Kezar, A. (2005) Redesigning for collaboration within higher education institutions: An exploration into the developmental process, Research in Higher Education, 46(7), 831-860
- 一般に大学は、協働を支援する構造になっていない(サイロ、管理部門の官僚制・階層性)
- 協働の「障壁」を理解することが重要
- 事例研究として、教員と学生、学際研究・コミュニティベースの研究、チーム教育・学習コミュニティ、クロスファンクショナルチームの4事例を検討する
- 協働を可能にする状況をつくるための8つのコア要素:これらの再設計が必要
- ミッション、統合構造、キャンパスネットワーク、報酬、上位職の人の優先意識、外圧、価値観、学習
- 調査では、個人的な仕事を支援する文化→共同作業を促進する文化へ、組織がどう移行したかを検証する
- 協働の定義:課題領域の自律的な利害関係者のグループが、共有されたルール、規範、構造を用いて、その領域に関連する課題について行動・決定するための対話的プロセスとそれに関与するプロセス
- 協働性の発展を研究した5モデルを整理:Mohrman et al.、Doz、Ring and Van de Ven、Arino and Torre、Kanter
- 各モデルの主要な構成要素は4つ:発展の推進力(学習、関係性、外部条件、評価)、発展の段階、公式・非公式プロセス、初期条件
- Mohrman et al(1995)
- 発展モデルの重点領域:(1)基盤づくり(価値観を明確にして成果を特定、協働プロセスを学習、組織問題を診断)、(2)設計・再設計(チーム設立、支援)、(3)評価
- 発展プロセス:戦略やミッションの再設計→教育・研究内容の変更→協働のためのトレーニング、協働原理に基づく新しい役割・役職・構造変更→協働を支援するためのプロセス変更→報酬設定(協働の動機づけを高めるため)
- Ring and Van de Ven(1994)
- 発展モデルの段階:(1)交渉(期待の共有、信頼構築、交渉)、(2)コミットメント(合意形成)、(3)実行(システム導入)
- モデルの鍵:明確な目標、良好な対人関係、交渉(特に非公式な交渉プロセスが、公式のプロセスよりも重要)
- Doz(1996)
- 環境、タスク、プロセス、スキル、目標等の面での学習が、協働の発展に必要
- Ring and Van de Venよりも学習と公式プロセスが重要
- Arino and Torre(1998)
- 学習よりも人間関係・ネットワークが協働の発展に重要
- Kanter(1994)
- 学習・公式プロセスより、関係性とネットワークが重要
- 初期段階での信頼とインフォーマルな関係性に関連がある
- 調査設計:どのように協働の文脈が生まれ、成長し、実行され、成功・失敗するか
- 学習、人間関係、公式の評価がプロセスの発展にどの程度重要か?
- 必要な初期条件があるか?
- 正式な評価と非公式プロセスの役割は何か?
- Unique case sampling(Stake 1994):事例に共通する特定の特徴の基づいて事例を特定する、その中で出現する特徴的な現象をよりよく理解する
- →様々な分野で高い協働をしている機関を選んだ、少数の優れた協働があっても組織の特徴を反映していないかもしれない
- アンケートで協働の状況を把握し、深さや質に基づいて選定
- エリート機関や大型資金がない一般化可能な機関を選定
- →公立4校を選定
- インタビュー、文書、観察の混合法、書く機関20回計80回のインタビュー
- スノーボールサンプリング(特定の活動ではなく、組織内の多くの人を対象にするため)
- 協力者の記憶に依存するため、プロセスの展開については、対象者の認識を反映したものであることが限界
- 結果
- コラボレーションの3ステージ
- コミットメント構築:外圧、価値観、学習、ネットワーク
- コミットメント:優先順位、ミッション、ネットワーク
- 維持:統合構造、報酬、ネットワーク
- 人間関係は3段階全てで重要、学習と外部環境変化は第1段階で重要、学習は第3段階で重要
- 大学人は目標や報酬よりも、人間関係で動かされる可能性が高い(Birmbaum 1991)
- まずインフォーマルプロセスを重視して、その後に公式プロセスを確立する
- しかし上位職は非公式プロセスに任せられないので、リエゾンオフィスなど、公式インフラを提供する、基盤なしには協働は推進できないのに