心の中の物差しで測った主観確率は通常異なる。
- 金持ち快感が大きいと,デフレによる回復(貨幣1枚でタクシー2回送迎)がうまくいかない。デフレ自体が快楽を高め,何も消費しない人の欲望を満たしてしまう。
- 人間の知識は全知全能ではないが,公共財や社会的共通資本の存在で修正される可能性が高い。
2011/07/19
金井壽宏(2005)『リーダーシップ入門』日経文庫
- プレゼンテーションのコツは,動け,問え。
- 一見相互に矛盾する原則に出会ったときに考えが深まる。
- トップや人事部が中心になって,優れたーリーダーシップの持論を書き留める社内調査をすべき。
- リーダーシップとは,絵を描いて目指す方向を示し,その方向に潜在的な フォロワーが喜んでついてきて絵を実現し始める時に存在すると言える。
- 現在のリーダーシップ理論
- ミッション型リーダーシップ(組織ならではの個性に人々がコミットすると組織は制度に変わる)
- 信頼蓄積理論(集団の規範に従って業績を上げて信頼を蓄積する結果,変革を期待するフォロワーが生まれる)
- リーダーシップの帰属理論(フォロワーが結果をリーダーのおかげだと因果推論することでリーダーになる)
- サーバント・リーダーシップ(リーダーが自分たちに奉仕してくれると思うときにフォロワーはついてくる)
- 変革型リーダーシップ(歴史・時代の節目で対転換を起こすのがリーダー)
- セルフ・リーダーシップ(真のリーダーは,フォロワーが自分を自ら引っ張るように仕向ける)
- 組織文化に関わるリーダーシップ(当然の前提や仮定が環境に合わなくなったときに仮定を疑う)
- ビジョナリー・リーダーシップ(ビジョンの創造と実現)
- フォロワーシップ理論(フォロワーがリードしているという気になってもらうことでリーダーシップにつながる)
- EQリーダーシップ(フォロワーの感情を読み取り,激励・育成・衝突対処・チームワークなどの能力がリーダーシップの基盤)
- その後は,アジェンダを設定(戦略的課題の提示・伝達・緊張醸成・達成圧力)とネットワーク構築(配慮・信頼蓄積・連動性創出・連動性活用)へ。
- 要は常にPMの枠組みでとらえられている。
2011/07/18
梅沢正・上野征洋(1995)『企業文化論を学ぶ人のために』世界思想社
- 企業文化研究の方法と視点:(1)社会システムとしての企業の性格を類型的に把握する,(2)観念文化,制度文化,行動文化の3つのサブカルチャーを記述する,(3)ビジュアル・アイデンティティ研究,(4)企業文化のマネジメント。
- 企業文化とは,企業の歴史を通じて組織内に培養され,蓄積されている知的・感性的資産。
- Cultureには耕作という意味があり,目指す価値の実現に向けて不断に耕作することで文化は形成され,洗練されていく。
- エクセレント・カンパニーは,戦略論の分析視覚を分析型からプロセス型へ変更させ,組織論を見える階層構造からプロセス・シンボルとしての組織に変更させた。
- 企業文化は,行動の型,構造や制度,思考の枠組みの3つを統合する企業特有のスタイル。
- 企業文化の4つの調査:(1)文化の確立度,(2)文化の性格分析,(3)文化の機能性診断,(4)文化度の測定
- 文化の強さは,(1)どのくらいの頻度で「スタイル」や「やり方」の表現を使うか,(2)経営理念の周知とそれに沿ったマネジメントのための指導の程度,(3)今期の目標と長期の方針のどちらにウェイトをおいているか。
- 性格分析は,(1)固有の言葉,(2)支配的な仕事のやり方,(3)仕事のやり方を方向付ける価値観,(4)儀礼や儀式,(5)居酒屋で話される神話と物語,(6)べからず集。
2011/07/16
エドガー・シャイン(2004)『企業文化』白桃書房
- 文化はグループの資産である。グループが共通の経験を十分な量だけ持てば,必ず文化が形成され始める。
- 文化には3段階のレベルがある:(1)文物(目に見える組織構造・手順),(2)標榜されている価値観(戦略・目標・哲学),(3)背後に潜む基本的仮定(無意識の当たり前の信念,認識,思考,感情)
- 文化は,学習され共有された暗黙の仮定であり,人々はその仮定をもとにして毎日の行動をとる。
- 文化の内容には,(1)外部の生き残りの問題(戦略・目標,手段・組織構造・システム・手続き,誤りの検出と修正),(2)内部統合の問題(共通言語と概念,グループの境界とアイデンティティ,権限,報酬・地位割当),(3)深いところに潜む仮定(人間と自然の関係,現実と真実,人間性,人間関係,時間・空間)がある。
- 文化を解読する演習
- 事業にまつわる問題を定義する:改善したいこと,新しい目標を出す
- 文化の概念を復習する:3つのレベル
- 文物を特定する:身なり,権限者とのぎくしゃく,勤務時間,会合(頻度・進め方・タイミング),決定の下し方,コミュニケーション,懇親行事,仲間内の言葉・制服・記章,儀礼・慣習,意見の対立の対処,仕事と家庭のバランス
