Gioia, D. and Thomas, J. (1996) "Identity, Image, and Issue Interpretation: Sensemaking during Strategic Change in Academia," Administrative Science Quarterly, 41(3), 370-403.
- 今日の環境変化=意図された変化のために,高等教育機関がビジネス指向になっている。
- 戦略的と言いながら,ビジネスのような戦略的ではない。
- これは利益のようなベース指標がないことも関係する。=何が大学の競争力かの判断が主観的にならざるを得ない。+ ランキングが台頭。
- → 組織イメージが重要な戦略要素になる(?)
- イメージ・アイデンティティは,先行研究が指摘するほど強固でない。(戦略が変わってもアイデンティティは変わらないか?)
- 変化を起こすには,構成員の解釈枠組みを変える必要がある。
- = 新ビジョンに合致する新しい取組(=既存解釈と不整合の取組)は既存イメージ・アイデンティティを揺るがす。
- イメージ・アイデンティティのシフトと,それが問題解釈に果たす役割が本論の中心課題。
- RQ:戦略的変化に取り組む際,TMTはどのように問題を解釈するのか?
- TMTの追う戦略・情報処理構造は,センスメイキング活動に影響される,
- TMTの組織アイデンティティ解釈は,組織レベルの課題を解釈するのに用いるレンズによって構築される,
- 組織課題は,機会/脅威で認知されるのではなく,戦略的/政治的カテゴリーによって認知される。
- 外部環境だけでなく,内部文脈も課題解釈プロセスに影響する。
- 戦略=組織の意図の宣言。← TMTの重要課題の解釈に影響されたもの。
- → 戦略=組織がイナクトした環境の重要な要素。
- イメージ・アイデンティティ=認知レンズ
- ここで注目するのは,TMTの組織アイデンティティ。特に,戦略変化の文脈における組織アイデンティティ。
- → 組織アイデンティティは,TMTの情報処理プロセスや重要課題解釈を移す鏡となるから。
- 戦略変化=通常,TMT+メンバーの解釈枠組み変更を意味する。
- 問題の認識
- 戦略的か非戦略的で重要なものの2カテゴリーで認識。
- TMTの解釈枠組み=間主観的に構築された物事を理解する枠組み。
- 研究デザイン
- 3名のTMT,6ヶ月面談,戦略変更に関わった期間,エスノグラフィ,1名質問者でもう1名は記録者,24時間ルールで初期分析,他大学の11TMT周辺スタッフも調査,会議資料等も収集。
- 分析カテゴリーの設定が詳細。
- 印象分析(Van Maanen 1988)。
- 課題解釈
- 戦略的/政治的の2分類,戦略的=最も重要の意。
- 戦略的課題:トップ10研究大学につながると解釈した課題。← ずいぶん主観的(=ビジネス型の情報処理ではない)。← にもかかわらず,各部局を平等に扱うなどはしない。
- 戦略的課題:本人たちは3本の支柱原理(公的財源増加,私的財源増加,戦略プラン)を主張しているにもかかわらず,主観的情報処理。
- 政治的課題:トップ10に関連するが,競争的な関心に関するもの。たとえば,学生参画。
- トップ10達成に学部がたいした役割を果たさなくても,学部を無視できない。
- 学内外の関係者がトップ10構想を受け入れないと,戦略変更の努力は実を結ばない。→ TMTは影響力のある言葉を選んで使用する。
- 戦略的カスケード
- マイノリティの入学=政治的課題,→ 将来急増するマイノリティ入学への対応と定義して,戦略的課題に。
- トップ10=戦略的変化を生み出すシンボルとして機能。← TMTも構成員も曖昧な定義であることを認知(現実的でないという声も)。
- 組織アイデンティティ:TMTは現状を保守的と判断して,トップ10をそれを動かすてことして使用。
- ここまでの結論
- アイデンティティとイメージは課題解釈に個別に関係する。
- トップのイメージは政治課題解釈に関係する。
- 望ましい将来像は戦略的課題解釈に関係する。
- センスメイキング
- TMTが問題を重要と認識する際に注目すること:戦略と情報処理構造
- 戦略:既存の戦略が,何に注目するかを特定している(それはそれですごい)。戦略は注意を引くためのデバイス。
- 情報処理構造:データベースの意思決定をする(以前は直感の意思決定)。
- ここまでの結論
- 戦略と情報処理構造が問題解釈に関係する。
- 戦略は,戦略的課題の解釈と関係する。
- 情報処理構造は,戦略的課題・政治的課題両方の解釈と関係する。
- 戦略と情報処理構造が組織アイデンティティ・イメージに関係する。
- イメージとアイデンティティの認識は,センスメイキングと課題解釈の関係を部分的に媒介する。

- 含意
- まずアイデンティティが変わらなければ,組織の中心的な質が変わらない。
- 望ましい将来像は,既存のアイデンティティを変えることができる。
- ← イメージとアイデンティティの関係。アイデンティティ形成装置としてのイメージ。
- TMTは組織外よりも組織内のセンスメイキングによって解釈している。
- 課題が意図的・主観的変化をつくるなら,基盤的な組織特性が変わらないといけない。
- 構成員が望ましいと思う将来像を示せれば,変化につながる。