吉田新一郎(2005)『校長先生という仕事』平凡社新書
- 学校教育法上,校長は管理者・監督者。設置義務者の教育委員会に代わって管理するための規則しかない。人事権は校長になく,職員会議は校長事務の円滑な補助という位置づけ。教え方の改善・研修は項目になく,誰に研修の責任があるかも不明。
- 校長になるための事前の研修はなく,役割を果たすための研修が昇任後にあるのみ。当然,実力もリーダーシップも多様。
- 日本では3年で校長が替わるが,外国から見ればそれで学校を良くできるわけない。
- 研修は美しいあるべき論を語るために不評,リーダーシップに注目が集まるが,現状の資質や力量が考慮されないため,独裁経営と勘違いする者もいる。
- 継続的な学びでは,本を読むことが重要。
- 同僚性は,実践について話し合う,相互に観察し合う,カリキュラム(授業・単元)を一緒に作る,互いの教え合うという4つを実践した時に生まれるもの。日本の職員室ではそうしたことがなく,部屋の設計もそのようになっていない。
- チームはぞんざいに作っても機能しない。外国では基準を明確にした上で,校長が教員を連れてくることができるが,日本はそれができない。表面上馬が合うよう装うことは相当のエネルギーを使い,子供の学びに関心を向ける力が残らない。
- リーダーは立場,リーダーシップはスキルや資質。いいリーダーは,その人の存在さえ知られずに,自分たちがやったんだと言える人。
- ビジョンは作る課程の方が大事。校長が必要と思わなければならないが,一人で書き上げるものではない。
- 変化にまつわる誤解
- 変化は上から押しつけることができる:賛同も納得もしないことをすることは困難
- 変化はイベントである:変化はプロセス,意図や中身が伝わることの方が稀
- 問題はない方が良い:問題がなければ学べない,問題発見・問題解決能力の方が重要。試すことが許されない,意見の相違を避けるのが学校の特徴。
- 仲間作りを省く:目標が明確でリーダーシップがあれば変革できる者ではない。仲間を広げる地味な努力こそが重要。
- 変化の原則
- 影響を受けるものが意志決定に参加すること。
- 学校を変えることは,中にいる人を変えること。
- 変化への抵抗を当然視し,プラスに活かす方法を考える。
- 文化の転換こそが重要。それには大量のコミュニケーションと強い信頼関係が不可欠。
- 会議には振り返りの時間をあらかじめ組み込んでおく。参加して良かったこと・悪かったことを無記名で集める。
- 協力・信頼関係は,教職員が一丸になって気づく必要はない。言いたいことが言え,自分をさらけ出せる数名のチームでプロジェクトに取り組めればよい。
- プロ教師は,教えることよりも学ぶことを重視する,大切な中身に生徒が主体的に取り組むことを重視する,自分のすることではなく生徒がすることや作り出すものに焦点を当てる,常に同僚と協力する,研究の成果を使いこなす,リーダーとして機能する。
- 多様な研修:交換日記,相互観察,読書サークル
- 自分の判断で使えるお金があることは,プロとしての第一歩。