- どのようなリーダーとのやり取りを通じてフォロワーが明確についていく意思を持つようになったのかを明らかにすることは,リーダーシップを理解するにあたって重要な視点となる
- Leader Member Exchange:(1)構成要因とそれらの関係からなるシステムであり,(2)メンバー間の二者関係を包含する,(3)行動における相互依存のパターンを包含する,(4)互いの成果への手段を共有する,(5)環境・因果マップ・価値観に関する概念を作り出すことである(Scandura, Graen and Novak 1986)。
- リーダーシップの2大分類(Burns 1976):(1)社会的交換(影響力を受け入れる代わりに何らかの報酬を得る),(2)変革型リーダーシップ(リーダーの目指す目的に自発的に参加する)→ カリスマ・モチベーション鼓舞・知的刺激・個別配慮の4要因がある。
- フォロワーのリーダーシップ認知プロセス研究:2つの認知過程がある
- 再認過程(recognition-based process):リーダーの働きかけ→LS発揮を判断→自分の暗黙のLS像と照合→合致する場合にLSを認知
- 推論過程(inferential process):リーダーに関する出来事(組織内の成功や成果)を何らかの媒体で知る→LSがあるかを解釈する
- リーダーシップをフォロワーの能動的な意識の変化を促すリーダーの行為とみなすアプローチでの研究:フォロワーがこれまでリーダーと認めた人物との経験を懐古的に振り返り,そこからどのような出来事を通じて意識が変化したのかを語りを通じて解き明かす
- 小野(2002):部長と若手社員,人事業務に関する禅問答的問い,部長の意図は考えを深めてほしい,育成行為がフォロワーにLSとして認識された
- 小野(2007):債権請負人が結果的に業務を効率化させてLSを認識する
2014/11/19
小野善生(2009)「フォロワー視点によるリーダーシップ研究の可能性」『組織科学』43(2),27-37
2014/11/18
Matzdorf, F. (2010) "Benchmarking the Business Performance of Departmental Space in Universities," European facility management conference 2010: 9th EuroFM research symposium
- 5大学の43学部についてデータ収集
- 学部はビジネス・工学・人文社会科学・保健医学・教育・理学の6分野に分ける
- これらについて以下の学部ごとのデータを得る(*は最低限必要なデータ)
- 施設面積(教室,事務室・会議室,研究室,スポーツ施設,コンピュータ室,その他)
- 総面積*
- フルタイムスタッフ数*
- 学部学生数
- 大学院学生数
- 外部資金獲得額*
- 授業料収入*
- その他の収入*(一時収入,研究プロジェクト,特別プロジェクト,自己資金調達)
- 上のデータを用いてDEA実行
- 単位総面積あたりの授業料収入・学部資金獲得額を縦軸,単位面積あたりの研究費収入を横軸にしてプロット,フロンティア描画
- 単位面積あたりの数値を使う以外での含意は少ない
2014/11/17
Fekadu Mulugeta, "Institutional culture and sub cultures and Vision, mission and objectives alignment the case of Addis Ababa University, Ethiopia,"
- Organizational Culture Assessment Instrument(Cameron and Quinn, 1999)を使って学内調査
- 学内12学部の282/328人の教員が回答
- 現状評価はHierarchy(ControlとInternal focusの合成ベクトル)
- 理想はClan(FlexibilityとInternal focusの合成ベクトル)
極めて単純な分析。
2014/11/14
Wilkins, S. and Huisman, J. (2014) "Factors affecting university image formation among prospective higher education students: the case of international branch campuses," Studies in Higher Education,
- UAEの高校2・3年生を対象,UAEには2012年次点で37のブランチキャンパスがある)
- 466→384/796質問紙調査+23人(インター校4校)の質的調査
- 質問項目は41(うち8項目は属性),7件法で回答
- 特定のブランチキャンパスについて,全体的な印象に影響を与えると思う程度を聞く
- 項目の例:ウェブサイトの情報,オープンキャンパスで得る情報,キャンパスの立地,本国キャンパスの歴史,現役生や卒業生からの評判,進路指導教員のコメント
- 調査項目を因子分析にかけて,近い人からの推薦,大学の広報,現地校の特色,ブランチ校の特色,本国校の威厳に分類
- Significant other の大,プロを雇ってブランディングなどをするが,その費用対効果は小さいと見る。
2014/11/13
JUAN DE DIOS JIMÉNEZ1 and MANUEL SALAS-VELASCO (2000) "Modeling educational choices. A binomial logit model applied to the demand for Higher Education," Higher Education, 40, 293-311.
