2019/04/24

小野寺夏生・伊神正貫(2016)「研究計量に関するライデン声明について」『STIホライズン』2(4),35−39


  • ライデン声明の10原則
    • 定量的評価は、専門家による定性的評定の支援に用いるべきである。
    • 機関、グループ又は研究者の研究目的に照らして業績を測定せよ。
    • 優れた地域的研究を保護せよ。
    • データ収集と分析のプロセスをオープン、透明、かつ単純に保て。
    • 被評価者がデータと分析過程を確認できるようにすべきである。
    • 分野により発表と引用の慣行は異なることに留意せよ。
    • 個々の研究者の評定は、そのポートフォリオの定性的判定に基づくべきである。
    • 不適切な具体性や誤った精緻性を避けよ。
    • 評定と指標のシステム全体への効果を認識せよ。
    • 指標を定期的に吟味し、改善せよ。

2019/04/17

Connecting the Disconnect Between Class Time and Course Readings

  • 事前に文献課題を出し、その前提知識を用いて授業中に知識を活用・適用・援用をする。このような連関は自動的に起こるものか?
  • 多くの学生は、時間外文献課題と授業との接続に困難を感じている。
  • うまく接続するためのアイディア:
    • Reading reflections:リーディングに関する日誌をつけてもらう。最も響いたこと、どう前回・今回の授業と関連するかなど。
    • Reading discussion leaders:学生に順番でリーディングに関する議論のファシリテートをしてもらう。
    • Reading quizzes:リーディングに関するクイズを解く。
    • Model the connections:授業中にリーディング内容に言及する。ハイライトや重要点を示し、授業内容とどう接続しているかを示す。

https://www.facultyfocus.com/articles/teaching-and-learning/connecting-the-disconnect-between-class-time-and-course-readings/

2019/04/16

荒木利雄(2017)「わが国の大学経営における国際競争力向上のためのレピュテーション・マネジメントの役割と意義」『ビジネス&アカウンティングレビュー』19,41-59


  • レピュテーションは大学自らマネジメントできるのか?
  • レピュテーション:ステークホルダによる認知の集積(井上 2005)。
    • 明確なアイデンティティ+それに基づく価値創造能力があることの発信→安定的レピュテーション。
    • →ステークホルダごとの適切な認知の把握・要因分析が必要。
  • 国内2大学でTGU事業担当者(国際担当副学長+RMユニット研究員)にインタビュー。コンセプトマップで因果関係を構造化。
  • 九大RMユニット:国外広報を重視。
  • 偏差値は国内レピュテーションサーベイの結果でもある(広大)。
  • 情報発信ではステークホルダのセグメント化が必要。
    • 学内:インターナルコミュニケーションで大学保有資源の共有。納得性あるデータで定期的に各ステージで対話。
    • 海外:ランキング評価指標の改善。

2019/04/14

吉本圭一・坂巻文彩(2019)「大学における学修成果と質保証のための卒業生調査」『九州大学大学院教育学研究紀要』21,45-72


  • ボローニャプロセス=プログラムの相互浸透性向上→質保証がプロセスからアウトカムへ。
    • チューニング:一般的コンピテンスと専門分野別コンピテンスで学修成果を把握。
    • →日本は学資力や参照基準を作成。
    • ←教育プログラムにおける職業的な関連性を明示する点では分な実証的エビデンスの蓄積が不足。卒業後にそうした知識・技能などが 適切に活用されるのかどうか,検討の余地を残している。
  • 「在学中の就業経験と学習内容の関連度」が高いほど「大学知識の職業での活用度」が高い(吉本 2001 CHEERS調査)。
    • インターンシップ:「働き始める」「職場での学習」「現在の仕事の遂行」という職業生活において有効な準備となっている。
  • 「職業統合的学習 work integrated learning」(Patrick 2009):カリキュラムを中心に構築したIS/PBL/SL。
  • 米国の卒業生調査
    • 30〜70年代:労働問題・キャリアが焦点。アウトカムアプローチ(仕事満足度、専攻と雇用分野の関連性、職場への移行)中心。
    • 80〜:アウトカム+コンピテンシー(批判的思考力・対人関係・職業的スキル)
    • 最近:+エンゲージメント
  • 卒業生調査ウェブシステム:共同IR体制の卒業生調査
    • 九大教育学部:職業統合的学習が有用。
資料として調査票画面

