2010/11/04

高間邦男(2005)『学習する組織 現場に変化のタネをまく』光文社新書


  • ここがだめだ、あれが足りない、という話し方は自分を守りながら攻撃しているので、本人が受け身の場合が多い。組織をこうしなければならないという話し方は、本人が主体的である場合が多い。
  • GEは、Q×A=Eと表現した。どんなにクオリティが高くても組織のアクセプタンスがなければ、エフェクトは出ない。
  • メンバーの目標がよく書けている組織は、全員がよく書けている。一人だけという組織はほとんどない。
  • どうしたらいいか?と訪ねて、気合いが足りないとか、この資料を見なさいと、自分の枠組みで瞬時に答える人は、ダウンローディングといい、自分の経験則でしか動けず、変革が難しい。そうか、何が起きている?と探求させる問いを出せないと、周囲の人は否定されたり拒絶される恐れを感じる。
  • 誰でも承認されたいが、自分のエゴを押さえられる人でないと、人がついてこず、協働がうまくいかない。
  • 課題への取り組みは、ギャップアプローチとプラス思考アプローチがある。前者は、アウトサイドインとも言い、なぜなぜとトヨタ式に探る方法、後者はインサイドアウトとも言い、どうありたいか・どうなったらいいかというメンバーの気持ちや感情からスタートしてプロトタイプを実験する。
  • 意識や覚悟を合わせるところに時間をかけ、それが定まったら素早く実行する序破急が望ましい。失敗している組織は、急序破、焦って決め、メンバーに理解されないために実行が進まない。
  • 変革とはシステムを変えること。勉強するを勉強移管という変数でとらえて、勉強時間を増やす工夫は改善、気づきの度合い・関心度合いと目的変数を変えることが、システムを変えること。エクスターナルシステムの変化に合わせてインターナルシステムの変数を変えることが変革・イノベーション。しかし、多くの組織でエクスターナルシステムに対するセンサーが働かない。この感受性は、内部に対する感受性が高まるにつれて高まる。イノベーションを実施するなら、内部の組織のことを知ることから始める方が良い。
  • エンゲージメントとは、組織と個人が対立でなく一体で互いに成長する関係を言い、これは、個人の貢献感、適合感、仲間意識の3つが重要な要因。
  • 自分らしい働き方には、変化創造志向、指揮管理志向、分野固定志向、自由奔放志向、マルチ志向、奉仕志向、匠志向の7つがある。
  • 報酬の高さと社員のやる気は関係ない。因果関係はない。
  • 異なる職種や東急の評価を合わせるために、共通の基準や尺度を設けてはいけない。経験や見識と、組織的な話し合いによる評価段階の目線合わせが必要。こういう組織学習は、2,3年かかるプロセス。
  • コンピテンシーは、成果を生み出すのに貢献した発揮している行動のこと。
  • 戦略的ゴールが一部の人で決められると、検討に参画していない人は強制されたノルマになる。そのための施策まで決められても、現場の実情には合わない。右回りの失敗のプロセス。成功のプロセスは、ビジョンをシェアしたら、まずやってみようということ。
  • 若手の何とかのようですを理解し共有するには、体験を共有するしかない。その場でやってみる、行ってみる。
  • アクションラーニングでは、現場を離れて、現実の問題について検討し、解決策を生み出して現場に戻る学び方。参加者は、行動すべきテーマを提示するようにする。参加者が生の課題を持ち寄り、それを議論して互いにアドバイスし合い、それを持ち帰って実践し、次回の会合で振り返る。
  • 人に命令を出すDO型リーダーと、集団のビジョンや価値観を共有して関係性を高めるBE型リーダーがいる。DOをのぞいて何も残らなければその人はリーダーの役割を果たせない。BE型リーダーになるには、問題が起きたときに、自分がどうありたいかを考えること。あるいは、内観。
  • 関係の質が良くなると思考の質が良くなり、行動の質も良くなる、それが結果の質の向上につながる。
  • 時間をかけないと失敗する。組織の文化や人の意識は、早くて6ヶ月、本当に変わるには3年はかかる。そんな悠長なことは言ってられないという経営層がいる組織ほど失敗する。変革が浸透しないので、同じことを何度も繰り返すから。
  • BSCの導入は有効だが、日常の行動のよりどころになるミッションやバリューがしっかりしていれば十分かもしれない。定量的な目標よりも、達成された状態のイメージ、発揮行動のレベルの方が実用的。
  • シェアードサービスといわれる、人事や総務は、内部顧客が誰か、彼らにどのような価値を提供するかを話し合うこと。
  • 先行指標を見つけるには、現状を肯定した帰納的アプローチをとる。業務を洗い出し、うまくいっているかどうかは何を見ればよいかを考える。
  • 学習のための時間をとるには、スタディ・ミーティングをすること。進行役は管理者ではなく、40分から1時間半程度、開発系では半日くらいとってもいい。メンバー全員の報告から始め、発表を3分で区切る。現在の進捗の確認、課題、今後のプランをミーティング内で確認する。
  • ダイアログは、あらかじめテーマやアジェンダを決めず、その時々のテーマを探求する。ダイアログを始めるときは、ゴール(目的を示す)、ロール(参加者の役割やルールを明確にする)、インパクト(なぜこういうことをするかの背景や意義の説明)、プロセス(進め方と時間)のGRIPを明らかにする。次に、チェックイン(今の正直の気持ちや気になっていること)から始める。ダイアログに、ジャッジは必要ない。MITオットーマンのポイントが参考になる。