- ある大学のビジネス学部の1年生
- 4年生学位か3年生学位かを選択する(Y=1 or 0)?入学試験時にどちらを要求したか?
- 説明変数は単純:性別,卒業後公共部門で働きたいか否かダミー,入学時スコア,プルタイムダミー,過去に修了しなかった学位があるか否かダミー,父母の学歴,家計所得,キャンパスエリア外ダミー,自宅生ダミー,奨学金ダミー,投資動機ダミー,就職見込みダミー
短大と四大を迷うケースでの分析に応用可能。
2014/11/12
MANUEL SALAS-VELASCO (2006) '"Private returns to an university education: An instrumental variables approach," Higher Education, 51, 411–438
- 4種類の賃金関数を推定
- 通常のミンサー型賃金関数
- ミンサー型に学歴を内生変数とした場合
- 説明変数ベクトルに多数の変数を投入するもの
- さらに学歴を内生変数にする場合
- 大学が行う独自調査によって卒業生の労働時間と収入を得る
- 結論は通常のモデルでの収益率が7%,操作変数を使うモデルでは13%になる
2014/11/10
松下佳代・田口真奈(2012)「大学授業」『生成する大学教育学』第3章
- 教育から学習への背景:ユニバーサル化と学生獲得競争。
- 学習論では,学習は自己・対象・他者の3つの構成要素から成ると考える。
- ヘンダーソン(1992)の民主主義的な生活のための教育の3つの学び:教科学習・自己学習・社会的学習
- エンゲストローム(1994)は,上のつを主体・対象・共同体ととらえた上で,それらを結びつける媒体に道具・分業・ルールがあるとした。(道具には言語や記号を含む)。
- 授業を構想するときに,プログラム(4年)・コース(半期)・授業(1コマ)があり,コースデザインは主に2番目を指す。
- その時に大事なのが単位時間の考え方。
- 学習ピラミッドは,内的活動と外的活動が分けられていない。(コピペで作った発表課題など)。
- 内的活動に着目すると,深い学習と浅い学習がある。ただし,これは学生の学習へのアプローチを分類したもの。深い学習は高等教育の目標とされる。(高校までに浅いアプローチを身につけているため。)
- 講義は何を話すかという内容の組み立てに関心を払うが,学生のどのような学習を生起させるかの発想が希薄。
- 教育技術は,(1)条件通りやれば常に再現できる(板書を真っ直ぐ書く方法),(2)器具・方法・注意事項を明記し図や写真を添付すれば輸出可能な技術(対流を調べる際の実験方法),(3)教師と子供・施設などの条件との相互作用を持ち直ちに輸出できないものに分けられる。
2014/11/07
水越敏行・木原俊行・田口真奈・吉崎静夫(2012)『授業研究と教育工学』ミネルヴァ書房
- 授業研究の目的
- 授業改善=授業デザインを基盤とする授業改善モデル:授業デザイン・授業実践・授業評価・授業改善創造の4フェーズからなるサイクル。
- カリキュラム開発
- 教師の授業力量形成:自分の実践から学ぶ(直接学習)・他の人の実践から学ぶ(観察学習)×指導者のアドバイス・同僚と(協働学習)・一人で(個別学習)
- 授業についての学問的研究の進展のため
- 授業研究の方法
- 行動主義アプローチ:授業での教師・生徒の行動の観察を分析し,行動と授業成果の関係を明らかにする。
- 認知主義アプローチ:教師と生徒の内面過程(思考・理解・感情)に注目,行動主義アプローチで十分説明できない課題を明らかにする。
- 社会構成主義アプローチ:グループ学習の分析,知識は学習者間の関係性を通して創出される。
- 教育工学アプローチ:システムアプローチ・アクションリサーチにより,授業を多様な構成要素からなる一つのシステムとみなして,PDCAサイクルを通した授業改善を行う。
- 授業研究の領域
- 授業設計:授業デザイン,コメット法,目標分析,教材分析,学習者分析,子供の思考過程のモデル図,学習指導案,学力
- 授業実施:教授行動,学習指導法,TT,協調学習,教授スキル,教師の意志決定,教師の認知,学習行動,学習スキル,子供の思考・理解,子供の学習意欲,授業ルーチン
- 授業分析・評価:授業コミュニケーション分析,カテゴリー分析,自由記述法,カード構造化法,評定尺度法,授業記録,日誌法,座席表,授業の相関分析,線結び式授業の内容分析,再生刺激法,相対評価,到達度評価,ルーブリック,真正な評価,ポートフォリオ,自己評価
