舟津昌平(2020)「制度ロジック多元性下において科学と事業を両立させる組織の対応」『組織科学』54(2), 48-61
- 近年の研究は、制度ロジック多元性が前提
- コンフリクトをもたらす一方、イノベーションの機会でもある
- →コンフリクトの軽減は、イノベーションの毀損になる可能性(イノベーションの阻害にもなり得る)
- →制度ロジック多元性を保ちながらコンフリクトをマネジメントすることが重要
- 制度ロジック多元性:組織に対して複数の制度ロジックが関与し、影響を持っている状態
- 組織の対応のパターン:
- 区分化を行った上で複合・ブレンド
- 選択的に結合
- 状況に応じてスイッチ
- →3つとも、競合するロジックの中で、新しい支配的なロジックを構築することで競合を解消(組織がいかに多元性を削減するかがテーマ)
- イノベーションを目指す組織=多元性を削減せず、維持したまま、多元性が生み出すコンフリクトに対応
- 産学連携事例(医学部・製薬企業):新薬の創造が目的
- 企業→大学へ研究者派遣、日常的なコミュニケーションの下共同研究
- 企業+国の資金
- 数十の研究テーマ→スクリーニング→創薬標的限定→1/10テーマ
- 調査設計
- 5件のべ7名470分の面接+資料等
- 分析に用いる2つの制度ロジックを先行研究に基づき整理・概念化
- 2つの概念に従って発話データをコーディング
- 集約的分析コード:下位概念を内包した抽象次元において最も上位に該当する概念群
- 二次概念:原データの表現を2つのロジックの概念に沿って抽象化
- 面接後24時間以内にメモ作成
- コンフリクトの解消
- 制度設計:双方の事情を勘案して妥協点を探った結果の2年ルール
- ルール策定:企業が打ち切ったテーマは大学が他企業とでも継続可能
- 資金が企業+国であることが、事業ロジックの圧力を緩和する材料になった
- →第3のロジック(国家ロジックの道具的活用)=2つのロジックの一元化でもハイブリッドでもない多元性への対応
- なぜそうなったのか?:本事例は国の関与や高い公共性が求められる特徴+ケアのロジック(患者さんのため)→2ロジック以外がドミナンスを持ちやすい事例