2009/03/04

戸田昭直(2004)『相手がわかるように教える技術』中経出版

 本書はいわゆるビジネス書の類だが、大学の教員に読んでもらいたい内容が的確にまとめられている良書である。大人を相手に講義をする上で、参考になる。

 教える前の段階では、誰に教えるか(whom)、なぜ教えるか(why)、目標は何か(goal)、の3点を確認すればよい。

 教えるプロセスでは、(1)言って聞かせる=Guidance:具体的な目標を示してやってみようという気にさせる、(2)やってみせる=Modeling:ゆっくり多様な方法で見せる、(3)やらせてみる=Roleplaying:手順を役割を示して実践的に体感させる、(4)結果を伝える=Feedback:もう一つ上の段階へ進めるか決める、(5)ほめる=Feedback:自信を持たせて努力・進歩を認める、(6)改善する=Feedback:改善点を指摘する、(7)上位目標を設定する=Followup:改善点を具体的な目標にする、の7段階を経るというが、ここはスリム化できる余地があると思われる。

 教える前のチェック
  1. 教える相手の状況・興味・期待を理解しているか
  2. 教える内容は相手にとってわかりやすいか
  3. 展開を具体的にイメージできているか
  4. 時間配分に無理はないか
  5. 資料はわかりやすく工夫されているか
  6. 利用する機材・機器の使い方に習熟しているか
  7. 教える環境(広さ・配置)を把握しているか
  8. スケジュールや場所を確認したか
  9. 配布物を確認したか
  10. 体調管理は万全か。
教えた後のチェック
  1. 開始時に教える目的、時間配分を明確にしたか
  2. 早い段階で相手の注意を引きつけることができたか
  3. 声のトーンや大きさは相手にとって聞きやすかったか
  4. 常に体と顔を相手に向けてアイコンタクトをとったか
  5. 相手の理解度や反応を相手のボディランゲージから読み取ったか
  6. 相手の反応の変化に応じて説明方法を工夫したか
  7. 身近な事例を出して興味を持たせるようにしたか
  8. 相手の疑問や質問を積極的に聞き明確に答えたか
  9. 最後に理解できたことと残った課題を確認したか
  10. 相手からフィードバックを取り、よい点や改善すべき点を把握したか。