- 授業改善:PDCA,授業改善視点表,ワークショップ,授業検討会,授業カンファレンス,リフレクション
- 学習環境:ICT,インターネット,電子黒板,テレビ会議,タブレット,ネットワーク,メディアラボ,ラーニングセンター,デジタルコンテンツ,オープンスペース
- 教師の授業力量形成:教師の成長,校内研修,同僚性,実践知,メンタリング,コーチング,マイクロティーチング,机上授業
- 授業研究の方法:アクションリサーチ,システムアプローチ,VTR中断法,外言思考法,再生刺激法,シミュレーション法
- 授業力量の3層モデル:信念・知識・技術。見えない信念と見える技術を知識が仲介する。
- 信念の具体化には,知識が必要。その領域は,教材内容,教授方法,生徒の3つ。それらは省察を通じて拡充される。
- 個性を持つ対象の学びを充実させるためには,マニュアルほどの具体性を持たないガイドラインを遵守した上で,裁量権の大きさを活用して個別の授業をつくるのが教師。
- 教師は孤立しやすい
- 教室が物理的に閉じられ,同僚と接する時間が少ない。
- 授業に関する価値観が多様なため,どのような実践もある見地からは何らかの問題を有する。よって,教師は授業を開示することを回避しがち。
- 大学教育の特色:伝達される知識が生成途上にあること,対象が青年期以上のため教師との関係が相互性に近づく,時間と空間の統制が最小限。
- ユニバーサル化=学問の倫理から教育の論理への移行が必要。
- 学問の論理=技術の巧拙など問題でなく,内容の学問的水準のみが善し悪しを決める。
- 教育の論理=学生が理解できないのは教え方が下手。
- 前者は既に60年代に崩壊,70年代末に深刻化,90年代の進学率上昇と大綱化(山内 2002)
- 大学教員の資格要件:大学における教育を担当するにふさわしい教育上の能力を有する(設置基準14条)。
- CAP制が機能するためには,学生が自らカリキュラムを組むことができる能力を身につけていることが前提。そのためのキャリア教育・初年次教育も必要。
- FD活動の中核は,大学教育の目標設定。大学の教育目標自体が曖昧,FDは手段であり何を改善するかという目標がないところで手段の実行を要求しても意味がない。
- Shulmanのティーチングの3種類の知識;教授法に関する知識,内容に関する知識,内容を効果的に教授するための知識,3つめが大学において重要。
- 公開授業の類型化:啓発型,モデル伝達型,ファカルティ連携型(他科目の内容を知る),リフレクション型,ネットワーク志向型(共同体づくりを志向)。
2014/11/06
「教養教育の再考」『IDE現代の高等教育』No.565
- 教養教育の実施状況:(1)人文・社会・自然・第二外国語・保健体育は減少,(2)オーラル英語・情報リテラシー等スキル系の必修化が高まる,(3)初年次・大学適応教育,文章表現・プレゼン科目の増加 → 教養教育のスキル化・リメディアル化(吉田)
- 後期教養教育(レイト・ジェネラリゼーション):自分の専門を,もう一度教養の広がりの中に置き戻し,全体的な学問の見取り図の中で見直す作業。
- リベラル・アーツは「ディシプリンを持った専門科目」(舘)。ディシプリンとは,「ある現象について理解するために,ひとつの規則の体系や慣習,決まった方法に当てはめることを教えるもの」(Handbook of Undergraduate Curriculum)。
- ある調査をする場合
- ある体系に当てはめながら,その現象を確立された用語・定義・概念で分類する。
- 知識とは何か,知識を得るためにはどうしたらよいかを理解する概念的枠組みを提供する。
- ディシプリンに基づく思考とは,様々な概念・定理・規範・原理をひとつの論理的な構造に仕上げていくこと。
- 大学教育の大きな3つの流れ
- 職業教育:中世以来の基本機能(神・法・医)+(工・農・教,19c〜)。
- 学術専門教育:ベルリン大学
- リベラルアーツ:オックスブリッジ,リベラルの意味は貴族・富裕階級(階級にふさわしい技芸)
- アメリカの大学教育はリベラルアーツを受け継いで形成された → 19世紀にドイツ型・学術型が入る → アメリカの伝統は人格教育を捨てられない → 20世紀は知識吸収に加え,経験を重視する人格形成に注目する(デューイ) → リベラルアーツの新しい解釈 = 解放志向:広く新しい知識を得て人格を成長させる,少数エリートだけでなく,広い社会への視野
