2009/03/11

苅谷剛彦(1995)『大衆教育社会のゆくえ』中公新書

 本書は学歴を軸に社会階層や教育制度を考察したものである。
  • 親の職業が学歴を決める要因として重要、成績との相関も高い。これは、戦後安定して変わらない傾向。私立へ行ける財力の差が要因となるのはごく一時期。
  • 学歴が必要とされない職業も学校の成績と関連づける傾向がある。学力を誤りのない情報と理解し、将来の成功を示す指標となる。
  • 外国では教育と貧困・階級の関係を分析する研究が盛んなのに対し、日本では社会階層の問題が教育問題から消えている。
  • 日本の中等教育は普遍的に統一された特徴がある。外国では社会階層ごとに進学先が異なる場合が多い。
  • 学歴の獲得で生まれ変わりができる。しかしどのレベルの学歴を獲得できるかに生まれの差があるにもかかわらず、学歴社会を批判する論調の中に学歴取得以前の不平等を問題視する議論が見られない。