渡辺伊津子(2013)『二重性のダイナミクス: 組織変革の構造』白桃書房
- マトリックス組織が有効となる環境状況
- 2つ以上の組織編成原理が必要とされる外的圧力の存在
- 外部環境の不確実生や課業の複雑性・相互依存性のために,高度の情報処理能力が必要とされる場合
- 規模の経済性や高い業績達成のために,資源の共有が必要とされる場合
- 革新のジレンマ:創始と実施の間で起こるジレンマ。
- 革新のジレンマを克服する3つの二重組織
- マトリックス構造:構造の柔軟性で対応する
- アドホクラシー:人間の柔軟性で対応する
- 人間自体の多様性を増大させて対応力を確保する。創始と実施が同じ個人・グループで行われるので2つに分かれない。同じ人間が研究と製造を行うなど。
- ストラトクラシー:プロセスの柔軟性で対応する
- マトリックス組織が狙う水平的コミュニケーションやチームワークを強調するマトリックス行動を重視。マトリックス構造=職能部門組織の上に水平関係を構築(市場への対処が中心) ⇔ ストラトクラシー=製品事業単位間に活動を調整する水平関係を形成(資源(効率・技術)の共有が中心)。
- スイッチング=組織内のさまざまな状況変化を感知し,認知モードを切り替えること。
- 人間の認知構造は,あれかこれかの二項対立的に認知する傾向があり,スイッチングの阻害要因である。二重性の問題を解決するには,二分岐思考から自由にならないといけない。
- これを乗り越えるには,組織を構造でとらえるのではなく,プロセスの観点から捉えるプロセス思考に依拠したアプローチをとらないといけない。
- 二重性問題の解決する=組織を対立する要素を建設的なものへと絶えず作り変えていくプロセスとして捉える必要がある。
- マトリックス組織は,メンバーの相互作用で生まれるコンフリクトに圧倒されてマトリックス行動を創出できない。
- 建設的論争をするには,意思決定プロセスの政治家を避け,公式の論争管理の制度を入れることが有効。
- マトリックスマインド=組織をプロセスの観点から捉える思考様式。全体の流れに依拠して自らの役割・なすべきことを理解し,その当事者として責任を全うしようとする態度。
- これを促すマネジャーは,コミュニケーションの交点に位置し,論争やコンフリクトを調整する存在であるため,パワーの源泉として仕事に関する専門知識,対人関係処理能力,論争を解決する能力が求められる。