- その後,教養教育の可視化が求められる = アウトカムの計測
2014/11/05
大阪大学ショセキカプロジェクト(2014)『ドーナツを穴だけ残して食べる方法』大阪大学出版会
- 次元とは,異なる方向により位置を記述したもの。身長,体重,腹囲,視力,血圧で身体検査をすることは,5次元空間の中において人の集合を考えること。
- 歴史家がとるミクロ的アプローチは,与えられた前提を正しいものと認めた上で,その事柄をさらに深く分析する手法(なぜドーナツには穴が開いているのか)。マクロ的アプローチは,与えられた前提そのものを疑いの目で見て,そこから新しいものの見方を出す手法。
初年次セミナーのプロジェクト成果。アプローチはすばらしいが,越境できていないことがおしい。
2014/11/04
中島隆信(2009)「サービス産業の生産性」『マクロ経済と産業構造』第9章,シリーズ「バブル/デフレ期の日本経済と経済政策」第1巻,289-321
- 消費と支出が等しくなっているからといって耐久性がないと決めつけるのは早計である。たとえば,歯科診療を例に考えてみよう。患者は診察を楽しむために歯科医のもとを訪れるのではない。歯の健康を一定期間保つために訪れるのである。すなわち,歯科診療サービスには物理的に耐久性がある(Hayashi 1985)。
- 医療・美容・教育などのサービス消費はサービスストックへの投資という側面をもっている。
- サービスをストックと考えると,その価格についても建物や設備といった資本財の価格決定理論がそのままあてはまり,資本財の価格は,資本ストックが将来生み出すであろう収益を現在価値に割り戻したものとして解釈される。
- 資本財の収益性が高まれば価格は上昇し,低くなれば下落する。同じことがサービスにもあてはまる。対消費者サービスストックの場合,その価格は消費者が将来にわたって受ける便益の現在価値に等しくなっているはずである。
- 高度な機能をもつ PC の価格が通常の PC よりも高いのと同様,10 年生存率の高いガン治療の価格が低い治療よりも高くなるのは当たり前といえる。
- ただし,ストックの収益性には外部効果が働きやすい。高速道路が整備されれば自動車の収益性は高まり,知力を発揮できる場がないと教育サービスの収益性は低くなる。
- サービス業についてこうした考え方が必要とされる理由は,料金の変化をそのまま価格の変化とみなして実質系列を求めるためのデフレータとすることについて疑問が存在するからである。サービスに対する消費者の評価が高まった結果として価格が上昇したのであれば,それは単なる「値上げ」ではない。しかし,値上げと見なして名目生産額をデフレートすると結果,実質アウトプットの過小評価につながるおそれがある。これはサービス産業の生産性指標に直接影響を与える。
2014/11/03
寺尾敦(2012)「ICTを活用して深い学習を支援する」『コンピュータ&エデュケーション』33,28-33
- 深い学習とは,「新しい事実やアイデアを批判的に検討し,それを既有の認知構造に結びつけ,アイデア間に多くの結びつきを作る」学習である。
- 深い学習の達成は,学習の転移, 知識の保持,誤概念の除去,獲得した知識を自分の言葉で説明できることなどによって示される。
- 講義形式に対する批判があるが,本質的な問題は形式ではなく受動的なく学習にある。講義は受動的になりやすいが,深い学習を行えないわけではない。ALが深い学習を保証するわけでもない。
- 教師の説明・理解確認・理解深化・自己評価の 4 段階で構成する「教えて考えさせる授業」は,伝統的な授業方法とALをうまく組み合わせた方法。
- 具体的には,自動化されたシミュレーションを実行する前に,手作業によるシミュレーションを行った。コンピ ュータに任せる部分を段階的に増加させてシミュレーションを繰り返した。手作業によるシミュレーションは, 現象を観察する時間を十分に確保できるため,学生はさまざまなことに気がつく。実験結果の予測を行うことや,友人同士で実験結果を比較することも,こうした気づきを促すと考えられる。観察された現象の一般性を知るためには,シミュ レーションを繰り返す必要がある。コンピュータ・シミュレーションの必要性を理解し,シミュレーションの結果をどのような観点から観察するのかを明確にした上で,自動化されたシミュレーションを提示した。
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