Dee, J. and Leisyte, L. (2017) "Knowledge sharing and organizational change in higher education," The Learning Organization, 24(5), 355-365
- 研究の目的:大規模公立大学で知識フローを促進したり阻害する境界条件を明らかにすること
- 2つの取り組みに注目して分析:FYEセミナー科目の創設と学生アドバイスセンターの創設
- 一般に、対立する集団同士での知識の組織化は困難(Berends and Lammers 2010)
- マネジャーは組織学習を組織の効率性や効果を高める手段と見なしやすい
- 教員集団は新しいアイディアや革新的な取り組みを求める機会とみるが)
- 知識が組織境界を越える3つの要素
- 組織メンバーが転移を求める知識のタイプ
- 暗黙知ほど転移が困難:形式知にすることで転移を促進できる
- 知識フローに関する認知的・社会的プロセス
- 知識を送信・受信する組織間の境界条件
- 境界条件の分析方法(Carlile 2004):3つの条件を記述する
- Syntactic boundary:部署間のコード・ルーチン・プロトコルの違いを反映するもの → 知識に関する共通の語彙をつくることで越境しやすくなる
- Semantic boundary:部署間の異なる解釈を反映するもの(教育成果の測り方が学部間で違う=教育賞を作る基準が全学でつくれない) → 共通ストーリー・共通人工物をつくる(全学から構成される委員会で賞を決める)
- Pragmatic boundary:部署間の関心や主張の違いを反映するもの(共通言語を作ることは声の大きい部署の意見を反映すること)(研究を強化しようとする方針の下で教育の重要性を主張する = 共通言語の生成では解決できない → 知識の転移プロセスがより重要になる)
- 知識の転移プロセスには、知識の共同生成と共通関心の確認の2つがある

- 分析方法:大規模公立大学の戦略委員会メンバー:51教員と40管理職、主題分析
- FYE:執行部案に教員が懐疑的→1年遅れで実現
- 全学委員会を設置して議論:知識の共同生成が行われる
- アドバイスセンター:全学委員会が作られない=執行部からの知識転移のみ行われる
- 同様に1年遅れで実現したが、教員が懐疑的なまま効果が小さい