古田成志(2012)「組織変革メカニズムにおける研究の再整理」『商学研究科紀要』75, 13-31
- 組織変革は避けて通れない経営課題・研究課題:変革か滅びるか。厳しい競争環境が原因。
- 組織変革メカニズム研究は議論が乱立、発展途上領域。→ 分類して体系づける。
- 組織変革(org changeまたはorg transformation):現状から理想的な状態へ変化する
- 「組織の主体者が、環境の変化がもたらす負k図圧制の中で行う組織の存続を確保する活動」と定義(大月 2005)。← これを説明する仕組み=組織変革メカニズムと定義。
- Weick 1979:組織進化(org evolution)の概念を含めて議論される。
- Nelson & Winter 1982:組織進化を、組織内ルーチンが外聞環境の変化に対応してどのように変化していくかという視点で捉えている。
- Van de Ven & Poole (1995) の組織変革メカニズム研究分類
- ライフサイクルモデル:創始・成長・収穫・衰退の4段階で説明
- 目的論モデル:組織は目的を持ち適応力を備えると想定。
- 弁証法モデル:組織内外のコンフリクトに対処するためのメカニズム(テーゼとアンチテーゼが対立するから統合できる)。
- 進化論モデル:変異・淘汰・保持による継続的循環で組織変革が起きる。
- Armenakis & Bedeian (1999) の組織変革分類
- コンテクスト研究:組織内外の環境にソンジアスル力や状況に焦点を当てる。
- プロセス研究:意図された組織変革を規定することで引き起こされる行動を検討する。
- コンテント研究:組織変革において組織内の要素に焦点を当てる。
- コンテクスト研究
- 組織内コンテクスト:メンバーの信念、態度、意図、行動に影響を及ぼす組織の状態。
- 組織外コンテクスト:社会、政治、企業を取り囲む競争環境。
- → 環境が所与となって組織変革を促すメカニズムと定義。
- 背景にコンティンジェンシー理論がある:環境→組織→成果という基本図式に則り、組織成果は環境と組織構造の適合度に依存すると想定。
- 組織内でどのように変革が行われるかは明確でない、組織内のどの要素が変革されるか明確でないという2つの限界がある。
- プロセス研究
- Lewin (1947) の解凍・移行・再凍結の3段階モデルから発展。構想化・活性化・実現可能化が3段階モデルの代表例(Nadler & Tushman 1989)。
- その後4段階モデルに発展:危機・転換・移行・発展(Merry 1986)。創始・不確実性・転換・ルーチン化(Quinn 1996)こちらの方がプロセスをより多面的に検討している。
- 組織内のどの要素が変革するのかには触れていない限界あり。
- コンテント研究
- 組織内の要素に焦点を当てる:組織内の要素によって変革するメカニズムと定義。
- 背景命題は、組織は戦略に従う。
- 組織構造に焦点を当てた研究:Miller & Friesen 1982:構造変革において不確実性の減少、分化、統合に注目、3要件の変革が多大であるほど、財務面で成功。
- 戦略に焦点を当てた研究:戦略変革モデルを、(1)合理的モデル(環境と組織の状況から戦略変革が実現する)、(2)学習モデル(系絵主体が環境と組織を段階的に精査することで戦略変革が実現する)、(3)認知モデル(経営王位に影響する認知を強調したモデル)、(4)統合モデル(3モデルの利点を統合)。
- 組織と組織構造の関係をコンフィギュレーションとした研究:戦略を5分類(ニッチマーケッター、マーケッター、イノベーター、コストリーダー、コングロマリット)、組織構造を4分類(単純、機械的官僚制、有機的組織、事業部組織)、それぞれの組織構造がどの戦略と適しているかを明示。
- 3つの限界:要素の変革プロセスが十分検証されていない、戦略・組織構造以外の要素が考慮されていない、環境が関わるのでコンテント研究のみの分類枠組みで説明できない。
- 従来の研究を組み合わせると、コンテクスト・プロセス、コンテクスト・コンテント、プロセス・コンテント、コンテクスト・プロセス・コンテントの4枠組みができる。
- コンテクスト・プロセス研究:環境によって組織が段階を踏んで変革する点を説明(組織進化モデルを適用)。
- Weick 1979:生態学的変化・イナクトメント・淘汰・保持の4段階で進化。
- 藤本 1997:変異・淘汰・保持を適用。分析レベルでは個人とシステムが混在。それでも環境と組織進化モデルの関係を示した。
- コンテクスト・コンテント研究:環境によって組織内の要素が変革する点を説明(断続均衡モデルを適用)。
- 断続均衡モデル:長期にわたる小規模な漸進的変革が、短期間に渡る不連続変革によって中断されるモデル。3つの概念で構成される。
- 収斂プロセス:漸進的変革を通じて、組織の全体戦略方針を支える社会政治的・技術経済的活動の複雑性を整理し、一貫性を取るプロセス。
- 再編期間:一貫性のパターンが根本から再秩序化される期間。
- 経営者のリーダーシップ:組織変革に対する抵抗力と推進力おw仲介させる。
- プロセス・コンテント研究:組織内の要素が段階を踏んで変革する点を説明。
- Kotter (1995):8段階で提示:危機意識の醸成・変革を推進するグループの形成・ビジョンの創出・ビジョンの伝達・メンバーへビジョンに基づいて行動するよう促進・短期的成果の計画と創出・改善を強化しさらなる変革を算出・変革の制度化と定着化。
- Mintzberg & Westly (1992):発展・安定・適応・苦闘・革命の5段階で進む。
- コンテクスト・プロセス・コンテント研究:環境によって組織内の要素が段階を踏んで変革する点を説明。