三浦泰子・川上泰彦(2017)「高大接続改革をめぐる研究動向レビュー」『兵庫教育大学学校教育学研究』30,197-208
- 現行の大学入学者選抜の大きな影響下で高等学校教育が抱えている課題
- 選抜性高:自ら課題を発見し解決するために必要な思考力 ・判断力 ・表現力等の能力や、主体性を持って多様な人々と協働しながら学ぶ経験を持つこと
- 従来型:主体性や学修のための明確な目標が不足
- 困難型:基礎となる知識・技能自体の質と量 が不十分(入学者選抜が機能しなくなっている大学 に漫然と送り出される)
- ALは主体性の醸成につながらない
- 学ぶべき必然性の自覚(=目的意識の醸成プロセス)が必要なため
- 主体性は、進路意識(進学先決定の意識)・目的意識と密接に関連しながら、学力の三要素では言及されない。
- 生徒が各大学のAPに沿って進学先を決定することが暗黙の前提になっているが、高校教育はそれに対応できていない。
- (ALは学力向上の教授法とされているからでは?)
- 実は、進路意識や目的意識は切実な要求になっていない。
- → 大学選択と将来のつながりが不明確な時代では、大学選択は脆弱で曖昧にならざるを得ない。
- 大学側中心の高大接続=高校学習者の視点が欠如(=主体的な学びと進路意識・目的意識)
- 探求学習については、大学での学問積極性や授業満足と必ずしも相関があるわけではない(学問分野選択のレリバンスを見いだした生徒も多くない)。
- 目的意識の形成プロセスも不透明(高大連携活動が進学に役立ったという+回答はあるものの)。
- → 総合的な学習が目的意識形成につながっているとはいえない。
- 中高での学びは自分の生き方と重ね合わせられることがない
- 高校生の学ぶ力の低下(谷口 2012)
- (1)言語力の低下、(2)知の量的不足と質的低下、(3)知に向かう姿勢の劣化
- 地方公立校生徒の意識
- 社会的自己実現志向と難関大学志向の結びつきは、都市部より地方の生徒が強い。
- 地域間移動者ほど社会への貢献意識を伴ったエリート意識と地域間格差是正への意識を持っている。
- 地位達成志向:進路希望+、内発的学習態度-
- 自己実現志向:内発的学習態度+ ← 社会的自己実現志向<個人的自己実現志向