2019/04/04

隠岐さや香(2018)『文系と理系はなぜ分かれたのか』星海社新書


  • 啓蒙思想:普遍的な人間の理性を解放することで、人間は自由となり、自然の支配と社会の変革を実現していけるという考え方。
  • フランスのアカデミー:自然科学は比較的自由な研究を許したが、人間社会に関する研究や思想は王国の栄光に役立つものでなければならなかった。
  • 逆にイギリス・オランダ(新教を選んだ国):言論の自由が保障された。オランダは出版が自由だったため、政治・経済に関する出版と言論の場が確立していく。
  • 百科全書:人間の3つの能力「記憶」「理性」「想像力」で学問を分類。
  • ベルリン大学:国家からの学問の自由を掲げた。
  • リービッヒの実験教育:均質で訓練された研究者集団を短期間で育成できた。一方で幅広い教養を身につけずに卒業する学生を増やした。
  • 客観的な自然観=人間はバイアスの源、神を離れて人間中心の世界秩序を求める立場=人間は価値の源泉
  • 文理の決定的場面:1910年代、中等教育について定めた第二次高等学校令第8条、行動学校高等科を文科と理科にする。大学入試準備段階で2つに分ける方式が定着。日本の大学が法学と工学の実務家養成を目的に作られ、その選抜機関として機能していたため。ドイツ=共通試験に受かればどの学部も選べる、英国エリート大学=数学から古典まで広い知識を競う。
  • 国家建設と産業振興のための分野は国立大学、それ以外の価値観が入り込む分野は高い授業料が必要な私立大学。
  • アカデミックキャピタリズム:大学経営の市場化・自己収入増加+高授業料と教育ローン。

2019/04/03

田村知子・村川雅弘・吉冨芳正・西岡加名恵(2016)『カリキュラムマネジメント・ハンドブック』ぎょうせい


  • カリキュラムマネジメント
    • 各学校が、学校の教育目標をよりよく達成するために、組織としてカリキュラムを創り、動かし、変えていく、継続的かつ発展的な、課題解決の営み。
    • カリキュラムを主たる手段として、学校の課題を解決し、教育目標を達成していく営み。
    • 学校経営と教育課程の編成・実施全体を広く視野に置いた概念。
  • 3つの側面
    • 教科等の教育内容を相互の関係で捉え、学校の教育目標を踏まえた教科横断的な視点で、その目標の達成に必要な教育の内容を組織的に配列していくこと
    • 教育内容の質の向上に向けて、子どもたちの姿や地域の現状等に関する調査や各種データ等に基づき、教育課程を編成し、実施し、評価して改善を図る一連のPDCAサイクルを確立すること。
    • 教育内容と教育活動に必要な人的・物的資源等を、地域等の外部の資源も含めて活用しながら効果的に組み合わせること。
  • カリキュラム
    • 学校教育における児童生徒の経験の総体。計画、実施、学ばれたものを含めて広くとらえる。
  • 教育課程
    • 学校の教育活動全体の基幹となる計画。
  • マネジメントの視点
    • 目標設定、内容の組織、授業時数の配当。

2019/04/01

ピータース,G.(土屋光芳訳)(2007)『新制度論』芦書房


  • 旧制度論
    • 法律主義:法律が統治の中心的役割を果たす。
    • 構造論:構造が行動を決定する。
    • 全体論:法律を含めシステムを比較分析する。
    • 歴史的分析
    • 規範的分析:善い政府への関心。
  • 新制度論:行動論と合理的選択論(=文脈主義、還元主義、功利主義、機能主義、道具主義)への批判として誕生。
  • 新制度論のルーツはマーチ・オルセンの規範的制度論
    • 制度は公式構造ではない。規範・ルール・理解の集合。一番重要なのはルーチン。
    • 特に重要な概念:制度は「適切さの論理」を持つ傾向がある。(これは個人の行為を形成する結果の論理以上に行動に影響する。)
      • ex. 消防士は死を覚悟しても炎に入る。
      • 個人の行動の動機が制度的価値である時、行為は意図的であるが自由意志ではない。
    • 制度が存在する→どの程度画一的である必要があるか?(ex. 組織文化は単一組織内に多層な文化がある。中には支配文化と直行するものもある。)
    • 制度は制度を構成する社会から生まれる。個人は制度を結成する時、社会の一員であることによってあらかじめ社会化されている。
    • 組織内の文化が均一になることはない(直行文化も適切さの源泉)。
  • 合理的選択制度論
    • 単一の実態があるかの議論。
    • ルールとしての制度:ルールの利用を命令・禁止・許可の手段とみる。
    • 制度=メンバーがその構造への帰属から引き出す便益と引き換えに遵守に合意したルールの集まり。
    • 制度間、個人制度間の相互行為はPAモデル。
  • 歴史的制度論
    • 変動の予測能力がない。
    • 組織の誕生時に行われた意思決定の絶対優位を擁護する傾向がある。
  • 経験的制度論
  • 社会学的制度論:合理的選択アプローチの代案
    • 個体群生態学モデル:ニッチの存在の説明と、若すぎる年を取り過ぎた組織の消滅を説明した。
    • 同型化:制度は意味体系。組織行動、組織内の個人行動は制度の意味内容とその象徴操作に依存する。
    • 堆積化:今の慣行は過去に根がある。
    • 制度は社会行動に安定と意味を与える認知・規範・規制の構造と活動からなる。