- 組織の価値観を特定する:組織が標榜している価値観をあげる。
- 価値観と文物を比較する
- 他のグループを対象に同じことを繰り返す
- 共有されている仮定を評価する
- 成熟組織における主要な変革メカニズムは,計画・管理された文化変革。
- 成長が鈍り,衰退が差し迫っている状況では,ある種の再生を通じて文化の諸分野を急速に変更するが,合併や買収などで全面的な改造によりその文化を消し去るの2つの選択肢しかない。
- 文化は社会的学習の産物で,うまくいった思考と行動が文化の要素となるため,新しい文化を創ることはできない。文化が正しいかどうかの基準は,どうすれば組織はその主要な業務で成功を収めるかというもの。
2011/07/11
矢野眞和(2011)『「習慣病」になったニッポンの大学』 日本図書センター
- 1975年頃には,男子大学進学率は40%を超えていたにもかかわらず,今の大学はもはや大学ではないと言う意見が流布し,進学率が40%から50%になるまで35年もかかっている。なぜこんなにかかったかの方が疑問。
- 教育改革の方法論が制度論。今の大学改革の多くは法制度の変更。
- 大学は,みんなのためにある:大学は,学術の中心として,広く知識を授けると共に,深く専門の学芸を教授研究し,知的,道徳的および応用能力を展開させることを目的とする。大学はその目的を実現するための教育研究を行い,その成果を広く社会に提供することにより,社会の発展に寄与するためにある。
- 過去30年で,家計の教育費負担が上昇したことは,みんなのための大学から学生個人のための大学に変わったことを意味する。
- 偏差値が大きな力を持つのは,試験の結果が正規分布に近くなっているという経験に基づいている。(最近の調査ではピークが2つ,3つあるというデータもあるようだが?)
- 進学率が2桁以上になれば,通王に位置する多くの普通の人が進学するようになる。3評定以上が進学するには,7+24+38=69%の進学率。普通の人が増えるだけで,学生の質が低下したとはいえない。
- 東大生らしくないがほめ言葉になった背景は,60年代にエリート,ノンエリートの線引きと分極化が進むのでなく,2つが溶解してエリートの存在が見えなくなった大衆化。
- 76年の高等教育の計画的整備についての中で,大都市立地制限がかかることになった。しかし,計画から5年度の進学率を見ると,都市部で抑制,地方では伸びないという結果になり,進学率ブレーキとなる。
- 合格率が上がると進学率は上がる。授業料が上がるのに進学率が上がるのは,失業率が上がるため。
- 現在の大学改革は,制度改革から大学の経営努力に移行。政府がやるべきチェックリストを作る形から,それが見つからないので,大学で考える方向へ。
- 政策を研究する際には,手段として大学を選ぶ人,自己目的な選択をする人の双方が共有できる網をかける必要がある。そこで何のための大学かを,経済生活を強くするため,社会生活を強くするための2つとする。
- 高卒〜60歳までの賃金が2億5千万円,大卒〜60歳までの賃金が3億2千万円。
2011/07/01
赤林英夫(2008)「競争は教育に有害か?経済学からの再解釈」『労働と社会保障政策のフロンティア』
- 教師は労働者であり,生徒・保護者を PrincipalとするAgentに過ぎない。しか し,教室内での教師の行動の情報は不完全なため,教育の「成果」に則 した一定の「インセンティブ」の導入が経済学的には正当化される。
- 教師には金銭的な報酬よりも非金銭的な報酬(表彰制度など) がふさわしいと言われるが,教育分野でこれらのことが実証され ておらず,今後の研究課題。
- 学校間競争の効果が出てくるためには,教育サービスの供給主体(学 校)が企業のように,教師の採用権と資源配分権を持っているか,需要主体 (保護者)教師を評価し選択することが可能か,少なくともどちらかが必要。
- 学校や教師自体の質に関する情報がなければ,確かに入学してくる子どもの差異だけが強調され,学校のイメージとラベル付けが行われる可能性がある。
- 現在のように,教員の配置が,学校ではなく教育委員会の裁量によりローテーション的に管理されていれば,教師自身に「当事者意識」がなく,学校選択が行われても,教育の質の向上も望めず,学校選択制は何の効果もない。
- 鶏が先か卵が先かという関係は,経済学的には同時決定。
- 情報開示を教師の 当事者意識と結びつけるためには,「学校」という漠然とした単位ではなく,「教師」の力量が分かるように,情報を作っていく必要がある。
- わが国の教育に何が欠けているのかをえぐり出すために,PISAなど国際的な序列が必要。
- 競争原理を教育に持ち込むな」という一点張り,「子どもにもっと競争心を」という安易な市場のアナロジーではなく,競争の本質は「良い教育法や新しい知識を学び,教育の質を向上したいと考えることが競争」。
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