Henningsson, M. & Geschwind, L. (2020) Recruitment of academic staff: An institutional logics perspective, Higher Education Quarterly,
- 採用:有能な応募者を特定し、引きつけ、その職業選択に影響を与えるための組織の集団的努力(Playhart, 2006)
- スウェーデンの国立大学システムの特徴:分権化と規制緩和 ⇔ 強力で保護的な労働法
- 3つの職:正教授(professor)、准教授・上級講師(lektor)、助教授・准上級講師(biträdande lektor)
- スウェーデンは、学術職の移動が少ない(インブリーディングが多いから?)
- 教授の7割は出身大学の学位を持つ
- 62%の教授職が内部候補者
- 研究方法:7大学14学部長にテニュア採用についてインタビュー(採用のプロセス、良い採用とは)
- テキストデータを制度ロジックで分析
- 競合する制度ロジックが、組織における矛盾の説明と理解をもたらす+ミクロとマクロの両視点を兼ね備えている
- マクロ視点:制度に関する構造的な見方ができる
- ミクロ視点:構造的な視点を行動・プロセスに結びつけ、個人のエージェンシーを分析に入れられる
- ↑:「個人が物質的な生存を生産・再生産し、時間と空間を組織化し、社会的現実に意味を与える、社会的に構築された歴史的パターンの物質的実践、仮定、価値、信念、規則」(Thornton and Ocasio 1999)
- ↑:ロジックが、学部長に対して、どのように採用活動を行うかについての認知的・実践的テンプレートを提供する
- 大学は複数のロジックが共存する→市場主義的改革は、既存の環境を置き換えるのではなく、現実が重層化して、役割・アイデンティティ・資金・ガバナンスがハイブリッド化している(Canhilal 2016, Christensen et al 2018, Wnag & Jones 2020など)
- Shields & Watermeyer(2020):自律的、功利的、経営的の3つのロジックを特定。
- 調査結果
- 学部長が語る採用の6ロジック:国家、市場、地域、家族(以上、Thoronton 2012のもの)+学問、経営者
- 国家:国立大学は国の機関、法律に基づいて行動、公的資金で運営、透明性と正義が重要、事務局が制度と規則を遵守することで維持
- 学問:実力主義、地位に就くための最重要要因、査読システムで維持、同僚性アカデミックガバナンス
- 経営:ラインマネジメント・アドミニストレーションが組織の効率性を高めるための手続きを規定する(ただし、論理と役割は別。学部長が経営ロジックに従って行動する必要はない。)
- 市場:学生、教職員、資源を求めて国際市場で行動する事実
- 地域:研究グループの価値観を共有して大切にすること
- 家族:家族への忠誠が正当性の源
- 国の論理に従った透明性と正義が基本的な理想
- 官僚的手続きによるプロセスの長さが問題←長いプロセスに耐えられるのは内部候補者のみ
- 公募の始め方:メインは教育内容と学生数
- 自由度・柔軟性を生むために任期付きポストを使うがこれは物事をうまく進めるための方便
- 任期なしポストは、公募と競争的評価
- 公募:基本は広い公募(=エリート主義的理想) ⇔ 応募者が多くなり処理が回らなくなる
- 候補者を絞るために、条件を限定した公募を行う
- コミュニティロジックに基づく協調性を盛り込むこともある
- 候補者決定:基本はピアレビュー。